御囲章ーX’MAS ARTIST SHOP 2023

一枚の版木で多色刷りをする「彫り進め」の御囲章さんです。
彼を紹介するときいつもただただその理性的な制作に驚くのですが、もっと作品の真髄に迫りたいと思います。彼の作品からあふれ出る生命力に実は圧倒されるからこそ制作過程に気持ちを逃がしているようにも思うのです。

作家在廊予定
12/ 8(金)    15:00-19:00   御囲章
9(土)    12:00-15:00   はまだのりこ
10(日)    12:00-15:00   建部弥希
15:00-17:00   pecora
11(月)    12:00-14:00   倉中玲
15:00-18:00   中村友美
13(水)    15:00-19:00   服部純栄
14(木)    12:00-13:00   花井正子
13:00-15:00           hiroko
15:00-18:00   水野清波
15(金)    12:00-14:00   近藤美和
14:00-16:00   サノエミコ
16:00-19:00   小山剛
16(土)    13:00-16:00   平塚啓
16:00-18:00   小平治
17(日)    12:00-14:00   おおざる工房
14:00-17:00   momiji
21(木)    15:00-17:00   よしだ律
22(金)    15:00-19:00   山内寿美
23(土)    13:00-15:00   馬場陽子
15:00-18:00   辻将成
*追加変更の場合はその都度お知らせいたします。

X’MAS ARTIST SHOP 2023

今年も最後の展覧会は「X’MAS  ARTIST SHOP」です。
今年1年たくさんの作家の皆さんに支えていただきました。年末は42人に締めをしていただきます。

イラストレーション、油絵、日本画、版画、陶器、ファッション、写真、・・・たくさんのジャンルですが、これぞプリズムというラインナップです。
かくもにぎにぎしく2023年を終われることに感謝です。

クリスマスやお正月をテーマにした作品も数多くありますので、作品は即売です。お早目のお出かけをおすすめします。なかなかお出かけできない方や遠方の方には電話やメールでの予約もしていただけますが、予約受付は12月11日月曜日からとさせていただきます。作品の詳細を写真でお送りしますのでご利用ください。
TEL052-953-1839(営業時間のみ)
e-mail     withsns.prism@gmail.com

作家在廊予定
12/ 8(金)    15:00-19:00   御囲章
9(土)    12:00-15:00   はまだのりこ・倉中玲
10(日)    12:00-15:00   建部弥希
15:00-17:00   pecora
11(月)    15:00-18:00   中村友美
13(水)    15:00-19:00   服部純栄
14(木)    12:00-13:00   花井正子
13:00-15:00           hiroko
15:00-18:00   水野清波
15(金)    12:00-14:00   近藤美和
14:00-16:00   サノエミコ
16:00-19:00   小山剛
16(土)    13:00-16:00   平塚啓
16:00-18:00   小平治
17(日)    12:00-14:00   おおざる工房
14:00-17:00   momiji・よしだ律
22(金)    15:00-19:00   山内寿美
23(土)    13:00-15:00   馬場陽子
15:00-18:00   辻将成
*追加変更の場合はその都度お知らせいたします。

加藤茂外次展ー最終日

「加藤茂外次展」本日最終日です。(午後5時まで)
版画のすべてを知り尽くしたうえでそれぞれの技法のよいところを生かしての制作。美しい作品を魅せてくださいました。

次回は12月7日(木)-25日(月)*火曜休廊「X’MAS ARTIST SHOP 2023」今年最後の展覧会です。

サクレクールへの道ー加藤茂外次展

モノクロ写真を見るようにモノトーンのエッチングは観る人の思いを自由に投影する楽しみがある。

サクレクール寺院への思いはパリを旅したことのある人はその日の暖かい思い出を反芻するかもしれないし、音楽好きの人ならドビュッシーを思うかもしれない。

絵、特に風景画はその場所へのそれぞれの思いの違いが作家の思いとは別の感情を生み出すことがある。「場所」に特別な意味はないのだけど、人は特別な思いを持つ。作家だって本当は描いた場所に特別な思いを持っている。それでなければきっと描きはしない。それでも観る側は観る側の思いで観る。それでいいのだと思う。

 

パイン姐さんー加藤茂外次展

しゃれたたたずまいの作品の中でひときわ異彩を放っている作品がこれです。

「加藤さんこういう絵も描くんだ!?」と何人ものお客様から声がかかります。

こういう方向に行くことがいいのかどうかはわかりませんが、肩の力を抜くことはきっと大事なことなんだと思います。

肩の力を抜くことと適当にやることとは全然意味が違いますが、本人にとってみればその見極めってきっととても難しい。

それは作家に限ったことではありません。どんな人にも言えること。

Cちゃん(加藤茂外次さん界隈の方)に似てるともっぱらの噂です。

アンモーンー加藤茂外次展

「アンモーン」とは隠れた者と言う意味らしい。エジプトの太陽神のことなのだそうです。

羊の角と同じ形の角を持つ神。「アンモナイト」の語源でもあるそうです。
画面右下あたりにアンモナイトのようなものも描かれています。

古代へのロマンを感じる作品です。遠い昔。そこへは行くことはできないからこその甘い感傷。

「アンモーンの樹」という楽曲があります。興味のある方は調べてみてください。その曲を聴きながらこの絵を観るのもいいですよ。

夕凪ー加藤茂外次展

ウォータレスリトグラフの作品です。
先日紹介したウォータレスリトグラフの作品は色味を押さえたものでしたが、これは色の存在が大きい。

まさに美しい夕凪の穏やかな風景です。

で、この作品の海や街の美しい色のことなんですが、その部分はリトグラフではありません。そこはシルクスクリーンで刷られているのです。
つまりこの作品は正確に言うとウォータレスリトグラフとシルクスクリーン版画という2つの技法で制作されているということになります。

版画のことならなんでも知っていてなんでもできる加藤茂外次さんだからできた作品なのです。それぞれの技法の良いところを作品に生かしていく。あまり聞かないことだけど面白いですね。実は先日紹介したリトグラフにも一部シルクスクリーンで制作されていたのでした。

カイゼルベルグー加藤茂外次展

現在一番人気の作品です。
版画なので複数枚用意があります。

なんでわざわざこんなことを書くかと言うと、お客様の中に「これは赤丸が付いているのでもうないのですよね」と尋ねる方が案外いらっしゃるからなんです。

ついでに版画についている分数の意味を書きます。これは良く知られていることなので知っていらっしゃる方は飛ばしてください。

版画作品ではだいたい左下に1/5とか3/25などの分数のような表記があります。これはエディションナンバーあるいはシリアルナンバーと言われるものです。分母に当たる数字が刷った枚数。分子に当たる数字が通し番号です。刷った順と言う方もいらっしぃますがだいたいはする作業に没頭していてそこは順番通りとはいかないものらしいです。

分母のあたる数字は変えてはいけないのがルールです。最初に5枚と決めたなら5枚までは刷ってもいいけれど8枚も10枚の刷ってはいけません。1/5が世の中に2枚も3枚もあってはいけないのです。このルールを破る作家は信用されません。

ただし版画にはa.p.とかe.a.と表記されたものがあります。
a.p.は英語で「artist proof」e.a.はフランス語で「epreuve d’artiste」。どちらも作家保存と言う意味です。これはエディションナンバー外のもので数に決まりはありません。エディションナンバーの管理が大変だから全部作家保存にしてしまう作家もたまにいらっしゃるのは事実です。

他に非売h.c.や試し刷りt.p.なるものもあるそうですが、私は見たことがありません。

版画の豆知識でした。

風の絆-加藤茂外次展

この作品だけは新作ではありません。
30年ほど前に制作したものだそうです。
当時コンペに出したまましまってあったのを最近掘り出してきたのだけど、あまり人前に出していなかったので今回見ていただこうということになりました。

「30年前も今もたいして進歩していないなぁ」と本人はおっしゃるけれど・・・。30年前と言うことは加藤茂外次さんが40歳になるかならないかと言う頃です。技術的には技法の習得も完成された頃だっかのではないでしょうか。

作品とは技術だけのことではない。技術の習得があってこその深みが出るのだから言葉通りを受け取るわけにはいきません。加藤さんの謙遜の言葉と捉えています。

そこからどうしていくのか。それは作家としてそれ以降の大きな課題となっていくはずです。

他の作品はすべて近作です。
そういう構成なのだと思ってこの展覧会を観ていただくのも面白いのではないでしょうか。

オルレアンのJD-加藤茂外次展

「・・・JD」って何?
加藤茂外次さんは「女子大生」と寒いギャグを飛ばしていますがそんなわけはなく「ジャンヌ・ダルク」です。

馬に乗って凛々しく戦いに赴くジャンヌ・ダルク。
気高い心を持つ人をその当時の絵のようにエッチングで制作しました。

エッチングは私の浅い知識では銅板をニードルで線を彫ってその溝にインクを入れて紙に刷って版画にする。簡単に言えばそういう工程です。

そう、浅い知識ならそんなところなのだけど、それなら線だけの表現になるはずです。ところがよくよく見るとニードルの線では説明のつかないところがいっぱいある。一番わからないのがクレヨンで描いたような部分がある。

先ほど溝にインクを入れてって書いたけど、溝を腐食させて深さを調節することも版画の世界では技がいるらしい。
銅板だから酸に漬けて腐食させるのだけど、酸が付かないようにカバーすればそこは腐食されないということになる。建築用のクレヨンで描けば描いたところは腐食されないのでインクが入らず白く残る。白のクレヨンで描いたように見えるというわけです。これは他にもやっている作家がいるかもしれないけれど、一応加藤さんが独自に開発した技なのだそうです。
馬のお尻のあたりがその技で表現した部分です。よく見てください。

う~ん!

まだまだこれなんだろうがきっとでてくるんだろうな。