ステップが見える!ー辻將成展

辻將成展ではダンサーの仲間がたくさん来てくださっています。

彼らは「どんなステップを踏んでどこでどんなターンをしたのかよくわかる」とおっしゃいます。なんだかとても羨ましい。彼らには一目でダンスの痕跡だとわかるのだから。

だけど誰もが同じものを見なくてはいけないのだろうか。
そうではないだろう。

ブレイクダンスを知らないからこそ見えるものだってきっとあるし、そもそもダンサーがみんな同じものを見ているわけではないと思う。

観る側の個性と創る側の個性が出会うことで世界は広がる。

ダンスのステップー辻將成展

辻將成さんの制作はまず支持体(描かれるもの)に絵具のチューブから線を絞り出す。

この線は何かを描いたり抽象形態を描いたりしているのではありません。
作品はダンスの痕跡。
ダンスにはステップがあります。どんなステップを踏みたいのかを決めたら、ステップを踏むであろうあたりに絵具を置きます。ところどころいろいろな色も置いていきます。

この過程に随分時間を使っていました。絵具を置きながらダンスの構成を綿密に考えているのだろうことが伺えました。

できあがってしまっている画面からはわかりづらいことだけど、これがブレイクダンスの痕跡を制作する最も重要な場面だと思いました。

何に見える?ー辻將成展

何に見えるか?
何かに見えないといけないのか?

何かに見えなければいけないことは、全くない。

何かに見せようと辻將成さんは全然思ってはいないのだから。
絵として素敵に見えるかさえも考えていないのだと言います。
ブレイクダンスとしてちゃんとステップが踏めてポーズが決まっているのか、それが一番大事。ポーズが崩れたら他人がどんなにかっこよい画面に仕上がっていると褒めてくれても彼は納得しない。

それなのに何かに見えてくるのは観ている人の勝手。

しかし何かに見えてくる。そこには何かあると、私は思っている。本人もまだわかっていない何か。これからわかる日が来るのか。それともそんな日は来ないのか。それも楽しみ。

痕跡を残すー辻將成展

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ブレイクダンスは練習に練習を重ねてもパフォーマンスの時間は一瞬です。
それはそれで辻將成さんは受け入れてはいるのです。

ある時痕跡は残せることに気づきます。
映像化はできるけど、それは記録であり痕跡ではありません。
記録では物足らなかった何かが痕跡にはあることにも気づきました。
手足にLEDを付けて写真を撮ると痕跡は残る。

1つ方法を見つけると嬉しい、けれどいつかは飽きる。
痕跡は残したい。

ある時ダンスフロアに残るダンサーの靴跡にダンスの痕跡を見た。
これを自分の表現に取り入れたい。
この思いが今回の作品のスタートでした。

今日4月20日から5回のライブが予定されています。
有料(1000円)で要予約ではありますが。是非お出かけください。

③4/21(日)午前11時ー
④4/28(日)午前11時ー
⑤4/28(日)午後6時ー

まだ若干のお席を用意できますので是非ご予約ください。
withsns.prism@gmail.com

ブレイクダンスに明け暮れた日々ー辻將成展

中学3年生のときブレイクダンスに出会ってしまった辻將成少年。
以後どんどんダンスの世界にのめり込んでいきました。

高校生の時は18歳で職に就くのだろうと思っていたのにダンス仲間がほとんど進学することを選んでいるのを知り進学を考えるようになりました。
物を作ることは好きだったのでそれも続けていけるようにインテリアデザインを学べる学校を選んだ。その中でもダンスができる環境は重要だったと言います。

とはいえダンスと物作りはまったく一致しなかった。

偶々デザインには英語ができなければと語学留学したオーストラリアでアートを意識するようになりました。
帰国後そこを深堀りするために大学院に進むことを決めました。

大学院は立体系のインテリアデザインとアート・・・、彫刻に進む。
そこでは「自分を見つめる」を突き詰められる。
そうなると自分とブレイクダンスは切り離せないことに気づく。
やっとアートとダンスが繋がった。

さてどうやってそこを制作と繋げていくか。
またもや心の格闘は続く。

ライトを手足に付けて写真にすると手足の動きの痕跡が残った。
これは今も続けている制作の1つ。

痕跡を残す。
たどり着いた。
やっとたどり着いたところは出発点だった。

鈴木喜家日本画とスケッチ展ー最終日

「鈴木喜家日本画とスケッチ展」本日最終日です。
スケッチの大切さがよくわかる展覧会でした。

次回は「呼応する身体ライブパフォーマンス 辻将成展」です。
ダンサーでもありアーティストでもある辻将成さん、ダンスの痕跡を作品にします。
オープニングアーティストトーク(無料予約不要)
4/18(木)午後7時から
ライブパフォーマンス(有料1,000円要予約)
①4/20(土)午前11時ー
②4/20(土)午後6時ー
③4/21(日)午前11時ー
④4/28(日)午前11時ー
⑤4/28(日)午後6時ー
予約はwithsns.prism@gmail.comあるいはメッセンジャーからでも承ります。

洗うー鈴木喜家日本画とスケッチ展

数日前の投稿で「お湯で洗うってどういうこと?」で終わりました。

「洗う」
ぬるま湯や水で本当に洗い流すこと。

洗い流して描き直すってことかな。
そういう意味もないわけではないというけれど、画面の質感を整えたり、今見えている色の下に描いた色を出したり。
それは技法の1つなんだそうです。

「洗い」の効果は計算が成り立つこともあるし、計算外のこともあるらしい。

日本画のこと何も知らなかった。もっともっと知りたい日本画。

 

春の裏磐梯ー鈴木喜家日本画とスケッチ展

今回の個展で一番大きなな絵です。

日本画独特の優しい色合いが大きな画面に広がっていて、やっと春が来た喜びが伝わってきます。

鈴木喜家さん本人は温暖な吉良吉田に生まれ育ったのですが、磐梯山の緑が萌え出す様を観てこの地に暮らす人々の気持ちが自然に伝わってこのような絵になったのだと思います。

この展覧会を観た多くの方が「優しい絵ですね。心が和みます。」とおっしゃいます。ご本人が本当に優しいお人柄なのですから絵に現れるのは当然と言えば当然です。

山が笑っています。

北の海鳥たちー鈴木喜家日本画とスケッチ展

鈴木喜家さんは10年ほど前に病気が見つかり以来お付き合いが続いています。
見つかった当時は上手に付き合うことも手探りだったし、付随してけがもありました。

鈴木さんは体格に恵まれた方で少しづつ病気が進行する中で「私はこの体格ですから大きな絵を描くのは得意だったのですが、もう大きな絵は描けないかもしれない。小さい絵なら描けるからこれからは小さな絵を描くことにするかな。」とおっしゃいました。当時、それはそれで新しい世界を描いてくださるんだろうなと 思ったものです。

以後丁寧に治療を受けリハビリを続けてこられました。

昨年の鈴木さんの所属団体「白士会」の展覧会で今日紹介しているシリーズが出品されていました。180×240㎝の大きな絵でした。力強い。そしてモノクロなのにとても明るい絵でした。制作の喜びが絵に漲っているように見えました。

このシリーズはこの光景に出会ったときに「描きたい」という気持ちでいっぱいだったそうです。

治療と感動のタイミングがベストだったのかもしれません。

また大きな絵が描けた。また描ける。

75歳を過ぎてもまだまだ新しい世界を開いていける。病を得てもなお。
絵にはそんなことも、具体的には見えないけれど、見せてくれる。

新緑のころー鈴木喜家日本画とスケッチ展

今日から「鈴木喜家日本画とスケッチ展」の後半です。
このブログでは今日から本画(完成画)を紹介していきます。

山桜が新緑の中に映えて穏やかな風景になっています。
日本画の絵具の優しい色合いが素敵です。

この絵、一度描いてから少し気になるところがあって洗って描き直したのだそうです。ほうっ?どういうことでしょうか?

本画には本画の聞いてみたいことだらけ。
明日からも楽しみです。