絵を飾るようにお皿を飾る。
穏やかな海の絵のような、穏やかな夕暮れ間際のような、草原の向こうに建物が見えるような・・・。静かな心のような、温かい淋しさのような・・・。
お皿を絵を観るように見てはいけないなんて誰も言っていない。
そういう見方をしたっていい。
ガラスのお皿はただお皿として使ったってもちろんいい。
物の見方は一方向だけではない。
無限の可能性をこの1枚に見つける楽しみを林孝子さんは私たちにくれた。
WHITE MATES bldg.1F 1-14-23Izumi Higashi-ku Nagoya Japan Phone052-953-1839
絵を飾るようにお皿を飾る。
穏やかな海の絵のような、穏やかな夕暮れ間際のような、草原の向こうに建物が見えるような・・・。静かな心のような、温かい淋しさのような・・・。
お皿を絵を観るように見てはいけないなんて誰も言っていない。
そういう見方をしたっていい。
ガラスのお皿はただお皿として使ったってもちろんいい。
物の見方は一方向だけではない。
無限の可能性をこの1枚に見つける楽しみを林孝子さんは私たちにくれた。
孝子さんのオブジェがまた魅力的。
奥にある透明なオブジェは片手で持つにはちょっと重い。両手なら十分持てる大きさです。少しでこぼこしている板ガラスを重ねて形にしていますが、そのでこぼこが水泡のようにも見えさらに涼し気にみえます。
小さいカラフルなオブジェは2㎝くらいの高さでこれまたかわいい。
少しずつ大きさが変わっている6枚のガラス板をピラミッド状に積み上げて焼いてあるのですが、温度の差でガラスの溶け具合が変わったり、積み方のバランスの違いでゆがんだり、・・・。
このオブジェたちが隠れた人気者。
器展ですが、「オブジェがまた観たい」の声がたくさん聞こえてきます。
早くも番外編です。
「雅羅素器展」といいながらオブジェです。
高さ2m近いなかなかの大きさがありまして・・・。
結構存在感ある三角柱です。
昨年別の場所で展示したのですが、名古屋の皆さんにも観ていただきたくて今回の展示になりました。
それでも場所が違うといろいろな条件が同じというわけにはいきません。
ガラスの透明性の美しさを三角柱の中に光源を入れることで見ていただいています。
5000枚のガラスパーツを少しずつ焼いて繋げていくことでできています。
朝から晩まで作業してたった10cmほどしかできないのだそうです。
労作だからということではなくこれは美しい作品です。
実物でしかわからない魅力を是非実感していただきたいです。
夏はガラスの器がやっぱり嬉しい。
直径17㎝。
まず私の頭に浮かんだのは冷たい葛饅頭。もちろん生の笹の葉か紫陽花の葉。いえいえ紫陽花の葉には毒があるそうなのでだめですね。
冷ややっこもいい。トマトサラダはどうだろう。
早く桃が出ないかな。
発想が貧困だなと、まあ笑ってください。
みなさんならどんなおいしいものをお考え下さるでしょうか。
私は「水無月」にしました。
(実は孝子さんへのお手土産でした)
林孝子さんがガラス作家になったのは50歳を過ぎてからだそうです。
もともと孝子さんのオウチの家業がガラス周りのお仕事だったこともガラスを素材にするようになった大きな理由です。
小さな時からガラスが身の回りにあり、ガラスの長所も短所もも知り尽くしていました。
だから、そういう年齢から作品を作り始めても作家として成熟しているのです。
作品という形にしてなかっただけでもっともっと前から孝子さんの頭の中では作っていたのではないかと思います。
ガラスは熱を加えれば自由に形を作ることができるし、色も入れられる。
窓ガラスは透明だと思われているけれど、重ねると色が表れる。
孝子さんにとってこれはとても魅力的なことだったのでした。
85歳を過ぎてもガラスの可能性を追求している孝子さんはかっこいい。ヴィヴィッドだ。
人は何かに夢中のなっていると心の歳はとらないんだなぁと、毎日孝子さんに会っていると思います。そしてそういう人は周りにいる人に幸せをしてくれるのです。
孝子さんが作品に使うパステルカラーも原色の赤も全部孝子さんだ。
こんなに作品がストレートにその人自身だとわかることもそうないこと。
正直な人だと思う。
林さんの作品は色が豊富。
それも明るくてクリアな色が多い。
だから、楽しい。
よく考えてみたら、それは林孝子さんそのものだった。
作品の紹介がまだほとんどない個展3日目のブログに作家の人となりを書くのはちょっと誤解を生みそうなのだけど、人となりを知っていただくほうが作品を理解するのに手っ取り早い。その表現がまた誤解を生みそうなのだけど。
私は林孝子さんのことを「孝子さん」と呼んでいる。
昨日までここでは「林さん」と書いていたけど、自分で誰のことを書いているのかと思うほど違和感があったので今日からは「孝子さん」と書くことにする。
孝子さんは85歳。
年齢が最初に書くなんて失礼と思うなかれ。このポップな作品を85歳の方が作っていると思うと、それだけでこの作品がさらに生き生きしてくる。
孝子さんは驚くほどパワフルだ。
とにかく好奇心旺盛。
素敵なこと楽しいことが大好きで、そのためにはどんなことも厭わない。
そんな孝子さんだからこそこの作品が作れるのだと思う。
ガラスの器は美しい。
食器として使うだけでは寂しい。美しいのだから飾ったっていい。
それが今回林孝子さんが飾れる器を作った理由。
林さんのガラスの多くはベースのガラスに色のガラスを絵具のように置いて焼く。焼き加減によって置いたガラスは表面に浮き出たり、ベースの中に入り込んだりする。もちろんそれは作家の意図のもと温度や時間を管理してのことだけど、微細なコントロールまではできない。そこにガラス作品の面白さ奥深さがある。
このお皿は薄い茶色の透明なガラスに緑と青に絵具で塗ったガラスのパーツを置いて焼いてある。この器の場合パーツを置いた面を裏として成形してある。
絵具で塗る?
絵具は焼いても色はかわらないのか?
ガラス用の特殊な絵具があって油絵の具のような粘度があり、焼いても色は変わらないのだそうだ。
裏となる面に色を塗ったガラスのパーツを置いたので裏面のほうが色が鮮やかだ。飾るのは裏でも表でも好みで飾ればいいと林さんは言う。
飾るという用途のために穴を開けて、金属を編んで作ったリボンが付いている。
門外漢には意外なことに穴を開けるのがとても大変なのだそうだ。この作業で作品の半分は割れて没になるのだって。
まだまだわからないことだらけのガラスだ。
本日、名古屋方面は警報が出るほどの悪天候です。
大変申し訳ありませんが林孝子さんの在廊は中止とさせていただいています。
プリズムは午後7時まで営業の予定ですが場合によっては時間を繰り上げての閉店といたします。その場合はHP・SNSでお知らせいたします。
「夏、すずやかに。」は本日最終日です。(午後5時まで)
工夫のある暮らしを考える展覧会になっていたらいいなと思います。
次回は6月1日(木)から「林孝子雅羅素(ガラス)器展」です。
こちらも涼やかな暮らしの提案となればいいなと思っています。
夏はどうしても寒色系が多くなります。
暖色・・・。字を見たって暑い。
だけど、寒色ばかりだとちょっとメリハリに欠けます。
スパイスのように暖色も入れましょう。
夏も嬉しい暖色。金魚の赤。スイカの赤。
スパイスだからちょっとだけ。
今日を含めて会期もあと4日となりました。
会場設営の際、作家の皆さんに「会場全体が1つの作品」という考え方で展示を進めてきました。ありがたいことにたくさんの作品がお客様のお手元にいきましたことから、その都度展示に手を入れてきました。さすがに「会場が作品」ということに無理が出ている状況でこれから来てくださるお客様には心苦しいのが本音です。
それぞれの作品には自信があります。
是非一度お立ち寄りください。