昨日、新しいモチーフのことを書きました。
今日注目したのは構図です。
「デザイン的ですね」と何人かの方に言われました。
デザイン的ってどういうこと?
デザインの世界では見かける構図っていうことでしょうか。
モチーフのレイアウトが自然界の摂理とは違っているのが面白い。
シュールとも違う。
こういうことね。という答えは出ませんが、とにかく新鮮な構図です。
WHITE MATES bldg.1F 1-14-23Izumi Higashi-ku Nagoya Japan Phone052-953-1839
昨日、新しいモチーフのことを書きました。
今日注目したのは構図です。
「デザイン的ですね」と何人かの方に言われました。
デザイン的ってどういうこと?
デザインの世界では見かける構図っていうことでしょうか。
モチーフのレイアウトが自然界の摂理とは違っているのが面白い。
シュールとも違う。
こういうことね。という答えは出ませんが、とにかく新鮮な構図です。
今回の個展ではいくつかの新しいモチーフが出てきました。
猫
数年前から飼い始めた猫は今では百瀬さんにとって大切な存在になっています。
独特なデフォルメーションのお馬さんのような猫はいかにも相棒といった感じです。
小鳥
天使も小鳥も羽根があって自由に飛び回ることができます。
ヨーロピアンな民芸品のような小鳥はおしゃれでかわいい。
「飛ぶ」に託された何かがあるのだろうか。
他にも今までは描かなかった花が出て来たことがとても新鮮に感じます。
新しいモチーフにはきっと何か新しい世界観があるに違いない。
画家となるべくスペインに若くして渡った百瀬博さん。
その空気感を忘れずずっと描き続ける。
シエスタにまどろむあのスペインの大地は独特な時間と空気が流れている。
祭や闘牛やフラメンコの激しさの後ろに、あの静かな空気がいつもある。
スペインは柔らかい。それでいてひりつく。
あの感覚がよほど彼の肌に合ったのだろう。それでも帰る日が来てしまった。
今
あの日に戻りたいのではないだろう。
あの日々を遠い日本で思うことが心地よいのかもしれない。
数年前、突然百瀬博さんの頭の中に現れた天使は今も健在です。
少しずつ何かが変わってはいるけれど、作品の中心に天使がいる。
頭に小鳥のお面を被り、緑の鞄を首から提げた天使。
それも3年前と同じ。
だけど確実に何かが違っている。何だろう。
変わっていて変わらない。
そもそも天使という存在は日本人の私たちにとってそれほど馴染みが無く、ともすればメルヘンの世界を思ってしまいます。彼の人間性からしてそういう世界観で天使を描いているとは思えません。
前回より深く天使を掘り下げてみたい。
本来はCOVID-19による営業自粛要請が出た頃に個展の初日を迎える予定だった百瀬博さん。やっと少しずつ平常を取り戻しつつある中、仕切り直していただきました。作家にとって個展は人生を懸けた大仕事。仕切り直すために心を立て直すのは容易なことではありません。ベテラン作家(百瀬博さん)の力をお借りして無理をお願いしました。また、急遽の延期が伝わらずギャラリーまでお運びくださった百瀬ファンのみなさん本当に申し訳ありませんでした。
さて百瀬ワールドです。
前回にも世界観を作っていた天使は少しずつ変化を見せてはいますが健在です。
ある時突然百瀬さんの頭の中に降りて来てくれた天使。「いつまでいてくれるのかな。いてくれる間は描き尽くしますよ。」とおっしゃっていましたがまだまだ描き続けなさいということのようです。
「今回初めて自分の心の中にいる誰かのために絵を描きました。その方に贈る絵です。だからタイトルはgift贈りものなんです。」と。
それはいったいどういうことなんでしょうか?10日間かけて解けるといいなと思っています。
まだまだCOVID-19は油断できません。今回もギャラリートークはありません。
百瀬さんは6月18(木)21(日)22(月)24(水)27(土)28(日)午後1時から4時まで在廊の予定です。
③密を避けるため入場制限(5人作家スタッフを含む)をいたしますが、マスクご持参の上お出かけください。
COVID-19による前代未聞の営業自粛解除後初めての展覧会であり、会期後半はきっちり梅雨の洗礼を受けた加藤鉦次さんの個展も本日最終日となりました。
まだまだ対策を怠ることは危険なので入場制限もさせていただき入場までお待ちいただくことも多々あり本当にご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
それでもたくさんの方にお出かけいただけたことは感謝の限りです。
アートを心待ちにしていただけたこともこれからのギャラリー運営に大きな力をいただくこととなります。
次回は6月18日より「百瀬博展 gift-贈りもの」を開催いたします。
こちらも時節柄ギャラリートークはいたしませんが、
18(木)21(日)22(月)24(水)27(土)28(日)
午後1時−4時
百瀬博さんが在廊いたします。入場は3人まで、在廊は1組20分以内とさせていただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い申し上げます。
加藤鉦次さんの絵はやっぱりどなたかがおっしゃったように現代の「印象派」なのだと思う。
「印象派」は光の変化と時間を捉えて絵にすることが特徴なのですが、これは完成されているものでもない。完成することはないのだろう。
だから「印象派」は古くも新しくもない。永遠に道半ばということになる。
それでも光と影と時間を追い求めるその画家の心が切なく、観客の心を離さないのだと思う。
この個展作品の制作を通して「影」の表現に納得がいくようになったそうです。
「影」が描ければ「光」も深い表現になる。
すでに古稀も過ぎ画家としてはベテランと言われる加藤鉦次さんですが、進化が止まらない。進化していくということは苦しいこともたくさんあると思うけれど、それすら楽しんでいるように見える。
立ち枯れたひまわりー晩夏。
旧盆も過ぎようとしている頃、北の地ではひまわりも盛りがすぎ稲も実りの時期を迎える。
自然は淡々と移ろっていくけれど・・・。
人の時間も案外概ね淡々と過ぎていくのかもしれない。
淡々と過ぎてゆくときは、大きな収穫を残してくれる。
人だって自然ほどでは無いにしても何かしら残している、と信じたい。
立ち枯れたひまわりに過ぎて来た自分の時間を観るようで、見過ごしにはできない。
葡萄が実る頃、葡萄の葉はもう既に当然新芽ではない。
加藤さんはその2つのみずみずしさを一緒に観たくてこの絵を描きました。
夏の光が葉っぱで乱反射して眩しい。
葡萄の蔓は観ている間に伸びていくかのような生命力を感じる。
緑・青・黄色・オレンジ
どれも生きる力に溢れている。
花の絵とは少し違った趣はあるけれど、視点の揺れは見える。
加藤さんの描きたい何かが少しずつ見えてくる。