新緑のころー鈴木喜家日本画とスケッチ展

今日から「鈴木喜家日本画とスケッチ展」の後半です。
このブログでは今日から本画(完成画)を紹介していきます。

山桜が新緑の中に映えて穏やかな風景になっています。
日本画の絵具の優しい色合いが素敵です。

この絵、一度描いてから少し気になるところがあって洗って描き直したのだそうです。ほうっ?どういうことでしょうか?

本画には本画の聞いてみたいことだらけ。
明日からも楽しみです。

開田高原・夕暮れー鈴木喜家日本画作品とスケッチ展

このスケッチはなんと50年ほど前に描いたものだそうです。

制作に取り掛かるときには過去のスケッチを紐解き一枚一枚に目を通す。
随分昔に描いたスケッチでも昨日のことのようにその時の感動が蘇るときがある。スケッチを通して別の感動が蘇ったり、また新たな感動となったりする。

そんなふうに心に何かひっかりができれば本画(完成画)の制作に移行する。

過去の感動は時間を経て熟成されより良い制作の意欲になっていくということだ。

スケッチはスタートラインにすら立っていないこともあるのだから、今まで展覧会で見せたことは無かった。これは作品ではない。あくまで覚え描き。

今回なぜスケッチを見せようと思ったのか。
そこに画家としての心の動きがはっきり残っており、それを観ていただくことに意味があると意識したからだそうです。

本画にしたいと思う時とは、実はそのスケッチに現在の自分が「いい!」と感動しているときなのだから。

今日で「鈴木喜家展」は会期の半分が終わります。明日(4月9日)の定休日以降後半になります。後半は本画についてブログにする予定です。

妙高高原-鈴木喜家日本画作品とスケッチ展

「スケッチは私にとっては覚え描きです」と鈴木喜家さんはおっしゃいます。

油絵なら現地で描き上げることができますが、日本画はそれができません。
スケッチは必須だと言います。

「覚え描きといってもこんなに描きこむのですね。」とよく言われますが、ご本人にとってはそうでもないようです。スケッチで完成させてしまうと本画(完成画)を描く必要がなくなってしまうのだそうです。

現地でスケッチを描いて画室にもどると、そのスケッチから別のインスピレーションを受けてちょっと違った絵になることもあるそうです。

作家本人にとっては覚え描きのスケッチですが、観る側はまた違った視点で鈴木喜家さんのスケッチを観ます。

「この風景のここを絵にしたい」という思いを一番強く持ったのはこのスケッチを描き始めたとき。その強い思いが絵の中に見える。それが観る側の醍醐味となる。線を描くスピード・強さ・繊細さ。そこに画家のピュアな感動が現れる。

何十年も前に描いたスケッチに過去の自分の感性に感動して本画になることもあるのだろう。スケッチは画家本人にとって大切な宝物でもあるようです。

笠岳ー鈴木喜家日本画とスケッチ展

昨日紹介した黒のパステルの絵も今日紹介するいくつもの色を使ったパステルの絵もどちらも本画(完成画)のためのスケッチです。

黒は形をしっかり心に留めるための色選びなのだそうですが、色が豊かなものは違った目的があります。

外で絵を描いていると時々刻々と陽の光は変化するので目に見える風景の色も変わっていきます。色の印象を忘れないようにたくさんの色のパステルでスケッチするのだそうです。

色の入ったスケッチを描くのに水彩絵の具で描く人もいますし、色鉛筆で描く人もいますが、鈴木喜家さんはパステルで描きます。

鈴木さんがパステルで描くのは日本画の顔彩とパステルの粉っぽい質感が近いからなんです。

ここから絵を描くことがスタートします。

開田高原ー鈴木喜家日本画作品とスケッチ展

黒のパステルで描かれたスケッチです。

風景画はその場に行ってスケッチを描きます。鈴木喜家さんはこんなにスケッチも描きこんでいるのです。本画(完成画)を描くための覚え描きだといいます。そこにはその場に臨んだ新鮮な感動がありそれを本画に落とし込めるように夢中で描いたのだと思います。

この場「開田高原」に一緒にスケッチ旅行に行った絵の仲間が昨日何人もいらっしゃってこの場所のことを話していました。どの方も今そこでその風景の中にいるかのように細かくその場のことを話していました。この画面の続きの風景のことも話していたのです。それだけどの方もこの場に対する感動を持っていたからこそのことだと思いました。

その感動はきっとそれぞれ随分違っていたはずだ。このスケッチを前にそれぞれの感動を蘇らせているのだとしたら、凄い瞬間に出会ってしまった気がしました。実はそれぞれの感動に浸っていたと信じています。

 

 

鈴木喜家日本画作品とスケッチ展ー写生から制作へ

「絵を描く。」
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鈴木喜家さんの場合風景画なら現地でスケッチを描く。
コンテで描く。

下絵を描いて色を入れていく。
スケッチから完成までにはいろいろな工程がある。

今回のこの展覧会ではスケッチと日本画としての完成作品と両方を観ていただきます。このスケッチがこう完成されたという構成ではありませんが、両方の魅力を観ていただける展覧会になっています。

明日4月5日(金)午後6時からギャラリートークも開催します。是非お出かけください。

 

はまだのりこのイラストレーションー最終日

「はまだのりこのイラストレーション」本日最終日です。(午後5時まで)
夏の「小さな絵の展覧会」や冬の「クリスマス展」「猫展」での出品も楽しみにしていてくださいね。

次回は4月4日(木)から「鈴木喜家 日本画作品とスケッチ展」です。4月5日(金)午後6時からギャラリートークも開催します。(入場無料・予約不要)是非お出かけください。

プロフェッショナルとはーはまだのりこのイラストレーション

「私が描いた人たちの肩に力が入っていないといいなと思っているんです」
「どの人にもそんな力見えないよ」
「それなら嬉しい」
ある日のはまだのりこさんと私の会話です。

シャカリキにならずゆったり生きる人々が描きたいというはまださんです。
そういえば「自分は汗かいて必死になって絵を描いているけどその汗を観る人に感じさせたらだめだなと思っています」とおっしゃる作家さんがいましたが、お二人が目指しているものは同じなんだと思っています。

NHKの「プロフェッショナル」という番組が好きなんですが、そのエンディング曲に「あと一歩前に進もう」という言葉があります。資質の高い人がさらに高みを目指すから「プロフェッショナル」と言われる。はまださんとその作家さんはその境地で絵を描いているから観る人をリラックスさせる絵が描けるのではないでしょうか。

「あと一歩前に進もう」というエピソードがこの個展にはあるのですが、それは公表しないでほしいというはまださんからの要望ですからそれは書きません。でもそれは作家にとって勇気のいる出来事でした。もしかしたらその勇気を使わなくても観客には気が付かれなかったかもしれない。それでもそれをしなかったら彼女自身が自分を許せなかったこと。「プロフェッショナル」の凄味を見せてもらった気がしました。

 

メロウな一人旅ーはまだのりこのイラストレーション

はまだのりこさん、一昨年尾道に一週間一人旅をしました。

一人旅は場所も人間関係も何もかも完全に日常から離れます。そういう特別な時間を楽しめる人は豊かです。どこに行くかも何をするかも全部自分だけのために時間を使っていいのです。

ある日自転車を借りてしまなみ海道を走りました。
気持ちのいい風を切って自転車を走らせる。疲れたらジューススタンドで海を見ながらみかんジュースを飲んだのかもしれません。
お腹がすいたら、瀬戸内の美味しいフルーツで作ったジェラートも食べたのでしょう。
たまには自転車好きの知らない人と休憩しながらおしゃべりしたり。

こんな気儘な時間を絵にしたい。豊かな時間。それは今となっては宝物の時間です。「メロウな日々」

日常にはない肩の力が抜けた時間(とき)
これほど素晴らしい時間っていいな。

春がテーマですーはまだのりこのイラストレーション

寒さが足踏みした3月でしたが今日の名古屋は曇り空ながら桜の開花宣言もあったようなのでやっと春本番が始まりました。

「はまだのりこのイラストレーション」今日を含めてあと4日となりました。
今日の投稿は春の壁を一挙公開です。

ブルー・ピンク・イエロー・ライトグリーン・・・
春の色に溢れています。
モチーフも若芽や花や蝶・・・、ウキウキワクワクの絵ばかりです。

はまだのりこさん、きっと楽しい春をいっぱい過ごしてきたのだと思います。
みなさんにも楽しさを絵でお裾分けです。楽しい春をいっぱいもらってくださいね。