
初めての個展は2年前。
それは厳しいスタートになった。
並のメンタルだったらここから先には進めなかっただろう。
倉中玲本人が手探り状態でスタートさせたことは百も承知だったから観客からの厳しい言葉も受け止めることができたのだと思う。自身だって描き終えた作品に手ごたえがあるような無いような。だけど描いて観ていただかないことには始まらないものがあることだけはわかっていたからの個展だった。
2年前、初個展を終えたばかりの頃から木炭の粉を画材に使うことに興味を持ち試作を始めてみるとこれがその時の自分には必要な画材だと確信する。
倉中さんには本業がある。仕事で昨年数か月スコットランドで過ごした。
その地は風の強いところだった。雨が何かを洗い流すように、彼女には強い風がたくさんの物を吹き飛ばしてくれるという感覚を持った。自分の中の澱のようなものも吹き飛ばしてくれ清々しさまで感じる。この感覚を絵にしてみたいと思う。
スコットランドのヒースの丘は美しい。
エリカの花が咲く丘は強い風が吹いて小さな塵を吹き上げるが、だから清らかで美しいと思う倉中玲の心を描いてみた。
木炭の粉はヒースの丘に吹き上げられた塵を表現するのに使われた。
これは2度目の個展の1作目となった。
覚えておいて欲しい、これは1作目。彼女の進化は凄まじい。
強靭な精神力と好奇心はどこまで進撃していくのか。
