羽化する意識ー板倉鉱司展

前回の個展の前から板倉鉱司さんは「空を飛ぶ」ということについて何度も話をしてくださいました。

「どうしたら空を飛べるのか真剣に考えている」とよくおっしゃっていました。
とてもまじめな方なので与太話などではありません。
板倉さんは歌人(短歌を詠む人)でもあるので、極めて詩的で精神的な思考なのだろうと思います。

この作品のタイトルは「羽化する意識」
空を飛ぶには羽根を手に入れなければならない。
空を飛ぶものは飛行機でも鳥でも昆虫でも羽根が必要。
「羽化」となるとこれは昆虫の世界。

板倉的空を飛ぶは昆虫のように「羽化」という過程を通って飛ぶのか。
そしてそれには「意識」が必要なのだろうか。

「羽化する意識」を形にするならばこういう形ってことなのだねと、凡人の私はまるで見当違いなことを考えている。

だけどきっと考えるだけ無駄だよなんて冷たいことを板倉さんは言わない、と思う。そうやって作品とお話ししてくれたら嬉しいって言ってくれそう。いや、板倉さんじゃなくて作品がそう言っているもの。

羽化する時間ー板倉鉱司銅版画歌集『空を飛ぶ方法』出版記念作品展

鉄の彫刻家板倉鉱司さんは銅版画も手掛けます。さらに長く短歌も作り続けています。

今年6月に短歌と銅版画の作品集を出版したしました。私家版ですので書店での販売はありません。珠玉の歌と銅版画を美しい本に仕上げました。

この展覧会では作品集だけでなく6月以降の新作の銅版画と鉄の彫刻も展示いたしました。その後3か月の板倉さんの歩みでもあります。

会場は美しい空間に仕上がりました。是非お出かけください。

なお、申し訳ありませんがご本人の体調が不安定なため会期中の在廊は基本的にはありません。在廊される日があっても長時間はいらっしゃれないことをご理解ください。

Goki & Artists 2023 Autumnー最終日

「Goki & Artists 2023 Autumn」は本日最終日です。(午後5時まで)

次回は「羽化する時間ー板倉鉱司銅版画歌集ー空を飛ぶ方法ー出版記念展」を9月14日(木)-24日(日)開催します。*火曜休廊

アップリケがクールーGoki & Artists 2023 Autumn

アップリケと聞くと何だか子供可愛いを思いますが、Gokiのアップリケはやっぱりクール。抽象パターンのアップリケは意外性があります。パッチワークは見かけることがあるけれど、これはアップリケ。ちょうど膝あたりに来る部分なので体の動きでこの形ができるだけ曲線にならないようにアップリケにしたのかと思います。

そろそろ秋色の長袖シャツ1枚を楽しみたい。
シンプルだけどありきたりではないのはこのパンツのアップリケのおかげ。

できればソックスも靴も子供っぽくならないチョイスをしてほしいところですが、ソックスで可愛いを入れて外すのもそれはそれでおしゃれかもしれない。

新作のジャケットーGoki & Artists 2023 Autumn

新作のジャケットは生前加藤裕之さんが起こした型紙をマイナーチェンジして作ったものです。先日紹介したジャケットでもあります。

このジャケットが優秀なのは美しいフォルムだけではありません。
ボトムスに何を持ってきてもだいたい合うということもあります。

先日は細身の短丈パンツでした。
今日は鮮やかなブルーのサルエルパンツです。
サルエルとテーラードジャケットがよく合うことは今までも何度か紹介してきました。このジャケットはサルエルには当然合うということ。そしてワイド系のパンツも合うし、実はスカートにも合うのです。なぜか?少し長めの丈がいいのですね。

出そろいましたーGoki & Artists 2023 Autumn

Gokiの作品はアパレル商品でもあるので、他の作品のように初日に全部の作品が揃うことは不可能です。縫製工場からできあがった順に搬入されます。

今回の展覧会については本日の搬入をもってすべての作品が出そろいました。
今が一番作品が揃っています。Gokiファンのみなさんお待ちいただきましたが、どうぞお出かけください。これから1か月以上は楽しめる作品ばかりです。

暑い日はまだまだ続きそうです。素材は夏仕様。色は秋色で9月を楽しく過ごしていただければ嬉しいです。スペシャルプライスでお待ちしています。

ニジンスキーーGoki & Artists 2023 Autumn

宇野亜紀良さんのニジンスキーは今年のGokiによく合う。
今年の薄い茶色はブロンズ色のこの絵のバックとぴったり。

伝説的なバレーダンサーニジンスキーはストイックなGokiと重なる。

まだ暑いけど9月はやっぱり秋。
颯爽とかっこいいGokiの服に身を包みダンスの舞台など観に行きたいと絵と服を横目に劇場に思いをはせる。

かっこよすぎて・・・-Goki &Artists 2023 Autumn

一番手前の縦長に飾られた絵。
あれ?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「小さな絵の展覧会」で飾られていた辻将成さんの作品です。
もう終わっている展覧会の作品をいつまでも飾っているなんて・・・。

たまたま急に「小さな絵の展覧会」の会期中に海外に出かける仕事が入りました。搬出の指定日には日本にいられないというスケジュールでした。これは朗報なので特別に会期後も作品を預かることにしました。

Goki展の飾りつけをしていて、この作品があまりにもGokiの服によく合うものですから、お帰りになるまでここで作品には待機していただくことにしました。

かっこいい!

数日前帰国したのでと搬出に来てくださいました。
たまたまそこに居合わせたお客様から「え?これはずすの?この作品がなくなったらこの会場かっこよくなくなるじゃない。このままがいいよ。」との声。
実は私もそう思っていたのですが、さすがにどうかなと後ろ髪惹かれる思いでいました。そんな中の一声は私の気持ちを変えました。

これがベストな展示なのだからGoki展としてはOKなんだ。
作家の辻さんももちろんOK。

たまにはこんなハプニングもあります。柔軟に視点を変える勇気。

一押しのジャケットーGoki &Artists 2023 Autumn

新生Goki一押しの1点はこのテーラードジャケットです。

Gokiのメインデザイナー加藤裕之さんを1年前に亡くし、彼の残したデザインを時代に合わせてマイナーチェンジしていくと道を決めた新生Goki。このシーズン2023年秋冬から本当に加藤さんのいないGokiとなったわけです。(1年前には2023年春夏のデザインはほぼ完成していました)

Gokiを経営の面で引っ張ってきた松岡さんは「このジャケット試してみてください」と力強くおっしゃいました。

オーソドックスですが少し丈が長めの黒のテーラードジャケット。
秋口には短めのコートとしても使えそうです。
美しい。
着てみると本当に美しいラインができます。あの後姿のカッコよさは健在です。

少し光沢のある生地は形状記憶なのでクシャっと皺を付けると残ってくれますが手ではらうだけで元にもどります。こういうところがGoki的攻めなんです。

今回プリズムでは大胆な幾何学的なアップリケを付けたパンツと合わせてみました。色は抑えめだけどどこか挑むような組み合わせ。

これからのGokiも見ていてください。

セットアップって新鮮!ーGoki &Artists 2023 Autumn

ここ10年近くセットアップってちょっとおしゃれじゃないなと思ってきました。
組み合わせの意外性がなくてつまらない・・・・。

?????
その生地の面白さ、形の妙味・・・・。
何よりもしばらくセットアップから離れていたせいかとても新鮮に見える。

なによりもきちんと感がきりっとかっこいい。

私の中に何週目かのセットアップにクローズアップの時期がやってきた。
着崩すのではなく、本来のデザインを真っ当に着てみる。

スーツやツーピースに目が行く。
格を上げる着方も今回の展示に取り入れてみました。