夏よ来いーGoki+はるもにわ&Artists2020Spring

涼し気な夏生地のベスト。
春を飛ばして夏が来てほしいような気がします。

着物はきちんと着ると、どんなに涼しい素材でも暑くないとは言いがたい。
その点締め付けの無いデザインであれば洋服は楽チンです。

和布で作る洋服は両方の良さを持っているのだから、着易くないわけが無い。

流行に左右されないあるもにわの洋服に袖を通してみてください。
着てみなければ形も機能もわかりません。
是非気軽に試着してみてください。

ラスト・ディール

定休日だったある日「ラスト・ディール」という映画を見てきました。

ある年老いた美術商が主人公。
イリヤ・レーピンの作と思しき作品に出会いその真贋を解き明かしながら最後の商売に賭ける。その中で家族への愛を見つけていくという内容なのだが。
結局、ディーラーとしては失敗をし、失意の中亡くなる。

真贋を追いかけるスリルや、美術商としての失敗には面白さはあったものの、その絵の存在は彼の救いにならなかった。というよりそこは重要ではなかったことがどうにもすっきりしない結末だった。

絵は単に商品でしかなかった。
家族や友人の愛はあっても絵そのものが心を救うことはなかったことに、何だか言いようの無い寂しさを感じた。

そんなことだからギャラリーで稼げないのだと言われそうだけど、私は信じたい、絵の持つ力を。
この1枚に出会ったから生きていける。今日食べるパンは必要だけど、巨万の富よりも1枚の絵は明日の力になる。
マーク・ロスコの絵を見て「明日も生きていこう」と描き残した少年は今日もきっと明日を夢見て生きていると思う。

色留袖のブラウスーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

色留袖で作られた「あるもにわ」のブラウスです。

この布はどんな時代の物でしょうか。
少なくとも私の生きて来た時代にはあまり目にしなかった色合いですから、昭和の初めより古く明治やそれ以前のものかもしれません。

色留袖は今も贅沢な着物ですが、当時だってこんな華やかな凝った染めの物は相当裕福な方が持っていた物だと思われます。

女性にとって着る物はとても大切なもの。それを手に入れるときの思いは今も昔も変わらない晴れの気持ちだったはずです。
思いの強さが怖いという方もいらっしゃいますが、時代を超えて縁もゆかりも無い誰かが「ほら!やっぱり綺麗よ!」という気持ちで御召しになれば、着物も元の持ち主も嬉しいのではないでしょうか。
そしてこの布を染めたり刺繍したりした名も無き職人さんたちも喜んでくれると思うのです。

この布に関わって来たたくさんの人のことに思いを馳せながら洋服にしていく時間を百瀬みち代さんは何よりも愛おしいと思ってきました。だからこそ手間を惜しまず丁寧に仕立てて来たのです。

ギャラリーで是非実際に目にしていただきたいと思います。

変わり時ーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

ファッションには大きく流れが変わるときがあります。
といってもある日突然全部変わるわけではありませんが。
ここ1、2年パンツの丈が変わりつつあるように思います。

短丈パンツは当初そんなに長く流行らないだろうと思われましたが、随分長く市民権を得ています。丈の調節をしなくてもその人なりのバランスをとり易かったのがその理由だと思います。御直しは手間かお金がかかりますから短丈は重宝だったのです。

ファッションは気の使わなさがいつの間にか緊張感の無さにに繋がっていきます。

そろそろパンツの長さやシルエットにも緊張感が欲しい。

フルレングスに目新しさオシャレさを求めるのならば、ワイドパンツがおすすめです。生地の分量が多い分エレガントさが出ます。それでいて実は下半身の悩みをカバーしてくれる優れもの。
短丈のワイドはシルエットの目新しさと便利さと両方持っている優等生かもしれません。

今年は是非ワイドパンツに挑戦してみてください。

 

Gokiとあるもにわ

Gokiの春ジャケットとあるもにわのスカートを合わせてみました。
スカートの布は格の高い柔らか物。かっちりしたジャケットと合わせればきちっとした場にもOKです、例えば入学式のような。

こういう格の高い服は出番が少ないと敬遠する方もいらっしゃいますが、和布は案外ドレスダウンが簡単です。
Gジャンや革ジャケとの相性がいい。最近流行りのライダースジャケットに和布のスカートはとても素敵です。

一方Gokiのテーラードジャケット。
テーラードはサルエルとのよく合うのを知っていましたか?
白のテーラードジャケットにアジアンなプリントのサルエルなんて良いと思うんだけどな。

手も傷めたーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

百瀬みち代さんの体の痛みは「目」だけではありませんでした。
長年の手仕事で「手」も傷めてしまったのです。
手関節の軟骨も擦り減ってしまったのです。軟骨の再生は無いのでもう元には戻りません。

今では日常生活もままならない。

それでも今までのようにとはいかなくても、布仕事が大好き。
ミシンでなら縫えるからと袋物の新作を作ってくださいました。

「こんなことしかできないのだけど、それでも布を触っているのは楽しい至福の時間」とおっしゃいます。

今このときをどのように生きるのかを大切にしているから、失った何かを悲しむのではなく今できることを喜ぶ。

ギャラリーは作品を見ていただく場ではあるけれど、百瀬さんの生き様を語ってもいいのではないかという思いから私はこの展覧会を企画しました。
百瀬さんの古布への思いをお伝えできればいいなと思っています。

目を痛めるということーGoki+あるもにわ&Artists2020Spring

物作りの人々が目を酷使することは想像に難くありません。

ある著名なイラストレーターのOさんは学生の頃から活躍していましたから「30代の後半にはもう老眼鏡を使っていました」とおっしゃっていたことを驚いたことがあります。
またTさんは50才になろうかという頃「面相筆(極細の筆)で夜絵を描くと、そのあと1週間ほど眼鏡をかけてもぼんやりとしか見えない」とおっしゃっていました。
作家さんのなかにはは目を酷使しなくても良い作風に変えていく方もいらっしゃるほどです。

「あるもにわ」の百瀬みち代さんもそういう一人でした。
5年ほど前から目の不調から作家活動を休止しましたが、元気な頃のような目に戻ることはありませんでした。

なにしろ古布の「黒」の美しさに魅せられていたのですから、「目」にとっては厳しい毎日だったのです。「目」の痛みや頭痛との戦いの末休止を決めるのにどれほど悔しい思いをしたことか。

「老い」は残酷にも大事な作家活動さえ脅かします。
しかしこれは誰もが通らなければならない道。
作家にとって「目」はとても大切な物。そうでない人ならその人にとって筋力が大切だったり、知力だったり、・・・それぞれの衰えに恐れ戦く日は必ず、来る。

必ず来る「老い」にどう向き合うか。
ネガティブに向き合うことは得策ではありません。
初めて「老い」を認める時に戸惑いはありますが、そこからどう生きるかは人としての責任でもあるように思います。

今百瀬みち代さんは次のステージに生きています。
過去に自分が心を込めていたことに愛おしささえ持ちながら、ポジティブです。

Goki+あるもにわ&Artistsー初日

2、3月恒例の「Goki&Artists」シリーズに今回は「あるもにわ」が加わりました。

「あるもにわ」は5年ほど前までプリズムで古布の洋服を発表していた百瀬みち代さんのブランドです。

プリズムの所蔵作品とGokiファッションのコラボレーションはなかなか評判がいい。季節感を絵とともに感じていただくのですが今回と夏の終わりのこのシリーズに限り「あるもにわ」も参加していただくことになりました。

「あるもにわ」作品はほとんど新作はありません。
そこには誰もが考えていかなくてなならない理由があります。
「NEWS」のコーナーでこれからお伝えしていくつもりです。

なお、いつものようにGokiの在廊はありませんが、「あるもにわ」は会期中の日曜日お昼頃から午後3時まで在廊します。是非百瀬さんに会いに来てください。お待ちしています。

猫展24ー最終日

「猫展24」は本日最終日です。
たくさんの猫達に囲まれた1ヶ月は楽しい毎日でした。

次回は2月27日(木)から「Goki+あるもにわ& Artists 2020 Spring」です。
毎年恒例のGokiと収蔵品のコラボレーションにさらに「あるもにわ(百瀬みち代)」の古布の洋服(発表済作品)が加わります。

Gokiの在廊はありませんが、百瀬みち代さんは毎日曜日昼間3時間ほど在廊します。

今日は「猫の日」

今日は「猫の日」
にゃんにゃんにゃんー「2月22日」です。

せっかくの「猫の日」なのに名古屋は雨です。それでも「猫大好き」な方々が「猫」たちに会いに来てくれています。ありがとうございます。

そして「猫展24」はいよいよ明日2月23日が最終日となってしまいました。

まだ1日皆さんのお出かけを「猫」と一緒にお待ちしています。