雲になりたいー板倉鉱司展

板倉鉱司さんは専門的な美術教育を受けた作家ではありません。

家業である鉄工所である時彫刻家の掛井五郎さんの制作をアシストすることにななりました。その時にお手伝いをする中で作品作りの魅力にはまり以後自身も制作を始めたのだそうです。

掛井さんも平面的な彫刻を作りました。銅版画も手掛ける方でした。

学校では彫刻なら彫刻の分野の多くを知り学びますが、板倉さんの彫刻の学びの出発点は「掛井五郎」です。そしてそこだけです。そこでとんでもない魅力に引き込まれたとしたら、ミケランジェロもロダンも通らなくたっていい。それはきっと後からついてくるだろうし、なんだったらついてこなくたっていいのかもしれません。

極上の入り口があった。それがすべてだった。

板倉さんが夢中になった掛井五郎ってどんな人だったのだろう。きっと作品だけでなく人物も魅力的な方だったに違いありません。
制作は技術で形を作ることではなく、心の中を形にすることだと教えてくれた人だったのでしょう。

掛井五郎さんとの出会いは最高の神様からの贈り物だったのですね。

 

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