音部訓子ーWin the Virus

「私の絵怒っているのよ」と音部訓子さんは言いました。

画面の女の子は確かにちょっとご機嫌が悪そう。
これって今この地球上の子どもたちのリアルなんじゃないでしょうか。

子供は絵の中でニコニコしていなくちゃいけませんか。

3月からずっと学校はお休みになり、外なら良いと言われていたのにいつの間にか子供が外で遊んでいるとクレームが入り、家の中に閉じ込められた。

家の中で少し騒いだら大人から叱られる。
子供は元気に遊ぶものと言われてきたのに、全部ダメと言われる。
静かにテレビやゲームを楽しんでいるとダメって言われる。
読書や勉強なんて楽しくない。だいたい図書館も本屋さんも行っちゃダメでしょ。

子供だって怒る。

だけどね。
本当は大人もこの女の子と同じように怒っている。
COVID-19という見えないもののために、たくさんのダメがあって、その理不尽に怒っている。じっと家の中にいて早く病気がいなくなるのを待つのがいいのはわかっているけど、そうしたら明日のごはんが食べられなくなるかもしれない理不尽に怒っている。

こういう時だからなるべく気持ちが穏やかになるような絵を観たい。
だけど、こういう時だから怒っている自分もわかってほしい。

「Win the Virus」はそういう展覧会だった。

額込み(42センチメートル角)
¥47,000(送料込み)

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