本日より「加藤鉦次個展」第一会場(ノリタケの森ギャラリー)が始まりました。
こちらは画業50周年の50年分を凝縮した展示です。
もちろん50年の間に描いた中のほんの部分ではありますが、50年という時間の厚みには凄味すら感じました。こちらの会場も是非お出かけいただきたく思います。
第一会場:ノリタケの森ギャラリー
名古屋市西区則武新町3-1-36 TEL052-561-7290
2023年4月11日(火)-16日(日)
午前10時-午後6時(最終日は午後4時まで)
WHITE MATES bldg.1F 1-14-23Izumi Higashi-ku Nagoya Japan Phone052-953-1839
本日より「加藤鉦次個展」第一会場(ノリタケの森ギャラリー)が始まりました。
こちらは画業50周年の50年分を凝縮した展示です。
もちろん50年の間に描いた中のほんの部分ではありますが、50年という時間の厚みには凄味すら感じました。こちらの会場も是非お出かけいただきたく思います。
第一会場:ノリタケの森ギャラリー
名古屋市西区則武新町3-1-36 TEL052-561-7290
2023年4月11日(火)-16日(日)
午前10時-午後6時(最終日は午後4時まで)
加藤鉦次さんという人のひととなりは本当に正直で優しくてまっすぐな人だといつも思います。
絵に対する考え方にもそれは大いに関係がある。
前にも書いたけど、絵を描くにあたって描いてはみたけれどちょっと違うなと思うときのこと。そのこと自体あって当たり前のこと。そんな時、完全に描き直すのが多くの画家の進み方だと思う。加藤さんはちょっと違うことを発想したのも自分だし、考える時間も描いた時間も自分の中にあった時間なんだから残像のように絵の中に残すのだと言います。
1つの画面の中に変わりゆく思考をそのまま描きこむ。
最後に塗った絵の具の下には過去に自分がこれだと思ったものがある。上書きすることを否定的にとらえない。AがあったからA’ができた。言い換えるとAができたからA’に進化できた。
「あったから=できたから」と自分を解釈していくことが実に加藤鉦次らしさがある。Aも愛おしいという残像。
今日の作品は加藤さんが2番目に気に入っている作品です。
1番は一昨日投稿した作品なのだそうです。
本日加藤鉦次個展4日目です。
4日目にしてやっとこの絵の上の方にあるオレンジの部分が何かがわかりました。
建物の屋根なんですね。
絵を観るときってどうしても真ん中に目がいきがちです。
この絵でいえば真ん中あたりの黒い部分を中心に観ようとしてしまう。
ここに何があるのだろうとそればかりに気持ちを集中させてしまう。
そうするとそれ以外の部分に何が潜んでいるのかつい見落としてしまう。
今日ふと作品の前を歩いていて正面ではない角度から何気なく絵を観ていると、はっきりとこの屋根の存在が見えてきました。しかし、正面に立ち黒い部分を中心に観ると、屋根が逃げてしまう。もちろん屋根を意識してみれば正面からでも屋根は見えるのだけど、これは不思議な出来事でした。
この屋根以外にもまだまだ自分には見えてこないものがあるのだろう。まだ会期は始まったばかり。じっくり付き合いたい加藤鉦次作品です。
加藤鉦次さんの絵は不思議だ。
実際の絵と写真に撮った絵と乖離がある。
絵を描く時当然のことながら、心が揺らぐ。
描いてはみたものの、ちょっと違うなと思うことがある。
完全に違うことを消して描き直すこともできるけど、彼はちょっと違って描けてしまったものも自分だったのだから完全に消してしまわずに描き続けるのだそうです。
少し前の自分の残像が絵の中に残る。
写真は色を公平に拾うのだけど、人は目から心を通して観るので拾うところが違う。それが個性なんだと思う。あなたが見るこの絵と私が見るこの絵はきっと違う。
さらに作家である加藤鉦次さんはまた違って見えているのだろう。
「写真に撮った自分の絵は深みがない」と加藤さんは言う。
もっと迷ったり悩んだりしたところが映らないのだそうだ。
実際に見る絵はある意味少し難解で、すぐに見えてこない。だからこそ絵と対話ができる。これこそ絵を観る醍醐味なんだと思う。
加藤鉦次さんは画家としてスタートラインに就こうとする頃、イタリアを中心にヨーロッパを巡り絵の勉強をしました。その時に見た植物の緑が忘れられないと言います。
その緑が描きたくて今も緑の絵具を使って絵を描きます。
日本で見る植物はあの緑と違うのだけど、絵具で緑を塗ると今もあの時の色が蘇り気持ちが高揚するのだそうです。
日本ではあの色が見られないから絵が描けないと言った明治のころヨーロッパで絵を勉強した画家たちが多くいたと言いますが、加藤さんは緑の絵具で絵を描いているとそれだけであの色を見ることができるのだそうです。
それくらい強烈な色の印象。
そしてあの頃のわくわく感を今も植物を描くことで取り戻す。
洋画家加藤鉦次さんが画業50年を記念して作品集を出版しました。
この展覧会はその記念展です。
プリズムの空間ではどんなに数を厳選しても50年を見ていただくことはできません。過去50年の代表作は4月11日(火)から「ノリタケの森ギャラリー」で見ていただきます。こちらが第一会場となります。
プリズムは第二会場です。こちらでは加藤鉦次さんの現在を見ていただきます。ここはすべて新作の展示です。過去作はありません。
第一会場(ノリタケの森ギャラリー)
2023年4月11日(火)-16日(日)
午前10時ー午後6時(最終日は午後4時まで)
第二会場(ギャラリースペースプリズム)
2023年4月6日(木)-16日(日)*会期中無休
正午-午後7時(最終日は午後5時まで)
会期の都合上プリズムでの加藤鉦次さんの在廊は4月6日(木)ー10日(月)の正午から午後6時です。8日(土)のみ午後2時からの在廊とさせていただきます。*11日(火)ー16日(日)はノリタケの森ギャラリーに在廊します。
「小鹿アキコイラストレーション展」は本日最終日です。
緻密なペン画をお楽しみいただけたことと思います。
次回は4月6日(木)から「加藤鉦次個展/作品集出版記念」を開催します。
画業50年記念展です。
愛知県に生まれ育ち、結婚を機に14年前に東京に移り住んだ小鹿アキコさん。
作家としてのスタートがプリズムだった縁で東京に移ってもずっとウチの作家でいてくだいました。今回は子育ても少し先が見えてきたので作家として本腰を入れるリスタートとして5回目の個展を開いたのです。
多くの方々に東京に住んでいるのになぜわざわざ名古屋でリスタートなのかと言われました。私自身もそう思ったのですが、ここからもう一度旅立つ決心だったようです。
東京に行ったころ足りないデッサン力を養うために習いに行ったり、3年前にはこのリスタートのためにイラストレーション塾に通ったり、人知れずずっと前を向いて小鹿さんは生きてきました。声をかけたグループ展はほぼ全部出品してくださいました。それでも個展とグループ展では作家にとって大きく意味が違います。全責任を一人で追わなければいけない個展は精神的にも肉体的にも背負うものが違います。そのリスクを背負って個展に臨んだ小鹿さんの勇気にリスペクトを感じます。
そしてこの14年間ほとんど名古屋に来ることのなかった小鹿さんを見守り続けこの個展にも駆けつけてくださった小鹿ファンの皆さんに私からも感謝申し上げます。小鹿さんはこれからも進化を続けるはずです。ずっとずっと見ていてください。プリズムからもお願いいたします。
DMにした作品もお気に入りだそうですが、この「カカポ」も小鹿さんの自信作です。
このシリーズが人気です。
架空のキャラクターでまだ名前もないのですが、ふんわりした姿かたちの動物です。
縄跳びも虫取りもあまり上手ではありません。
こんな子絶対意地悪じゃないし、きっと優しい。
自分のまわりにもいそうな子。
「息子がモデルかな」とふと優しいママの顔になっていましたよ。小鹿さん!
それぞれの絵の猫たちはみな好きなものがあるのだそうです。
好きなものは「幸せ」
「花」が好きな猫は「花」に触れたいのだし、「おしゃれ」が好きな猫は「おしゃれなもの」に触れたい。
そして猫の後ろにある額の絵は縁起がいいと言われている昆虫ばかり。
フェルメールを彷彿とさせるこのシリーズ。
この猫たちどの角度から見ても鑑賞者を観ているということを見つけた方がいらっしゃいました。確かにこちらを見ているんです。本当ですよ。