音部訓子展ー最終日

「音部訓子展」は本日最終日です。(午後5時まで)
進化し続ける音部さんの次も楽しみに待っていてください。

プリズムの次回は「夏、すずやかに!」というタイトルでファッションと木版画で厳しい夏を楽しく過ごす提案をいたします。
5月5日(金)-28日(日)*月火休廊
正午―午後7時(日曜日は午後5時まで)

たった一つの人間の中にある宇宙ー音部訓子展

画面の左上のブルーの部分や左やや下のブルー、真ん中あたりの丸など、切り絵をコラージュしています。

音部訓子さんが大好きなマチスが晩年に夢中になった技法です。
ルーブル美術館での展覧会の際にヴァンスの礼拝堂に行かれてさらにマチスへの思いが強くなられたようです。礼拝堂は素描と切り絵の最高傑作と言われています。

紙に絵具で色を置き、それを鋏で切り抜いていく。
マチスもこうやってわくわくしながら制作したんだろうなと思いをはせるのだそうです。

新しい技法にも果敢にチャレンジする進化系ベテランイラストレーター音部訓子さん。進化はまだまだ止まりません。

 

小さな絵も描きましたー音部訓子展

音部訓子作品の主流はダイナミックなストロークで描く大きな絵です。
それではおうちに飾るのには少し大きすぎるので小さな絵の描いてくれました。

おうちに飾ることを前提ですから深くシリアスなテーマではなく少し軽やかな人物画です。もともと明るくてクリアな色使いの作品ですから、小さくてもお部屋がとても明るくなるはずです。

展覧会の会期はあと3日です。気になる作品は通販もいたします。
akikoprism92@gmail.com   あるいは052-953-1839
からどうぞ。

 

舞い降りた天使ー音部訓子展

ここ3年ほどのカレンダーの原画も額装10点、ファイルに約20点。

カレンダーですから可愛くて楽しい絵ばかりです。
これは11・12月用の絵です。クリスマスの季節。
髪が金髪のウエーブではありません。ストレートヘアのボブの天使。
音部オリジナルの天使もかわいい。

この絵にもある赤。音部レッドと言いたくなる音部さんの得意な色。
バックに使ったブルーは冬を意識したブルーです。夏とは違ったブルーのチョイスも見てください。

カレンダーの絵からイラストレーターとして完成度の高さも堪能してください。

朧月夜ー音部訓子展

鮮やかな赤・緑・青・黄で描かれた「朧月夜」
こういうクリアな色上品に描くのが音部訓子さんの素敵な感性です。

普段音部さんはこういうクリアな色をご自分のファッションに取り入れています。鮮やかなグリーンのブラウスやきれいなピンクなど単体で観たらちょっと品をなくしてしまいそうな色をとても上品に着こなしていらっしゃいます。それには本当にいつも驚かされるのですが、その感性は作品創りにも存分に生かされています。

この絵に使われている色も音部ファッションで時々見ることができます。

色のセンスは教えることができないと言われることがあります。
教わるのではなく覚えるのかもしれません。

色とは離れますが、この「朧月夜」若い女性の不遜さがいいですね。
いつか自身の愚かさに気づき傷つく予感しかしない。
そこからがこの子の本領発揮ですよね。

 

BODEYは語る・主張する背骨ー音部訓子展

音部訓子さんの絵はのびやかでしなやかな線が魅力です。この絵は50×54㎝の大きめなサイズなので線がとても気持ち良い。

この線をこの大きさで出すには画材(絵具)と支持体(紙)に秘密があります。
音部さんにとってこの大きさにこの線を描くのに伸びのいい油絵具がとても描きやすい。小さい画面ならアクリル絵具でも遜色ないそうですが、大きい絵を気持ちよく描くにはやっぱり油絵具だそうです。

支持体については滑りすぎない多少のひっかりがあるキャンバス系のイラストボードが必需品。

この2つが主流だったのにこのところ画材に異変が起きている。
廃番続出。
これは音部さんだけでなく多くの作家が困っていること。
絵具の色数が減っているとか紙の種類が減っているとか・・・。

絵を描く人の数が減っているらしいということも原因らしいのだが、悩ましいことです。

この美しいのびやかな線をいつまでも見続けたいですね。

ただいまー音部訓子展

子供も動物もほとんど描いたことが無かったのだけれどここ数年よく描いたそうです。

ここ数年・・・
コロナで多くの人々の心が弱っていました。あなたもそうだったかもしれない。音部訓子さんはその一人でした。

こういう閉塞感のある時代に子供は大きな希望です。
希望を見せてくれる身近な子供たちの存在が音部さんにありました。描いてみたいという衝動。描くことによって自分が立ち直っていくのがわかる。

描くことによってしか絵描きは先に進むことができない。
だからこういう時代にものづくりの作家はそこにいて向き合うのがある意味正しい生き方だと思う。

コロナは多くの人の心を弱らせる負の力があった。
その中でどう前に進むのか。負から目を背けることなく描く。作る。

「これで子どもの絵は描かないかもしれない」と時々音部さんはおっしゃっているけれど、そういう言葉が出るということは、もう負から脱出したのだと思う。長く描くことを生業にしてきた人の生き方は強い。描くことでしか解決できないという事実を見せていただいた。

「子供は描かない」という言葉尻を捉えることはやめてほしい。
子供を描くことで見失いそうな希望の光を追うことをしないということなんだと私は解釈しています。

シンプルな情熱ー音部訓子展

アニー・エルノー著「シンプルな情熱」の装丁画のお仕事を音部訓子さんがされたのは20年も前のことだった。エルノーさんが昨年ノーベル文学賞をいただいたことでこの絵に再び光があたったのです。
原画が見たいという皆さんのお声を反映してこの展覧会に出品ということになりました。

文学作品の装丁画を多く手掛けてきた音部さん。
それは音部作品に文学的感性が備わっているからなのだと思っています。
文学的感性って?
それはとても説明が難しいのですが、絵を描くにあたって自分の内面をどれだけみつめているかということにつきるのではないかと思います。

この本の装丁をした方はなぜ音部さんに装丁画を依頼したのだろうか。
きっとそれまで音部さんが描かれた絵の中にエルノーさんの感性を見たのではないかと想像します。

私まだこの本読んでないのですが、なかなか内容は官能的だそうです。どこが通底しているのか楽しみです。

BODYは語る・命は踊るー音部訓子個展

「目は口程に物を言う」とは言うけれど、音部訓子さんの表現は目だけでなく体全体で物を言う。

20年以上も前からこのシリーズを描いています。初めて見たときの感動は今も忘れられません。体全体で感情を表現することのすばらしさ。喜びも悲しみも怒りも内からの感情が体を通して伝わってくる。コンテンポラリーダンスを観ているようでもありました。私自身がこのシリーズの大ファンなのです。

この度この会場でまたこのシリーズを飾らせていただけることはプリズムとしても嬉しいことです。

「命は踊る」
生きる喜びが絵のどこからも伝わってきます。
ポーズ・表情・色
胸に抱えるものは「気」でしょうか。

この作品を含め3点ルーブル美術館内で行われたアートフェアに出品されました。たくさんの国から集まったであろう作品や人々の中に会ったことは喜ばしいことでした。

 

加藤鉦次個展ー最終日

「加藤鉦次個展」はスペースプリズムも第一会場の「ノリタケの森ギャラリー」も本日最終日です。(プリズムは午後5時まで、ノリタケは午後4時まで)

次回は「音部訓子展」は4月20日(木)ー30日(日)*火曜休廊です。