毎日変わります-夏、すずやかに。

いつまでたっても朝晩の冷え込みがきついなと思っていたのですが、昨日から昼間の暑さに悲鳴が上がりそうです。涼しく暮らす工夫は大命題です。

皆さんに私たちの思いを届けたくて毎日のように展示替えをしています。ブルーと白のバランスはどのくらいだったら涼し気なんだろうと出品者一同知恵を出し合っています。

今日から会期も後半になりました。
これからも楽しく展示替えをしていきます。

pecoraさんの在廊日に変更があります。
5月18日(木)→25日(木)14時―17時にです。明日の在廊は久野晴美さんのみです。

 

おしゃれ男子にー夏、すずやかに。

プリズムがファッション系の展覧会を開催すると「メンズは無いの?」と言われ近頃は「メンズは無いんだよね」といわれるようになってしまっています。

が、今回は違います。
今日現在でもこんなにメンズものがあります。

暑い夏にぴったりのシャツをおしゃれ男子におすすめしたい!

だけではなく、男前の女子にもお勧めしたい。
女子が着ても絶対可愛い。

浴衣地ですから紺と白が色の中心になります。
だからこそ赤や鮮やかな緑などとも相性がいい。
いやいややっぱりボトムスは白が・・・。デニムが・・・。・・・・・

来たれ、おしゃれ番長。
あなたのおしゃれ理論是非聞いてみたいです。

久野晴美-夏、すずやかに。

奥にある木版画が久野晴美さんの作品です。
ファッションメインの展覧会ですが木版画の久野さんが入ることで、どこにもないユニークな展覧会になりました。

それはどういうことか。
木版画が唐突に展示されているわけではありません。
暑い日本の夏を気持ちよく過ごすことを提案する展覧会というコンセプトを立てたとき、ウチの中にも空調ではない工夫を提案したい。

久野さんにその話をしたとき、デザインの勉強をしてきた人なので絵のモチーフをたくさん考えてくれました。スイカ・カタツムリ・ビール・・・・。たくさん作品にしてもくれました。

写真の作品のように、ウサギ商店さんが作ったブラウスの絵柄傘にヒントを得て傘に蛙の版画も作ってくれたのです。

この展覧会ではそれぞれの創造にリスペクトを持ちまた自分の作品に生かしていく。この過程があっての作りこみです。それぞれの作品を持ち寄るだけでなく、プラスしていく力がさらに魅力をまして

dansko toーなつ、すずやかに。

プリズムのお隣に「dansko to」という靴屋さんがあるのは皆さんご存じのことと思います。アメリカ発のコンフォートシューズのお店です。

この展覧会ではこちらの靴を数点お借りしています。

展覧会の中でスパイスの役割を果たしていますが、この靴たちなかなかの優れものです。私も愛用していますが、姿勢からくる足の痛みに効果的な気がします。こちらの靴に興味がある方は専門知識の豊かな靴屋さんの千歌さんが相談に乗ってくださいます。是非お声がけください。

今日紹介する靴がdanskoの中でもキレイ系のデザインです。少しカジュアルなデザインでもウサギ商店さん・Gokiさんによく合います。

プリズムに行くと隣も気になるんだけどと思っていた方、一度足を入れてみてください。足が健康になる靴です。見た目もかわいい。

Goki-夏、すずやかに。

ウサギ商店さんのブラウスに合わせたボトムスはGokiのワイドパンツ(短丈)です。素材はデニムなので浴衣地にぴったり。

Gokiもプリズムでは常連です。3月には追悼ブログを書きました。そこにも書いたように遺志を受け継いだ人々によって続けていくことをこれからも応援していきます。

1人のデザイナーの仕事だけでコーディネートすると完璧なものになることはわかります。しかしそこには使い手のクリエイティブな心が入る余地はありません。使い手が着るという創造を楽しんでいただけるように敢えてこの展覧会ではウサギ商店とGokiを組み合わせた提案をしています。

この組み合わせはベストではないところにこの展覧会の面白さはあります。会場にお出かけいただきみなさんの提案するコーディネートを作っていただくのもいいのではないでしょうか。

pecoraー夏、すずやかに。

プリズムではもうお馴染みのバッグデザイナーpecoraさん。
この展覧会のコンセプトを踏まえてウサギ商店さんが使用した浴衣地をパッチワークし、それを素材に浴衣にも洋服にも合うバッグを作ってくれました。

裏地の工夫や底の部分に革を使うなど耐久性も考えられたバッグは、デザインという言葉の本来の意味をきちんと実現してくれています。
つまり見た目だけではなく使い勝手のよさも考えられているということです。

夏は篭バッグばかりではありません。こんな素材も夏らしいですね。

 

諏訪薫-夏、すずやかに。

夏を涼やかに過ごせるアクセサリー。もう、諏訪薫さんのアクリル素材のコンテンポラリージュエリーしか思いつきませんでした。

展覧会目白押しの諏訪さんだということを承知でそこをなんとかとお願いしました。もちろん諏訪さんのことだから快くOKをいただきました。

首周りを氷で冷やしているかのようなネックレス。冷たくはないですが、冷たそうに見えます。見た目は大事です。かち割り氷のような素材がアクリルです。
アクリルとアクリルのパーツをつなげているステンレスパイプの一部がブルーなのがわかりますか?浴衣地のブルーとリンクしているのがおしゃれです。そしてとってもすずしげです。

そうそう、最初に書いた「コンテンポラリージュエリー」って何?と思った方もいらっしゃることでしょう。ジュエリーといえば貴金属と宝石を使ったアクセサリーをさします。「ファインジュエリー」とか「コスチュームジュエリー」と言います。素材を問わず作家のコンセプトを生かして制作するアクセサリーを「コンテンポラリージュエリー」と言います。

 

ウサギ商店ー夏、すずやかに。

日本に限らないのかもしれませんが伝統工芸迷走しているように思う。
時代とともに生き続けるのは難しいことはのはわかる。人々は便利さを求めた進化を望んだ。伝統の技術を残すこととそれは大きな矛盾の中にある。

技術や経済は大きく変化したけれど、気候はそこまでの大きな変化はない。
日本には四季があり、その変化に合わせて着るもので調整をしてきた。
綿や麻は四季を通じて利用されたようだけれど、吸湿性に優れたそれはとりわけ夏には生地を薄くすることで好まれたことはよくわかる。

浴衣の初めは湯上りの汗取りや寝間着だったそうですが、江戸時代には外出着にもなった。そうなると、人の目を考え、しゃれたものが出回るようになる。浴衣地の進化はそのあたりからのものと思われる。

しかしながら時代が下ると「着物」そのものが時代に合わなくなり、次第に浴衣もなくならないまでも随分存在が小さくなっていく。

「着物」文化が廃れていくことにも悲しく思うのだけど。それについては秋の「ぴんぽんまむ」展でまたそこは追究しますのでここまでにします。

浴衣に話を戻しますが、「着物」にしなくても浴衣地は残ってもいいはず。
吸湿性に優れ、洗濯も簡単。夏の服地としてとてもいい。

そんなことを考えているのは私だけではなかった。古布で洋服を作っているウサギ商店さんだってずっとまえからそう思っていたし、思っているだけでなく作っていた。それは展覧会にして多くの人に知ってもらわなくては、とここでプリズムの出番となったのです。

浴衣地で洋服を作る。そんなに驚くような発見ではない。もう50年ほど前に森英恵は世界に浴衣地服のコレクションを発表している。
それなのにそれは定着していない。

それでも果敢にウサギ商店さんは今回浴衣地服を発表してくれています。
その心意気を見てほしい。会期は長いのでこれからたくさんの作品を紹介していきます。できれば会場で袖を通してみてほしい。おしゃれで着心地の良い夏服は浴衣服だってきっとわかっていただける。

音部訓子展ー最終日

「音部訓子展」は本日最終日です。(午後5時まで)
進化し続ける音部さんの次も楽しみに待っていてください。

プリズムの次回は「夏、すずやかに!」というタイトルでファッションと木版画で厳しい夏を楽しく過ごす提案をいたします。
5月5日(金)-28日(日)*月火休廊
正午―午後7時(日曜日は午後5時まで)

たった一つの人間の中にある宇宙ー音部訓子展

画面の左上のブルーの部分や左やや下のブルー、真ん中あたりの丸など、切り絵をコラージュしています。

音部訓子さんが大好きなマチスが晩年に夢中になった技法です。
ルーブル美術館での展覧会の際にヴァンスの礼拝堂に行かれてさらにマチスへの思いが強くなられたようです。礼拝堂は素描と切り絵の最高傑作と言われています。

紙に絵具で色を置き、それを鋏で切り抜いていく。
マチスもこうやってわくわくしながら制作したんだろうなと思いをはせるのだそうです。

新しい技法にも果敢にチャレンジする進化系ベテランイラストレーター音部訓子さん。進化はまだまだ止まりません。