雑貨を作るー平田佳子博覧展

「雑貨を作るのは楽しい。それは趣味。」と平田佳子さんは言い切ります。

実はこの言葉の中に深い意味があります。
陶芸家としてプロの仕事をするには厳しいこともあります。楽しい雑貨作りをしていると陶芸がどんどん疎かになりそう。だからこれらの雑貨には必ず「陶」でできたパーツを入れています。自分は陶芸家なのだという自戒の念を込めてのことだそうです。

楽しく作った雑貨はその楽しさが溢れているのでファンも多い。
当然売れ行きも良く私も何度か値上げの提案をしました。そのたびに「雑貨は趣味だから材料費分しかいただかないことにしています。たとえ売れてもそれは自分の中でのきまりにしています。」とおっしゃるのです。ただしパーツに使った「陶」の部分は値上げできるのならするのだそうです。

楽しく作るからこそ、いくつ作るとか、クオリティを上げなければ、といった厳しい課題は作らないでいます。作りたいものを作りたいだけ作る。だからこそこんなに楽しいものができるんですね。

おおざる工房ー平田佳子博覧展

自分の絵付けがとても気に入っているという状態ではない中平田佳子さんはたくさんの作家仲間ができました。いろいろなものを制作している仲間には絵を描いている人もいました。

こんな絵が自分の陶器に描けていたらいいなという思いから、数人に絵付けを頼んでみました。なかなかいい出来です。自分の絵で感じていた物足りなさが解決できるような気がしました。

今回のおおざる工房のメンバーは、丹下幸恵・溝渕美穂・坪井香保里・渡辺沙恵子・サノエミコ・平田小猫の6人です。メンバーは時々入れ替わります。それぞれの事情に合わせてのメンバーです。平田さんは決して無理をしません。仕事や体調・家庭の事情などできるときにできる人に描いてもらっています。ただし、自分の陶器に合うということについては自分の感性に厳しく問いかけているはずです。

このシステムにして自分は絵を描かないのかというとそうではありません。もともと絵を描くのが大好きなので、描きます。今回もいっぱいいっぱい描いてくれました。本当は「平田さんの絵が大好き」というファンだって少なくはないのです。きっと自分に厳しいだけですよね。

平田佳子の器ー平田佳子博覧展

まずは平田佳子さんが全工程手がけた作品の一部を紹介します。

絵付けがそんなに得意ではないと言うけれど、平田さんの絵のはたくさんのファンが付いています。これを見る限り思い過ごしではないかとも・・・。

それは置いといて、確かに全工程セルフでやるという常識ではありますが、そうでなければいけないのでしょうか。工房などで分業ということはあっても陶芸家と名乗る場合ほとんどセルフということに疑問を持ってもいい。

平田さんの「おおざる工房」はいわゆる「工房」ではありません。ほとんど作家名に近いものです。平田さんが親方的存在で集団を引っ張っているというのとは違います。平田さんが「この作家にはこんな形の器に描いてもらったらその作家の絵が活きるな。」と企画を立てたものを作家と相談しながら仕上げていくという方法です。器そのものは全部平田さんが作ります。

今日はまず、絵も含めて混じりけなしの平田佳子だけの作品の写真を掲載しました。

続きは少しずつ書いていきます。最終日に「平田佳子さんの作品像」が見えてきてくれたらいいなと思っています。

平田佳子博覧展ーおおざる工房+シピ=陶芸家平田佳子

あけましておめでとうございます。

2023年プリズムの第一弾は「平田佳子博覧展」です。
「おおざる工房と仲間たち」を2回開催し、おおざる工房を一人で企画している「平田佳子」という作家から目を離せなくなりました。

プリズム30数年の歴史の中でこんなにユニークな作家がいただろうか。

平田佳子さんは「おおざる工房」という名前で陶芸家として活動しています。陶芸家のほとんどの作家が形を作るのも絵付けをするのも全部1人で完結です。平田さんは絵付けももちろんできるのですが「私の絵より私の好きな作家の絵を描いていただいたほうが素敵になると思うの」とおっしゃいます。

平田さんは雑貨作りがお好きです。ファンもたくさんいて展覧会に出品すれば皆さんの手元に渡っていきます。「少しお値段上げましょう」と提案すると「これでお金になったら陶芸が疎かになりそうだから、しません。」とおっしゃるのです。陶芸家が作る雑貨には必ず「陶」のパーツを入れることも課しています。

どこか一本筋を通す平田佳子の制作姿勢には感心します。

そんな平田佳子さんの作品を一堂に見ていただきたくて今回の個展を企画しました。

平田さんは会期中土日曜日と祝日は在廊予定ですが、名古屋在住ではないので天候と体調によっては在廊できない日もありますことをご了承ください。

猫展27

2023年1月27日(金)-2月26日(日)*火曜休廊
正午-午後7時(日曜日は午後5時まで)

X’MAS ARTIST SHOP  2022ー最終日

本日「X’MAS ARTIST SHOP 2022」は最終日です。
そして2022年の営業も今日で最後になります。

今年もたくさんの感謝の気持ちでいっぱいです。

2023年は1月7日(土)「平田佳子博覧展」でスタートします。

来年もよろしくお願い申し上げます。

おおざる工房(平田佳子)-X’MAS ARTIST SHOP  2022

41人の作家紹介の最後はおおざる工房です。
何で最後かというと、この展覧会でプリズムの2022年は終わりますが2023年はおおざる工房の平田佳子さんの個展で始まるからです。バトンタッチです。
一風変わった、あまり聞いたことがない考えのもとに制作を続ける平田佳子さんを知ってほしいという思いからの企画です。1月7日(土)からです。寒い時ですが是非お運びください。

作家在廊予定
12/24(土)  12:00-15:00    高北幸矢
25(日)  13:00-15:00       水野加奈子
15:00-17:00   平塚啓
*変更追加は随時お知らせします。

クレメンス・メッツラー-X’MAS ARTIST SHOP  2022

メッツラーさんの絵を観るといつもなんだか不思議な気分になります。
彼がドイツで生まれ育ったドイツ人だからだと思います。
子供の頃の記憶はずっとその人の心の中に棲んでいるのでしょう。
本当は日本人だってそれぞれ違った記憶を持っているのだけど、これほど違わないだけなんだと思います。個性ってそうやって育っていくのですね。

作家在廊予定
12/24(土)  12:00-15:00    高北幸矢
25(日)  13:00-15:00       水野加奈子
15:00-17:00   平塚啓
*変更追加は随時お知らせします。

近藤美和-X’MAS ARTIST SHOP  2022

クリスマスらしい天使の絵。
このところの近藤美和さんはモノクロが素敵です。
来年秋には個展の予定です。そちらもお楽しみに。

作家在廊予定
12/24(土)  12:00-15:00    高北幸矢
25(日)  13:00-15:00       水野加奈子
15:00-17:00   平塚啓
*変更追加は随時お知らせします。