楽しい楽しい「博覧展」でした。
「作る」楽しさがダイレクトに伝わってくる。
本当はちょっと大変だったり苦しかったりということもあっただろうに、そんなことは全然見えてこないのは平田佳子の作家力。
平田さんがどんなに特異な存在なのかということが少しでもわかっていただけたなら嬉しいです。
次回は1月27日(金)から猫ファン待望の「猫展」です。
コロナは随分落ち着いてきたとはいえインフルパンチも来ているようです。
ネットや電話での対応も致しますが、28日(土)正午からといたします。
WHITE MATES bldg.1F 1-14-23Izumi Higashi-ku Nagoya Japan Phone052-953-1839
楽しい楽しい「博覧展」でした。
「作る」楽しさがダイレクトに伝わってくる。
本当はちょっと大変だったり苦しかったりということもあっただろうに、そんなことは全然見えてこないのは平田佳子の作家力。
平田さんがどんなに特異な存在なのかということが少しでもわかっていただけたなら嬉しいです。
次回は1月27日(金)から猫ファン待望の「猫展」です。
コロナは随分落ち着いてきたとはいえインフルパンチも来ているようです。
ネットや電話での対応も致しますが、28日(土)正午からといたします。
展覧会場とは、その空間全部が一つの作品だと思っています。
立体作品を制作する方々は壁面をどうするか、結構大きな問題です。
平田さんの作品はキャラクター性が強く、展示方法によっては会場がギャラリーではなく雑貨屋さんになってしまう危険性がある。
きっとすごく悩んだことと思います。その結果1点1点を壁面に乗せる展示什器を考えました。これはすごくいいアイデアです。
1点1点をじっくり緊張感を持って丁寧に観ていただけます。
美しく緊張感のある展示。
観る人に緊張感を与えない作風ではありますが、引き締まった美しさも同時に必要です。この展示はこの展覧会にあってスパイスのような働きをしていると思います。
動物や植物を四角にデフォルメーションしてキャラクターデザインをしているサノエミコさんに四角いお皿に絵付けをしていただくというしゃれた企画を平田佳子さんはしたんですね。
「○○だとかわいいんやて」と平田さんに岐阜弁で気持ちを乗せてもらうと、作家さんたちはどこまでも想像の世界を飛んでいきます。
おおざる工房システム少しはわかっていただけたでしょうか。
会期は今日を含めてあと4日。
平田佳子さんの懐の深さを是非味わっていただきたいです。
今回の絵付けはあと渡辺沙恵子さんがいるのですが、現在ほぼ完売状態です。紹介できなかったことをお詫び申し上げます。
「溝渕美穂さんが描く猫が大好きだから、猫多めに描いてね」とお願いしたら全部猫の絵にしてくれたのだと平田佳子さんが嬉しそうにおっしゃいました。
まずは自分が好きでなければ「おおざる工房」は成り立たない。
「おおざる工房」の企画は平田さんなのだから、彼女の中で作家の絵と相性のよさそうな器を作陶する。だからきっとなんとなくの絵のイメージもあるのだろう。まあ少しくらいイメージとずれても、それはきっと許容範囲なんだろう。
少しくらいずれるほうがむしろ楽しいと思えるから「おおざる工房」方式ができたのだと思う。いい意味での緩さが楽しさを生み出している。
このネックレスのパーツはすべて1粒1粒平田佳子さんの手によって作られています。
1粒1粒粘土を丸めて1粒1粒糸を通す穴を開ける。
書いてしまえばそれだけの工程です。
粘土を丸めるのはそれほど大変ではないと言います。実は穴を開けるのは気が遠くなるような手作業なのでした。柔らかい粘土に針状のモノで穴を開ければ針が通った先に押し出された粘土が残ります。それを取り除くとまた少し穴がふさがる。反対から針を通すと先ほどではないにしても、やっぱり粘土が残る。また反対から針をお通す。そんな作業を数回繰り返してやっとビーズ状になる。それを1本のネックレスを作るために何個繰り返せばいいのでしょうか。
雑貨屋さんなどで安価な陶ビーズネックレスを売っていることがありますが、きっと量産できるのでしょう。こんなにきれいなビーズではありません。
平田さんの制作で驚くのはこれに類する根気強い手作業。
そして、その手作業こそが平田作品の真髄。
ざっくり見える作品たちですが、この繊細さがなければできないのです。
作品に汗の跡が見えたらかっこ悪いとある作家が言っていて感動したことがありますが、平田作品はまさに汗の後を見せないクールさが隠し味になっています。
寒い日も暑い日も保温ボトルはお出かけにとても重宝します。
平田さんも保温ボトル愛用者です。
せっかくならボトルのボディにも絵付けで描く絵と同じシリーズを描いてしまおうと、描いてみました。それでは「陶パーツ」が付けられない。ボトルにはケースがあったほうがいいしそこになら「陶パーツ」がつけられる。そんなわけでケース付き保温ボトルができあがりました。
(もちろんケースとボトルの絵は同じです。そういう訳でボトルとケースをあっちこっち入れ替えすることはお許しくださいね。)
これが大人気。
平田さんの中ではせっかくなら高い値段をお支払いいただくのは申し訳ないとの思いから、セールを探し何度も足を運んだり遠くまで出向いたり、お値段を抑える努力も惜しみません。
平田さんの絵にほっこりし、その努力を思うと、ボトルに詰めたドリンクがさらにおいしくなります。
最初に「お出かけに」と書きましたが、平田さんは仕事にかかるときにドリンクをボトルに用意し、お仕事しながら水分補給をするそうです。だからデイリーユースだとおっしゃっていました。
丹下幸恵さんも「おおざる工房」初期からのメンバーです。
丹下さんも坪井さん同様なかなか大胆な作風です。
平田さんは大胆好き?!?
明るく楽しい食器たちはティータイム用にいかが?
フェルトでの作品は今までもたくさんつくってきましたが、今まで使ってきたメリノウールは直接肌に触るとチクチクすることがあります。それで首にフェルトが触れる仕様にできませんでした。
それで肌に優しいアルパカでマフラー作りに挑戦しました。
これはなかなか手ごわい。メリノウールほどまとまってくれないのだそうです。
苦心のすえ出来上がったマフラーは肌触り抜群。使うほどに柔らかさが増すそうです。
犬・猫・うさぎがいます。
首に巻くと動物の顔が下を向くことになるのですが、広げたときに動物の体と同じにしたかったのと、何よりも下を向くほうが平田さんは可愛いと思うからこのような作りにしたのだそうです。
今日お買い上げくださったお客様は長さがあるので帯揚げにしてみようと思ったとか。作家の工夫をさらに使い手が工夫をする。いいですね。
動物の目の部分はもちろん平田さん手作りの「陶」です。
坪井香保里さんは「おおざる工房」の初期からのメンバーです。
平田佳子さんは坪井さんの絵が大好き。
彼女の奔放な絵を自分の器に描いてほしくてメンバーになってもらったそうです。
例えば絵付けをする絵具を均一に塗らないとむらができます。これは陶芸家としては技術が低いとみなされますがそんなことを気にしていては奔放な絵は描けません。平田さんはこれを良しとしています。のびのびとした絵のほうがずっとずっと魅力的だと思うから坪井さんとのコンビが長く続いているのです。
これは陶芸の世界では異端に近いのかもしれません。プリズムはそれだからこそ面白いし多くの方々に紹介したい。
追々ほかのメンバーも紹介していきます。
「シピ」は平田さんの作品の中でアクセサリーのブランド名です。
もともとこちらも「おおざる工房」として制作していましたが、このキレイ系の作品に「おおざる」はちょっとイメージに合わないのでブランド名を別バージョンにしたのです。
こちらのアクセサリーは平田佳子さんとお姉さまの平田小猫さんと二人で制作しています。「陶」と「フェルト」のパーツを佳子さんが制作し小猫さんがファブリックを入れて仕上げるという工程です。
「シピ」はフランス語でわがままな猫という意味だそうですが、猫好きなわがまま姉妹が作っているのでそれをブランド名にしたそうです。
丁寧な仕立てには定評があります。