
6,7年ぶりになるだろうか。佐々木悟郎さん、プリズムでは久しぶりの個展となります。
水彩絵の具でのぼかしは誰にもまねができない絶妙なセンスと技術の表現です。原画は印刷物やデジタル機器を通して見るのとは違う温かみが感じられます。是非ギャラリーにお出かけください。
5月30日(土)午後5時から会場にてアーティストトークも開催いたします。(予約不要・入場無料)
また5月29,30,31日6月6,7日ご本人が在廊します。

WHITE MATES bldg.1F 1-14-23Izumi Higashi-ku Nagoya Japan Phone052-953-1839

6,7年ぶりになるだろうか。佐々木悟郎さん、プリズムでは久しぶりの個展となります。
水彩絵の具でのぼかしは誰にもまねができない絶妙なセンスと技術の表現です。原画は印刷物やデジタル機器を通して見るのとは違う温かみが感じられます。是非ギャラリーにお出かけください。
5月30日(土)午後5時から会場にてアーティストトークも開催いたします。(予約不要・入場無料)
また5月29,30,31日6月6,7日ご本人が在廊します。

登龍亭獅篭展7
2026年6月11日(木)-21日(日)*火曜休廊
正午―午後7時*最終日は午後5時まで
◎獅篭落語会
6月13日(土)20日(土)
午前10時~ 展示会場にて
各席2,000円
スペースプリズムへ要予約

「百瀬博絵画展」は本日(5月24日)最終日です。
2026年現在の百瀬博さんの心を見ていただきました。次回は2028年5月18日が入った会期に個展を開いていただきます。2年後の百瀬さんの心はどんなふうになっているのか待っていてください。
プリズムの次回は5月28日(木)-6月7日(日)*火曜休廊「Something Old and New佐々木悟郎のイラストレーション」です。5月30日(土)午後5時からアーティストトークも開催されます。(予約不要・入場無料)是非お出かけください。

もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、この個展で一番今までと違うところは色です。
搬入の日、色のトーンがいつもと違うことに驚きました。サーモンピンクや優しいブルーをバックに使うことが多かった。ご覧の通り今回だってたくさん使われているのですが、ぐっとトーンが落とした色になっているのです。
これまで以上に色にはこだわったと百瀬博さんは言いました。
今までは「こんな感じでいいかな」と大まかな色出しでよかったのだそうですが、今回は微妙な色合いも今の気持ちと合っているかどうかとても気になって手を入れたのだとか。色の種類は一緒でもトーンを落としたくなったともおっしゃいました。
なぜかはわかりません。うがった見方をすれば年齢?と思ったりしますが人の心はそんなに単純なものでもないし、案外単純なところもあるし。
これからだってきっと何かが変わっていく。
変わっていく何かを見つけ続けられることは嬉しいことです。

80号の大きな絵です。この個展では一番大きな絵。
「この絵が描けたのがこの個展で良かったこと」と百瀬博さんは言いました。
3人の天使の顔が全部違ってどれも描けた満足感があったそうです。
この感覚はきっと本人でなければわからないことなのかもしれません。
百瀬さんの言葉が今は私の中でうまく理解できていないなと思っています。もう十分理解できている方もいらっしゃるのだろうけれど。だから私はこの言葉だけを忘れずにいられたらいつかわるかもしれないとも思っています。
今日紹介している絵にも関係がありますが、天使が着ている衣装、これはみち代さんが古布の洋服の作家をしているときに制作したものの中で今もご自宅に残っているものや写真に残っているものを参考にしています。個展の絵を描き始めたころに「今度の天使にはみち代さんの作った服を着せたいと思っている」とおっしゃいました。
もともとみち代さんがプリズムの作家だったこともあり、古布の丈夫な所を小さく切って繋げてポイントにしていたことも懐かしい。天使の衣装の裾はそんな工夫ポイントだったんです。
やっぱりみち代さんと一緒に絵を描いたという実感がこの絵にもたくさんあるのだろうな。緑や赤の服はなかったけれど、これはやっぱりみち代さんデザインの洋服です。
博さんにしかわからないこの絵の満足感があってもいいなとも思うのです。

自画像を描くのは初めてではない。今までは何かに不満を持っているかのような険しい顔しか描けなくてとても展覧会に出す気にはならなかったと百瀬さんは言います。
穏やかな顔に描けたので今回は出品してみようと思ったそうです。もちろん自画像は初出品。
いつも穏やかでいる百瀬さんしか見たことがないのでやや意外な感じのコメントでしたが、本人にしかわからない本人が嫌いな部分が過去にはあったのかもしれません。そう思うと過去の自画像も見てみたいと私の野次馬根性が頭をもたげます。
怒りっぽいおじいさんの話がたまにネットでは騒がれたりします。ずっと穏やかだった人。ずっと怒りっぽい人。前は穏やかだったのに怒りっぽくなった人。怒りっぽかったのに穏やかになった人。その理由はいろいろだろうとは思います。病気で怒りっぽいには気の毒に思いますが、「丸くなったね」と言われるのは悪くない。
百瀬さんのように自画像を描いてそれを自覚する75歳は絵描きとしてとてもいい時間を過ごしてきたということですよね。

天使の絵を描くようになったのは10年ほど前からです。
個展の絵を全部描き上げたと思ったのに描きたくなって筆を取ったら天使になったとその当時百瀬博さんはおっしゃいました。それまでに描き上げた絵も満足していたけど、天使が描けたときにはこの個展をやることにしておいてよかったと思ったと嬉しそうに話されたのを今でも覚えています。
以来天使も描き続けています。天使が自分の中に居なくなるまでは描き続けるとその次の個展のときにおっしゃっていたので天使を見つけると「まだいてくれますね」と言うのが私の恒例にまでなっています。
百瀬さんの天使に宗教的な意味はありません。
描き始めたときに「天使はみち代さん?お嬢さん?」と皆さんに聞かれました。私も聞きました。百瀬さんは「誰とか思ってないなぁ」と当時はおっしゃっていました。今は違います。「それはみち代さんです」とはっきりおっしゃいます。
ご自分の中ではっきりしていなかった天使は10年という時間の中で明確化したのでしょう。
そんな天使はやっぱり時とともに変化しています。そんな天使もこれから紹介していきますね。

進学校に進みながら半ば放棄するように受験に背を向け数年分の労働で得た蓄えを持ってスペインはマドリッドの美術研究所に入ったのはもう50年も前の事。
ヨーロッパ人の卓越したデッサンに恐れをなし、毎日のように通ったプラド美術館ではこれほどの技量を持たなければ画家になれないというのなら自分には一生かかっても無理だとしょげる。知り合った日本人は圧倒的なデッサン力を持ちながら東京藝大を三浪もした猛者だったにもかかわらずある日薬におぼれこの世を去った。
弱弱しい線しか描けない百瀬博のデッサンを仲間の画学生が「すごくいいから売ってほしい」と言われる日が来た。それでも自信なんて持てるはずもなく断った。その出来事で心に温かい火がともった。グレコにもベラスケスにもゴヤにもなれようはずもないがならなくてもいいとも思えるようになる。
学校が休みの日にはスペインのたくさんの村や街を歩き回った。
シエスタの時間になるとだれもいなくなる。それなのに人の気配はあり暖かい空気が自分を取り囲む。
吹き寄せられるようにスペインくんだりまでやってきてしまったけれど、それは素晴らしい時間だった。そしてマドリッドでみち代さんとも出会ってしまった。人が吹き寄せられると奇跡さえ起こる。
あれ?「吹き寄せられた先で」ってこういうことも含まれるのだろうか?倉中玲さん!
やがて懐も底をつきそうになり日本に帰ることにした。2年という時間が経っていた。
25年ほど前からスペインの建物を描くようになった。これも描き続けているモチーフなのだけど、なぜなのだろうと見続ける私は思ってきた。もしかしたらスペインと彼自身の心の距離を確かめるための絵なのかもしれない。
いつか一人でスペインに行ってみたいと彼は言う。きっとあの時住んでいたアパートは今もあるだろう。それを見て自分は何を思うのか確かめてみたいのだそうだ。
そうしたらスペインの人が棲む建物の絵はきっと少しだけ変わるのだろう。

明日5月18日月曜日、ギャラリーは通常営業しますが申し訳ありませんが百瀬博さんの在廊はありません。
5月18日はみち代さんの命日です。百瀬さんは少し離れた地にあるお墓にお参りに行くので在廊できないのです。
個展中なんだから別の日に行けばとか、個展の日程を最初から考えておけばいいのに、と考える方がいらっしゃるのは承知です。が百瀬さんは最初からすべてをわかっていてこのスケジュールにしました。
今回の個展はみち代さんとともに作り上げたことは最初にもお伝えしました。
だから会期中の気持ちを持ったままみち代さんの命日にお墓で個展の報告をしようと決めたのだそうです。ギャラリーにお運びくださるお客様には本当にご迷惑をおかけしますがわかってあげてください。
20日(水)からはまた13時から18時(最終日は17時)までギャラリースペースプリズムにて百瀬博さんが皆さんのお出でをお待ちしております。18日(月)もギャラリーは通常営業しますので是非お出かけください。

腕に頭を預けた少年の絵は毎回のように個展に登場します。もう30年近く描き続けているのです。
子どもの頃のクラスメイトがこんなポーズを一瞬していたことを思い出して描いたといつだったかの個展のとき話してくれました。特別仲が良かった子と言うわけでもなかったともおっしゃっていました。
百瀬さんはプリズムで何回個展をしてくださったでしょうか。そのたびにいろいろなお話をします。子供の頃の事とか、今楽しいこととか、家族の事とか、かなりプライベートなことも話します。
そんなお話の1つとしてある日話してくれたこと。
小学校の低学年の頃お母さんが病気で亡くなってしまいました。
お父さんとお兄さんは「博君はまだ小さいからお母さんはもう長くないことを知らせないでおこう」と決めたのです。だから百瀬さんにとってお母さんは突然亡くなってしまったという記憶だそうです。
そんな話を聞いた後私にはこの子は博少年だとしか思えなくなりました。それは私の勝手な妄想でしかありません。だからこの少年がだれなのかそれぞれの心の中で育てていってくれればいいのです。
この個展で少年の絵はこの1点しかありません。
発見です。
この少年の頭に小鳥のお面を被っており、腕の後ろに羽根が見えています。2羽の小鳥が少年の前に置かれている。どれも他の絵の中には登場しますが少年の絵に描かれたのはこれが初めてだと思うのですが・・・。
これにはいったいなぜなんでしょうか?これは百瀬さんも含めてこの作品を観る全ての人がそれぞれの妄想で答えを見つければいいと思います。