HOKUSAI

情けない話で何とも言い訳でしかありませんが、ずっと映画館が怖かった。
映画好きの皆さんからはさんざん映画館の換気は基準がもともと厳しかったのだから感染の心配はないと聞かされていましたのに。そうだろうなと頭ではわかっていたのですが、暗い閉じられた空間というだけのことでイメージとして心が拒絶していました。

「HOKUSAI」もう天岩戸の前で天宇受売命(あめのうずめのみこと)の踊りを一目見たくなって天照大神が気を許した、というほどおおげさではないけれど、この映画は見逃せないと、ほぼ1年ぶりに映画を観てきました。

内容についてはいろいろありますが、2つ心に響くポイントがありました。

1つは蔦谷重三郎が北斎に「お前は何で絵を描くのか」問うたこと。
若き北斎はその問の答えを見つけるためにまさに七転八倒するのです。もちろん結果はその答えを見つけ絵を描くことに壮絶な邁進をするのですが・・・。

「何で絵を描くのか?」
絵を描く人はみんなその答えを知っているわけではなく、北斎ほどの絵師でもその答えを見つけるのに死ぬほど苦しむ。最後までたどり着けない画家だっているに違いないし、そんな問に答えを見つけようとしたこともない画家だっているかもしれない。本当はものすごく深い問なんだけど。

2つ目は、老年期の北斎を演じた田中泯の体の動き。
世界的ダンサーでもある田中泯だから、心情を体の動きで表現するのだが、ダンサーを越えて、俳優としての動きの中でダンサーとしての感覚を持っているのが素晴らしかった。考えずとも筋肉が反応している感じ。それもダンサーを前面に出さないように動く。美しすぎない動き。場面によってはダンサー田中泯になっているところもあったが、こちらの見たいという気持ちも満たしてくれているようで満足でした。

観に行くべきかどうかはそれぞれが求めるものによると思うので、〇でも×でも△でもない。

作り手の思いーFashionCrossroad2021春夏

世の中にはたくさんの物があふれています。
たくさんの物に囲まれていると、1つ1つの物には必ず作り手がいるということをつい忘れてしまいがちです。

どんな物でも作り手はやっぱり必ず何らかの思いを持って作っているという事実を伝えるのがギャラリーの役割とも思います。

できればどの作品も輝かせたい。
朝ギャラリーに出勤してライトをつけたとき、どの作品も最高の状態でいてくれるだろうかと気にかかります。

初日の会場と比べると随分様変わりさせました。
この組み合わせのほうが良いかなと思うこともあっての変更もあるし、どなたかの元に旅立った作品と入れ替えることもあります。

どの作品も最高の笑顔でお客様をお迎えできていればいいなと、時々会場を見回します。

変わっていく展示ーFashionCrossroad2021春夏

今年は早めの入梅に慌ててしまいましたが、例年でも気温の上昇が著しい季節。
日々の洋服も変わっていっていますが、ギャラリーの中も日々刻々変わっています。

次第に夏らしくなっていくコーディネートもお楽しみの1つです。

今日はショーウインドーの展示を一部変えてみました。
素材は綿や麻の薄手のものへ、色はパステルから寒色系が涼しげです。
これは偶然なんですが、今年は全体にブルー系を使っている作家が多く、夏休みが待ち遠しいような気分です。

よしだ律ーFashionCrossroad2021春夏

プリズム初登場のよしだ律さん。

ファッションが大好きで特にブローチはコレクションするほど大好きだそうです。ただ、大好きなブローチなのに重さが気になることが度々あり、とうとう自分で作ってしまったのだそうです。そのブローチがプリズムの目に留まってお声をかけたのが初登場となったわけです。

素材は皮革。色も豊富で、素材集めも楽しかったとか。

今日のご紹介は帯留めの三分紐に付けて浴衣とコラボレーションしました。これはぴぽんまむさんのアイデアです。紐を利用すればベルトのバックルとしても楽しめます。

ブローチ(よしだ律)                ¥1,800
アンティーク浴衣(ぴんぽんまむ)          ¥12,000
キャミソールワンピース(HUMMING BIRD DSIGN)  ¥25,000

溝渕美穂ーFashionCrossroad2021春夏

「軽い!」とびっくりされます。
溝渕美穂さんのこのシリーズは紙をカットし彩色の後カシュー漆で仕上げてあるので軽くて丈夫。

今回は全部ブローチです。
これからの季節は服地が薄く重さのあるブローチは使いにくくなります。生地も傷みやすい。その点この軽さはありがたい。

さらっとした木綿や麻の服に似合うこと請け合いです。

¥2,000-¥3,700

馬場陽子ーFashionCrossroad2021春夏

馬場陽子さんのアイデアにはいつもびっくりさせられますが、今回もそうきたかと思わせる素敵なアイデア。

Tシャツにプリントされているのはリュックサック。
肩ベルトはアップリケされています。
トリックアート的発想です。

見えない素敵な心が詰まったリュックをしょってどこに行きましょうか。
心旅に出ましょうか。

Tシャツ(馬場陽子)      ¥9,000
スカパン(Goki)       ¥23,000

諏訪薫ーFashonCrossroad2021春夏

夏空によく映えそうなブルーで、全体をまとめてみました。

ウサギ商店のブラウスに蒼空の浅葱色のストール、そして全体を引き締めているのは諏訪薫さんのペンダント。

コンテンポラリージュエリーという貴金属ではない素材(これはアクリル)で作られたアクセサリーは伝統的な木綿の絞りに新鮮な風を送り込んでいます。

アクリルの鮮やかな発色、柔らかそうではあるけれど形が崩れるほどの柔らかさを持つわけではない素材感。
400年の歴史と現代を結ぶにふさわしい諏訪さんのデザインは、このコーディネートの要です。

ペンダント(諏訪薫)        ¥16,500
ブラウス(ウサギ商店)       ¥12,000
ストール(蒼空)          ¥7,000

chigusaーFashionCrossroad2021春夏

同じ組み合わせの洋服につけた2つのブローチはどちらもchigusaさんの作品です。一人の作家でもこんなに世界観が違います。面白いですね。

優しいchigusaさんと尖ったchigusaさん。
作家としての戦略はいろいろあると思いますが、これは案外普通のことで1つの世界しかないというほうがある意味不自然なのかもしれません。

右ブローチ(chigusa)        ¥14,300
左ブローチ(chigusa)        ¥3,300
ブラウス(HUMMING BIRD DSIGN)  ¥16,000
パンツ(Goki)                       ¥23,000

シピーFashionCrossroad2021春夏

シピのシルクリボンネックレスももうプリズムではお馴染みになりました。

繊細な良質のシルクリボンはその日のコーディネートを上品に仕上げてくれるお助けアイテムでもあります。
本分は陶芸家という平田佳子さんが必ず入れる陶器のビーズやパーツもさり気ないけれどクォリティーの高さを感じます。

今回はHUMMING BIRD DSIGNのキャミソールワンピースに Gokiのカットソーを合わせました。

シルクリボンネックレス(シピ)               ¥4、300
キャミソールワンピース(HUMMING BIRD DSIGN)   ¥25,000
カットソー(Goki)                  ¥13,000

サノエミコーFashionCrossroad2021春夏

四角い犬carre-minionでお馴染みのサノエミコさんのTシャツにはオリジナルのプリントにオリジナルのテキスタイルミニポケットが何か所かついています。ポケットから顔をのぞかせた犬たちが何とも言えない可愛さです。

白地のTシャツですからどんな色のパンツでも合いますが、今年の夏のトレンドテラコッタ色を合わせてみました。

素足にナチュラルカラーのサンダルを合わせて夏も元気に過ごしましょう。

Tシャツ(サノエミコ)    ¥3,500
パンツ(Goki)        ¥22,000