干柿ー鈴木喜家日本画展

山形の干柿と出会ったのはもう30年以上も前のことだろうか。

吊るされて干されるのではないので底が平たいのだそうです。しかも藁包みで発酵しているので黄色やピンクや茶色く色づいているのです。その色の美しさに魅せられて以来時々絵にしています。

今回もこの絵を含め3点描きました。

どんな干柿なのだろうと調べてみましたが、出てきません。
今では作っていないのかもしれません。幻の干柿。
干柿は普通のものでもとても手間のかかる食べ物です。
この干柿は藁に包まれて発酵させているというさらに手間のかかっているのです。

そう知るとさらにこの干柿の存在が愛おしくなります。
遠い日のあの時間をこの干柿に託して思う。

 

岬の空ー鈴木喜家日本画展

鈴木喜家さんは愛知県西尾市にお住まいです。
西尾市の吉良からは知多半島が見えるそうです。

ある日知多半島を観ていると、雲の切れ間から見える日の光がまるで龍が登っているように見えた。
その様子を描いたのがこの絵です。

風景というのは不思議な物でそのものに意図は無いのにそれを観ている人間はいろいろな受け取り方をします。

鈴木さんは知多半島に登る龍をそこに観ました。

この絵を観て「龍」と思うのもいいし、それが何かを考えるのも良い。
「龍」ではないものを観るのも、もちろんいい。
全く違う部分に全く別の物を観るのもいいと思います。
絵を描く観るは本当に自由な世界です。

自由な世界を語り合うのも素敵です。

この展覧会はいよいよ後半に入りました。
鈴木さんはほぼ毎日会場にいらっしゃいます。
絵のお話を語りにいらっしゃる皆さんをお待ちしています。

ひなげしー鈴木喜家日本画展

日本画では花を画題にすることが多いのですが、王道は「牡丹」

鈴木喜家さんは「牡丹」をほとんど描かない。

「ひなげし」には強く魅かれるので、それはよく描きます。今回の個展でも「ひなげし」の絵は3点あります。

「ひなげし」は一見弱々しい。
蕾はほぼ垂れていて、今にも枯れそう。
それなのに花開く直前に蕾は頭を擡げて可憐な花を咲かせる。

この絵の2つの蕾も枯れかけているのではなく、ちゃんと花は開く。

そんな「ひなげし」をこれからも描き続けるのでしょう。

ひなげしー鈴木喜家日本画展

先日のブログで久しぶりの花の絵だということを書きましたが、そこにはさっかとしての大きな思いがあったのでした。

花の絵は20年ぶりだとのこと。
当時中国の大地に魅せられ、自然の大きさを絵にすることに夢中になりました。
そうなると小さな花の美しさに目を奪われることと同時進行すると集中力が分散することに気付き、花を一旦中断するこにしたのでした。

中国には何度も出かけたくさんの絵を描きました。
今でも中国には行くし大地の絵は描くのだけれど、年齢とともに今までとは違ってきていることに対する生き方として花もまた描こうという気持ちになったのだそうです。

日本画の絵の具は花を描くのにとても適しています。
花のクリアな色。これは装飾的でさえある日本画の絵の具で描くと、まさに華やかに発色してくれる。

大きな自然の力。
美しい小さな花の力。

どちらも鈴木喜家さんにとっては愛おしい。

年齢とともにできることできないこと。
これはあたりまえのことですが、その状況の中でいつも精一杯できることをできるようにやっっていくのが人生の達人鈴木喜家さんなのです。

黄山ー鈴木喜家日本画展

黄山(こうざん)
中国ではとても有名な山だそうです。特に水墨画の画題として定番的なところだそうです。

調べてみると全容はこの絵のようですが、実際には岩山のようです。

岩山をこのように飄々としたデフォルメーションにしています。喜家さんのお人柄そのもの。厳しい山肌を少し柔らかい印象にに仕上げるのが喜家さんらしいなと思うのです。

明日のギャラリートークではそのあたりのことも聞けるのではないでしょうか。

野菊ー鈴木喜家日本画展

「先生の花の絵、初めて観た」とおっしゃるお客様が何人かいらっしゃいます。

「昔はよく描いたんだけど、そういえば久しぶりに花を描いたな」と鈴木喜家さん。

日本の花は日本画の絵の具と本当によく合う。
日本の自然を描くのにふさわしいようにあの絵の具は進化を続けて来たのに違いない。

野菊の黄色、葉の緑、茎の茶色。

だけどね。
野菊が横に伸びているこの姿が何とも言えないいい味。
横位置の額にこの絵を描いた鈴木さんの感性が素敵です。

ギャラリートークのお知らせー鈴木喜家日本画展

1月11日(土)午後3時より鈴木喜家さんのギャラリートークを開催いたします。(予約不要・入場無料)

今回の個展作品の解説、絵に対する思いなどのお話が聞けることと思います。
質問の時間もとりますので、皆様お誘い合わせの上お出かけください。
お待ちしております。

幻炎ー火焔山(白士会会員鈴木喜家日本画展)

本日より、ギャラリースペースプリズムの2020年が始まりました。
トップは日本画家鈴木喜家さんの個展です。

その最初に紹介させていただくのは「幻炎ー火焔山」

火焔山は中国新疆ウイグル自治区にある山です。
大きな大きな山です。端から端まで40kmもあるのだそうです。
絵からもわかるように山頂だけがつくんと高い山ではなく、ただただ大きくて日本では見られない大きさが鈴木喜家さんの心をとらえて離さない。

今回も10号のこの絵とサムホールを2点も描きました。
過去にはもっともっと大きな絵にしたこともあります。

それほど鈴木さんは火焔山が好き。

そして中国が好き。
来月も中国に取材に行かれるそうです。

中国に対する思い。火焔山似たいする思い。
これからのブログでも紹介できたら良いのですが・・・。

 

白士会会員鈴木喜家日本画展ー初空に

2020年を迎え皆様ご清祥のこととお喜び申し上げます。
ギャラリースペースプリズム本年もよろしくお願いいたします。

歳の初めは日本画家鈴木喜家さんの個展です。
筆の赴くまま描いた近作とか。
風景も花も小品ながら楽しく描かれたのが伝わってきます。

会期中できるだけ在廊なさると聞いています。
HPのNEWSで毎日の在廊状況をお伝えしますので、是非在廊日にお出かけください。

X‘MAS ARTIST SHOP 2019ー最終日

「X’MAS ARTIST SHOP 2019」は本日12月25日が最終日です。
そして2019年最後の営業日でもあります。

ギャラリースペースプリズム、今年も皆様にはたくさんの応援をいただき感謝の限りです。秋にはネット上のトラブルで多大なご迷惑をお懸けしました。ネットが繋がらないのは体調不良なのではないかとご心配をいただきましたが、知識不足からのトラブルはどうにもならずという状態でした。12月に入りやっと新しい体制が整い今に至っております。

これから徐々にホームページやブログを充実させていく所存です。

新しい年は、1月7日(火)から「白士会会員鈴木喜家日本画展ー初空に」で幕を開けます。初日から本来なら定休日の火曜日を臨時営業といたします。

2020年もよろしくお願い申し上げます。

ギャラリースペースプリズム・高北幸矢 章子