御囲章さんの作品は今回の個展ではどれも植物だと思われるモチーフで構成されています。
誰もが架空の植物だと思うはずです。
ある時「植物っぽいものは描くけど、動物って描かないよね。」と尋ねると「確かに飛んだり跳ねたりするような動物っぽものは描かないですね。ただこれが植物だという意識はしていません。もちろん形状として植物らしいとは思っていますが、むしろそれぞれに人格のようなものは意識をしています。人ってどこでも自由に動けると言われているけど、しがらみに縛られたりするし、その土地に根を張るなんて言われます。じっくり腰を据えることをよしとすることも多い。そして案外同じところにいますよね。僕の作品の植物のようなものには土に少し埋まっている根というか足があるイメージなんです。」とおっしゃいました。
確か前回の個展のときも絵の題材は電車の中で見た人だとか公園でおしゃべりしていた人だったりなんだとおっしゃっていました。
具象に見える御囲作品は彼のフィルターを通ることで他人が見たら具象の植物のように見える抽象的な世界ということなのだろうか。
まだまだ謎は解けない。