今回の個展のDMにもなった絵です。
長く花井さんの作品を観続けている方々からは15年くらい前の絵と見た目が似ていると言われることがあります。私自身もそういう印象がありました。
15年という時間は長いのかもしれませんが花井正子という一人の人間が過ごしてきた時間の中で本質的に変わらない何かがあるとも言えるのではないでしょうか。それは進んでないということではありません。彼女は「深化」と言いました。心の奥に留まっているものがどうしても気になりまた自身を見つめ直すということなのかもしれません。
色や形の好みがずっと変わらないということがあるように、心に留まり続けるもの。
見た印象としては地面に巨大な穴があるように見える。それを心の穴とするのはあまりにも短絡的すぎる。空虚というのも違う気がする。これは心象風景だから言葉に置き換えることは難しい。不可能なのかもしれない。でも観る側がどう観るかは自由だ。
さてあなたはこの絵の前で何を思うか。楽しみなことだと思いませんか。