ファッションデザイナー加藤裕之率いるGokiの春物とプリズム所蔵作品のコラボレーション展。絵とファッションで春を感じていただく展覧会。まだまだ今から活躍できそうな冬物もスペシャルプライスで提供です。
しかし、・・・・今年はいつもと様子が違います。
昨年の今頃からCOVID-19で世界中が大混乱となりました。よくわからないままstay homeで暖かくなったというのに社会は止まらざるを得なくなりました。いつもだったら春風に誘われてたくさんの人々が外に出てくるのに必要のない外出はとにかく自粛。目に見えないウイルスを恐れ、烏に荒らされたごみをかたずける人もなく、街は荒廃していきました。
小中学校でさえ数か月休校になり、デパートも食料品売り場以外は閉店。
こんなこと今までに経験したことはありませんでした。
6月にやっと解除になりました。
そんな頃Gokiさんから「自粛を言われたことで2020年秋冬は大変なことになりました。ちょうどあの時期は秋冬物の生地などの材料が生産されるので、今年の分の確保が難しくなりました。なんとかやり繰りしますがいつものようにはできないかもしれません。」と告げられました。材料の確保が難しくなったうえに秋冬にまた感染の恐れ。感染が広がればせっかく作った服を売ることができなくなること。
結果として服のアイテムも数もいつもより少なくしたようです。
Goki展は毎回会場いっぱいに作品が並ぶのですが今年はちょっと少なめです。
展示をしながら私の中で怒りが沸々とわいてきました。
誰が悪いわけでもない。悪人にも善人にも老いも若きも平等に降ってわいてきた今回の禍。怒りの対象はどこにも無い。それでも腹が立ってきました。
この禍は未だ解決しているわけではない。いつもだったら楽しい春を思って作品を選定するのですがそんな白々しい気持ちにはなれず、いつの間にかテーマは「怒りの春」になってしまいました。
Gokiの服はいつも少し毒を持ったクールさが身上だから今年の春には合っているのかもしれない。そして厳しいやり繰りの中で、最高のデザインを見せてくれている。ファッション業界の厳しい状況はまだまだ渦中でアイテム数は今までのようにとはいきませんが、だからダメなデザインをGokiが作るはずがない。エッジの効いたクールさを満喫しに来てください。