
源頼政が妖怪「鵺」を退治した場面です。頼政は名古屋山三郎さんがモデルを務めました。
10年以上もモデルを務めていただいている山三郎さんには本当に勉強させていただいたと水野加奈子さんは言います。
あるポーズをお願いした時彼は「なぜこのポーズなの?このポーズになる前の動作は?そのあとどう動くことになるの?」と質問されました。かっこいいと思ったポーズをお願いした加奈子さんはその時にお願いしたポーズの後先のことは何も考えていなかった。
山三郎さんは役者さんなので何のためにどう動いてきて、そこからどう動いて、どういう結末にするのかをいつも考えて体を動かしています。彼にとっては当たり前の質問だっただろう。それによっては表情も変わるかもしれません。
一方加奈子さんは人物描写も勉強してきてはいますがポージングが動作の一部という概念がなかった。それは衝撃的な一言だったと言います。
以来人物はもちろんのこと動物も妖怪もその絵の前後の様子も想像して絵にするようになったそうです。
画家の意識を変える存在。
「muse(ミューズ)」は芸術を司る女神です。山三郎さんは男性なので女神ではありませんが加奈子さんにとっては「muse」に近いのかもしれません。
山三郎さんにモデルをお願いするのは加奈子さんにとって特別な絵だけです。
気合の入った1点をよく観てください。
