
「百瀬みち代」さんの名前をご存じの方彼女を知っている方はたくさんいらっしゃることと思います。10年ほど前までプリズムで古布の洋服を発表していらっしゃた作家さんでした。本当にセンスのいいデザインを丁寧な仕事で作品にしていました。精力的でもありましたがそのためでしょうか制作には欠かせない手と目を傷めてしまい制作を休止していました。いつか復帰をめざしていらっしゃったのですが病気が見つかり3年前に道半ばであちらに行ってしまわれました。
みち代さんと百瀬博さんはご夫婦です。みち代さんに方が先にプリズムの作家として活躍されていました。博さんは当時別のギャラリーで作品発表をされていましたが、そちらのギャラリーが閉廊になったことがきっかけでプリズムの作家となられたのです。
さて今回の百瀬博さんの個展はみち代さん抜きでは語ることはできません。なぜなら個展の主役がみち代さんだからなんです。
実は昨日から今日のブログを書くにあたってものすごいプレッシャーの中に居ました。なぜならこの個展の真髄をどの言葉で書いたらいいいのか、皆さんに伝わるのか私のボキャブラリーでは書けないのではないかと今も自信がありません。もし薄っぺらな内容だと思われたのなら私の描写力のなさによるものですからお許しください。
前回2年前の個展はみち代さんを亡くされて1年後でした。もちろん今でも深い悲しみの中にはいらっしゃるのですが当時よく筆を取ってくれたものだと思うほどの状態でした。個展の時期はさらに1年以上前に決まっていたのですが延期を申し出られるのではないかと誰もが思っていた中「やります」と言ってくださいました。
もうお別れが近いと悟ったみち代さんは博さんに「あなたは絵描きさんなんだから私がいなくなってもちゃんと絵を描き続けてね。それが私の願いです。」と約束をしたそうです。博さんのことを一番よく知っているみち代さんです。その話を聞いて彼らのことをよく知っている人々はみち代さんの見事なお別れの言葉に改めてみち代さんのすばらしさに感動しました。
そういう中での2年前の個展。
それから2年後の今も博さんの心の中で生き続けるみち代さん。
この「日曜日」という絵を描いている終盤にいつもならもう少し空にしっかり筆を入れるのですがこの状態になったとき「もう描けているわよ」とみち代さんの声が聞こえました。博さんがじっくり絵を見てみるともうこれでいいなと心の底から思えたそうです。それからサインを入れて筆をおきました。
今回の個展はみち代さんと一緒に描いたと博さんは言います。幸せな時間だったようです。
みち代さんは博さんにたくさんの大切なことを置いていってくれたようです。おそらくご家族や周りの皆さんにもたくさん置いていったのでしょう。みち代さんはそういう方でした。
