「描く」ではないー辻將成展

「辻將成展」も明日が最終日となってしまいました。
この投稿が展覧会内容としては最後の投稿となります。

いかにもダンスを踊っている人のように見えるので多くの人は辻作品について「描く」という表現をしていますが、プリズムの投稿の中では一度も「描く」と言う言葉を使っていません。

何度もここで書いてきましたが辻作品はダンスの痕跡を制作しているのであって足や手で描いているのではないからです。

支持体にダンスを踊るためのだいたいの目安となるラインに絵具を置いていきます。ここが唯一意図的に「描く」に近い行為です。

そのあと支持体の上でブレイクダンスを踊る。
痕跡を残すことが辻將成の制作です。

痕跡を残すは、「描く」ではありません。
絵的に美しくしたいのならいくらでももっとドラマチックな画面を作ることができますが、辻さんが思い描いたダンスができたかどうかが重要なので余分な創作はしません。もしそうしたらそれはもう痕跡ではなくなります。

痕跡をどういう方法で残すのかこれからも飽くなき追及は続きます。

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