辻將成さんの制作はまず支持体(描かれるもの)に絵具のチューブから線を絞り出す。
この線は何かを描いたり抽象形態を描いたりしているのではありません。
作品はダンスの痕跡。
ダンスにはステップがあります。どんなステップを踏みたいのかを決めたら、ステップを踏むであろうあたりに絵具を置きます。ところどころいろいろな色も置いていきます。
この過程に随分時間を使っていました。絵具を置きながらダンスの構成を綿密に考えているのだろうことが伺えました。
できあがってしまっている画面からはわかりづらいことだけど、これがブレイクダンスの痕跡を制作する最も重要な場面だと思いました。