サクレクールへの道ー加藤茂外次展

モノクロ写真を見るようにモノトーンのエッチングは観る人の思いを自由に投影する楽しみがある。

サクレクール寺院への思いはパリを旅したことのある人はその日の暖かい思い出を反芻するかもしれないし、音楽好きの人ならドビュッシーを思うかもしれない。

絵、特に風景画はその場所へのそれぞれの思いの違いが作家の思いとは別の感情を生み出すことがある。「場所」に特別な意味はないのだけど、人は特別な思いを持つ。作家だって本当は描いた場所に特別な思いを持っている。それでなければきっと描きはしない。それでも観る側は観る側の思いで観る。それでいいのだと思う。

 

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