モノクロの表現が今回の個展では中心になりますが、モノクロの先に出てきたのこの色使いです。

この絵は黒の下地にオークル(黄土色)のモノトーンで描き進め、エメラルドグリーンを入れ、赤と白を刺して完成させました。

オークルもエメラルドグリーンもモノクロの絵を描く前によく近藤美和さんの絵に登場していた色です。

モノクロになる前の近藤さんの絵が色に溢れていたという印象はありませんが、それでもモノクロ作品は下地の黒と絵具の白しか使わないのだからそれ以外の色はすべて排除したということになります。モノクロで数年制作したことで色に対する整理をしていたのかもしれません。

モノクロを経てまた近藤作品に必要な色を考えた際に再び登場したオークルとエメラルドグリーン。それは近藤さんにとってどれほど必要な色かと思います。

すでに駆け出しと言われる時期は過ぎベテランの域に入ろうとしている近藤美和と言う作家はこれをこう描けばファンは喜んでくれるという経験値はあるはずだけど、それに溺れてはいない。何よりも自分がわくわくしていられるために何が必要でどうしていったらいいのか厳しい目で制作をチェックしているように見えます。

オークルとエメラルドグリーンに何がプラスされていくのか。あるいはこの2色は姿を消すのか。

色だけ見ていても彼女の未来はとても興味深い。

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