「陽に当たり畑の上に浮遊するそら飛ぶ形飽きずに眺める」
この度上梓された銅版画歌集の1ページ目にある版画と短歌です。
同じページに短歌が六首あります。
版画は短歌の挿絵ではありませんのでこの版画と深くつながるわけではありませんが、何だかとてもよく合っているように思います。
版画には2010年と制作年が入っています。短歌がいつの作品なのかわかりません。それでも随分前から空へのあこがれがあったことは推測されます。
しかしなぁ、板倉さんじゃなくてもふんわり雲がぽこぽこ浮かんでいたら一瞬あの雲になりたいと思うよな。浮世のあれやこれや全部なかったことにして浮かんでいたいってみんな思うでしょ。でもそれが一瞬で、そんなこと考えたってしょうがないって現実的になるから美しい言葉が浮かぶなんてことにはならないのよね。そんな人は絶対に空を飛ぶなんてことはできません。
この銅版画歌集のタイトルは「空を飛ぶ方法」
読み終えたら空を飛べるようになっているかもしれないと、密かに思う。