心の解放ー山内寿美展

山内寿美さんが海洋汚染物質を取り込んだ進化をテーマにして2,3年になります。

昨年のコロナ禍が始まったころにはもうこのテーマで作品を発表していたということです。

コロナ禍は世界中の人々の心に重くのしかかりましたが、山内さんとても例外ではなかった。人々はうちの中にこもりなるべく人とは会わないことが最上でした。人は社会的動物でこの行動制限は思いのほか心を蝕むものです。経済的にも不安はどんどん募りました。

作品制作がどれほどの意味を持つのか。

そんな中での作品展示のオファーに彼女の心は徐々に平常を取り戻していきました。

一度取り戻すと、制作は面白くなりどんどん進みます。
初めはドットを描きました。今回の会場にもドットはたくさん出てきます。
「草間彌生を彷彿とさせるね」とはよく言われます。
心の開放に繰り返しはとてもいい。

ドットの延長で丸いプラスチックの頭が付いたピンを刺しました。
プラスチックの頭がドットして魅力的な素材だった。

ドットのための素材だったはずなのに、いつの間にか「刺す」という行為に夢中になっていた。永遠にプチプチを潰すのに似た感覚です。
あれ楽しいですよね。

個展も決まりどんどん作品を作りためてふと作品を振り返ったとき、山内さんは愕然とします。いろんな種類のピンを「刺した」。「刺す」という行為は随分暴力的だ。そんな行為で自分を開放させてきたとはどういうことなのだろうか。

そこから山内さんの内面への追究が始まりました。
[inside]サブタイトルにもしました。

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