「よくこれだけ素材を集めたね!」と多くのお客様がおっしゃいます。
毎日ブログをお読みくださっている方にはもうお分かりかと思いますが、この個展の作品群にとって素材はとても重要です。
一昨日のウール綿を初めとして何点かは天然素材ですが、ほとんどの素材は合成樹脂などの石油を由来とした合成物質です。どれも海洋汚染物質とほぼ同じ素材だと言ってもいいかと思います。
これらの合成物質はなぜできたのでしょうか。
人間にとって使い勝手が良かったというのが一番の理由だったのではないでしょうか。
手軽に形を作ることができたこと。大量生産できたこと。美しくて丈夫だったこと。安かったこと。
ちょっと考えたってこんなに利点が見つかる。きっとまだまだある。
その結果欲深い人間たちはたくさんの物と便利さを欲しがった。より素敵なものが手に入れば以前手に入れたものを簡単に手放す。
海洋だけでなく環境の破壊は止まらない。
だからこそ山内寿美の妄想は生まれた。
汚れた地球環境を進化の糧にすると。
そうなればいい。そうなるのかもしれない。ならないのかもしれない。
彼女の妄想をあざ笑うことなんてできるだろうか。