右が版木で左が作品です。
この版木1枚で作品を制作していくのですが、版木は最後の色を入れた版しか残りません。この作品だと、最後のこげ茶の版ということになります。
版木を何度も彫って刷るを繰り返すのに、気持ちの勢いが変わらないことの凄さ。
御囲さんは最後まで変わらないという自信があるものしか彫り始めない、と言います。そのくらい自身がそのアイデアが刷り上がったところを見てみたいということなのでしょう。
最後の版だけ見ると、そんなに緻密なことしてるって思えないな。そんなこと言ったら、御囲さんに叱られそうです。「だから最後の版ってカスみたいなものなんですよ。見てもらってもね。と言ったじゃないですか。」その意味がわかってきました。
制作の情熱は人知れず。
出来上がった作品だけがものを言う。
それでも版木の存在は知りたいし、見せたいというプリズムのわがままを聞いていただきました。