オルレアンのJD-加藤茂外次展

「・・・JD」って何?
加藤茂外次さんは「女子大生」と寒いギャグを飛ばしていますがそんなわけはなく「ジャンヌ・ダルク」です。

馬に乗って凛々しく戦いに赴くジャンヌ・ダルク。
気高い心を持つ人をその当時の絵のようにエッチングで制作しました。

エッチングは私の浅い知識では銅板をニードルで線を彫ってその溝にインクを入れて紙に刷って版画にする。簡単に言えばそういう工程です。

そう、浅い知識ならそんなところなのだけど、それなら線だけの表現になるはずです。ところがよくよく見るとニードルの線では説明のつかないところがいっぱいある。一番わからないのがクレヨンで描いたような部分がある。

先ほど溝にインクを入れてって書いたけど、溝を腐食させて深さを調節することも版画の世界では技がいるらしい。
銅板だから酸に漬けて腐食させるのだけど、酸が付かないようにカバーすればそこは腐食されないということになる。建築用のクレヨンで描けば描いたところは腐食されないのでインクが入らず白く残る。白のクレヨンで描いたように見えるというわけです。これは他にもやっている作家がいるかもしれないけれど、一応加藤さんが独自に開発した技なのだそうです。
馬のお尻のあたりがその技で表現した部分です。よく見てください。

う~ん!

まだまだこれなんだろうがきっとでてくるんだろうな。

陽光・ヴィエステー加藤茂外次展

ヴィエステはイタリアの街です。
加藤茂外次さんはコロナ前にはヨーロッパにたびたび出かけ取材をしていました。今回の個展ではそんな旅先でのスケッチがたくさん出品されています。

この作品はDMに使われていますので、今回の顔ともいえる作品です。

技法はウォータレスリトグラフ。リトグラフは版を作るとき「彫る」ということをせず描くのとほとんど変わらない線が表現できます。そのなかでウォータレスはまた最近開発された簡易な方法なのだそうです。簡易と言ってもそれまでのように水を大量に使わないということでやっぱり子供でもできるということではありません。

作品を観ていると、鉛筆やフェルトペンで描いてあるように見えます。線が活きていると言われる所以です。
ラフなタッチが旅先の高揚感をさらにリアルに伝えてくれます。

コロナの不安も少し癒えてきましたので、こんな異国の地に身を置いてみたい気分になりますね。

加藤茂外次展ー風の行方23

プリズムでの個展も3回目になりました洋画家であり版画家でもある加藤茂外次さんの展覧会です。プリズムでは版画を発表してくださっています。

加藤さんの技法は多岐に渡っていまして、木版画もシルクスクリーンもエッチングもリトグラフも・・・・、どれもできるし、どれも制作します。
今回は2つの技法で構成されています。エッチングがほとんどでリトグラフが2点ほど入っています。

いくつかの制作ポイントは日々のブログで紹介します。お楽しみに。

また、ほとんどの日加藤さんが在廊しますので是非直接お話をお聞きすることをおすすめいたします。

作家在廊日
11月23,24,25,26日12月1日      13:00-18:00
11月22日                  13:00-17:00
12月2日                 14:00-18:00
*11月27日のみ在廊できません。

11月25日(土)午後5時からギャラリートークをいたします。人数制限はありません。できましたらマスクなどご用意いただけると嬉しいです。

下駄ラボ・cocco+・滄空ーきものクリエーション3

着物生活では着物だけ持っていても着ることができません。
帯やら帯を締めるための帯揚げや帯締めも必要になります。履物も現代に暮らす人々にとって一般的な靴ではだめではないけれどそれはイレギュラーなこと。

確かに洋服が基本の現代人にとって着物を着るには各種のハードルを越えなければならないことは事実です。

まあここは楽しむしかない。ダメなことを数えるより楽しいことを思うことの方がいい。

こんな着物ならこんな下駄が素敵。
こんな帯ならバッグはこれがいいかも。
この着物と帯なら帯揚げにこんな色を持ってきたらスパイシー。

なんて着物生活を彩る「ぴんぽんまむ」の仲間たちも展覧会に出品してくださっています。下駄Lab.・cocco+・滄空のみなさんにも注目してください。

Hanyi-yaー石川真海きものクリエイション3

昨年も出品してくださいました一閑張バッグのHanyi-yaさん。

篭バッグを分解して和紙を張り込み作ります。一番上の浮世絵がポイントです。浮世絵だけでなく古いマッチを張り込んだものもありますが、いずれも古いものを使っていますから素材集めも大変です。

今年は無地のトートバッグ状のものも新作として予約販売しています。

軽くて水に強いのがウリです。

男性にはアタッシュケース型のバッグが人気。

11月15日は着物の日ー石川真海きものクリエイション3

今日11月15日は「着物の日」です。
関係者のみなさんと着物で記念写真を撮りました。

着物は日本の民族衣装です。
現代の生活の中では少し日常着としては絶対便利とまでは言えませんが、これほど生活から遠ざけられるのも残念な気がします。

ぴんぽんまむの石川真海さんはきものスタイリストです。
洋服のスタイリストならブティックから洋服や小物を借りて撮影に臨むのですが、着物の場合は既製品というものがほとんどないので着物をストックしなければなりません。新品をストックするのは大変なのでアンティークや中古をストックしているそうです。ストックしてはみたもののやっぱり使えなかった、あるいは使ってしまったので別の仕事には使えなかったりという理由で今回も格安で販売しています。今では全く作れない素材もその中にはたくさんあります。そういうものを見るのも楽しい。

せっかくの文化や技術を次に伝えることもこの展覧会ではしています。

スタイリングドキュメントー石川真海きものクリエイション3

土曜日の夕方のことでした。この展覧会は土日曜日午後5時までの営業でそれ以降別のイベントが入っていました。声楽家のすずきさあさんが来廊してくださいました。

「明日日曜日午前中のイベントにぴんぽんまむスタイリングで歌いたいのですが相談にのってください」とおっしゃるのです。

どうなることかと固唾をのんで事の成り行きをその場にいらっしゃるみんなで見守っていました。

さちあさんと石川真海さんはこの時初対面。

石川さんさっと3点ほど着物を出してきて「このあたりでお好きなのはどれですか」と。さちあさん少し迷ってはいましたが1点を選びました。それはアンティーク着物なので長さは足りません。どうするのかな?

「明日白のフリルのついたブラウスに黒のタイツとハイヒールで来てくださいね」と最後に打ち合わせをしてさちあさんにはお帰りいただきました。

さちあさんのキャラクターも知らないので石川さんとしてはきっとドキドキだったはずです。

日曜日朝9時30分ギャラリー。
45分後。
ブラウスを中に着て着物を短めに着つける。帯は矢立て。
何てかっこいいんだろ。

きものスタイリストになる前からずっと洋服のスタイリストとしてスタイリングは百戦錬磨。与えられたお題にはちゃんと応えられるのがプロフェッショナル。

凄いものを見た。これはドキュメントするのがプリズムの使命。

靜和ー石川真海きものクリエイション3

今回の「石川真海きものクリエーション3」でも着物周りの小物を作る作家さんたちにも出品していただいています。

「靜和(じょうわ)」もその一人です。
和装銀小物を制作する作家さんです。
今回は「赤」をテーマにした根付と帯留めを制作してくださいました。

達磨の赤、紅葉の赤、鳥居の赤・・・。
逆さ「福」は中国の目出度い物。
「福」が降ってくるイメージです。中国では赤で書きますね。

それぞれの作家さんの「赤」へのこだわりも見てください。

近藤美和コラボレーション着物ー石川真海きものクリエイション3

前週の近藤美和さんの個展でも紹介しましたが、近藤さんの作品が大好きな石川真海さん、去年の帯に続き今年は着物をプロデュースしました。

黒い無地の着物に近藤作品をシルクスクリーンプリントで染めました。

2年前に近藤作品に出合った石川さん。もうひとめぼれ。
どうしたらコラボレーションできるかといろいろ考えたり調べたりした結果この方法なら着物や帯にできることがわかりました。

新作は2点。
お客様の体形に合わせてお創りします。ベースの着物は中古ですので基本的には40,000円。昨年発表した帯も参考作品として会場に置いています。そちらも見てください。

*この展覧会は土日曜日は午後5時までの営業です。

 

チャレンジー石川真海きものクリエイション3

舞妓さんや芸妓さんの衣装や舞台衣装は一般の着付けとはまた違っています。
きものスタイリスト石川真海さんは昨年よりそちらの勉強も始めました。

着物の着付けは奥が深い。
その奥を知ることでスタイリングの幅はまだまだ広がる。
還暦を過ぎてギアを入れ替えるにはそういうチャレンジの心は必要です。

だからこれは気合の舞妓スタイルなんです。
着物はお引きずり。裾には綿が入っています。
帯はだらりの帯。
だいぶ年季の入った衣装です。
着物も帯もきれいに垂れ下がるようにという工夫なのかとても重い。
これをしっかり着つけるには相当な力も必要でしょう。

ジムで筋力も鍛えているとか。
チャレンジとはそういうことなんですね。

*今回舞妓衣装は「北徳」さんのご厚意によりお借りしました。

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