栄えて久しいー御囲章木版画展

この個展の搬入の日、作品の梱包を解いて続々と作品の全容が見え始めたとき、今までと何かが違うと思いました。そもそも自分の目のピントが合っていない気がしたのです。

ピントが合っていないように思ったのは飾りつけが始まって1時間もするとすっかり忘れてしまうほど気にならなくなりました。

こんな経緯を話すと、「この絵に限って言うと、黄色に白を混ぜて黄色の強さを押さえたんです」と。

他にもあって今までとは違う見え方になったのは今までとは違った仕上がりになる工夫があってのことだったのです。

少し柔らかい仕上がりになった。

御囲章さんの作品はコントラストの強さがこのくらいという過去の私の中でのデータがそう見ようとした結果ピントが合わないような気がしたのでした。

柔らかい仕上がりにしたのだから知っていたくっきりさになっていないのはあたりまえのこと。黄色に少し白を入れたのもそう見せるための工夫だったということです。

何ゆえに?

くっきりしすぎているのではないか。一度柔らかい表現にしてみようと思ったから。で、それは御囲さんにとって満足できたのだろうか?そのあたりについては明日以降深堀したいところです。

日々色々有るー御囲章木版画展

植物由来のモチーフだけど御囲章さんは決して植物を描きたいわけではないということは前回も前々回もブログに書いてきたので記憶されている方も多いことと思います。同じことの繰り返しなんだけど、彼の作品を観るにあたって基本的なことなのでもう一度書きます。

この作品で表しているのは人と人との関係性なんです。
人と人とは分かり合えるようで微妙に違いがあったり、分かり合おうとしたり。そもそも分かり合おうとしている人とそれに拒否的であったり。なかなか一筋縄ではいかないものなんです。

人と人が関わり合うということは膨大なエネルギーを必要とします。
植物の生長のエネルギーと人と人の関りのエネルギーを重ね合わせて表現しているのだそうです。

そして人は植物と違って自由に動けるというけれど、本当にそうだろうか?
人の心なんてそれほど自由ではないのではないかという思い。植物とそう変わらないのではないかという御囲さん的見方で制作を続けているのです。

そのあたりのこと明後日10月20日午後2時からのアーティストトークで聞いてください。お待ちしています。

御囲章木版画展ーなんとかなってる

一版多色刷り彫り進め技法の御囲章さんのプリズムでは3回目の個展です。

植物由来のモチーフでモリモリムクムク旺盛な生命力を感じる作品群。
御囲(おかこい)さんの心の中で熟成されているものは何なのか、どこへ行こうとしているのか。興味深い個展になっている。

さて御囲の森のどれだけ個展期間中に解明できるのか皆さんも楽しみにしていてください。

会期中全日程御囲章さんは在廊します。

10月20日(日)午後2時からギャラリー内にてアーティストトークも開催します。(予約不要・入場無料)是非お出かけください。

ストール!ストール!ストール!ー最終日

「ストール!ストール!ストール!」は本日最終日です。
今年の秋冬もストールで暖かくおしゃれにお過ごしください。

次回は10月17日(木)より「御囲章木版画展ーなんとかなってる」です。
10月20日(日)午後2時よりギャラリー内にて御囲章のアーティストトーク(予約不要・入場無料)も開催します。是非お出かけください。

勢ぞろい―ストール!ストール!ストール!

今日は4人の出品者が偶然ギャラリースペースプリズムに居合わせました。
それぞれの作品を身に付けていただきました。

壁に飾っているのと違って作品が活きてきます。

明日最終日です。こんなストールたちに会いに来てください。

林孝子・溝渕美穂・よしだ律―ストール!ストール!ストール!

ストールを落としたことがあるという方案外おおいのではないでしょうか。かく言う私も過去に落とした経験があります。とんでもなく寒い日ではなかったのでコートからするっと落ちたことに気づかなかったのです。当然どこで落としたのかもわからず探すこともできなかった。気に入っていたものだけに残念な思いは10年以上もたつ今でも思い出す度心が痛い。

ブローチでちゃんと止めておけばよかったと後悔。
それでそんな思いをしないようにブローチの提案も今回はしたのです。
ストールを留めるのだから留め金は長めのほうがいい。ブローチだって大きなストールに負けない存在感があったほうがいい。そんないくつかの提案を持った3人の作家林孝子・溝渕美穂・よしだ律の作品もお楽しみいただきたい。

ガラス作家の林孝子さんは光沢のあるきれいな色のガラスが冬色の中で光ります。
イラストレーター溝渕美穂さんは絵の感性をブローチに。厚紙を切り出し色を塗りブローチに仕立てたあとに漆をかけ、軽くて丈夫に仕上げました。
革ブローチの作家よしだ律さんはたくさんの素材を集めることから制作は始まります。今回はクモの巣柄を型押ししたものやカボチャをイメージした色の物などを組み合わせハロウィンを演出しています。

ストールにで参加したおおざる工房さんサノエミコさんもオリジナルのブローチを出品しています。

ブローチもチェックしてみてくださいね。

かとう素こ―ストール!ストール!ストール!

古布でストールを作ってくださったかとう素こさん。
体調不良でしばらく作家活動から遠ざかっていましたが、作家復帰第一作です。

昔は妊婦さんが晒し木綿の反物をお腹に巻いて赤ちゃんを保護したものですが今どきはそんなことをなさる方は随分少なくなりました。反物状だとうまく巻けないのだけどバイアスにたたんで縫っておくと巻きやすくなったそうです。
そんなことを思い出してストールもバイアスに縫ったら体に添いやすいのではないかと素こさんは考えました。

何種類もの古布をパッチワークのように繋げてからバイアスにたたんで縫う。
絞りと大島紬や銘仙など違う布を縫い合わせるのは布の伸び方が違うのできれいに縫うのは骨が折れます。丁寧な仕事です。

ストールの端に羽織紐を付けました。おしゃれです。その重みでストールが落ち着いてくれるのも効果的です。

momij―ストール!ストール!ストール!

フェルト作家momijiさんのストール。
既存の布にウール綿をフェルト化させて馴染ませストールにしています。

「ストールって落とすよね」とか「ストールってせっかくきれいに巻いたのに崩れるよね」とかみなさんがお困りになっていることを工夫しごて落とさない崩れないストールを作ってくれます。それでいてご自分の世界観はちゃんと出している。すごいなといつも感心します。

今回もジレ型のストールが出ていますが、これも皆さんの声に応えての作品です。

襟のようなオーガンジーを使った短いストールも人気です。

おおざる工房―ストール!ストール!ストール!

陶芸家のおおざる工房さんは雑貨の名手でもあります。
ただし精神的には雑貨は本業ではなくあくまで趣味に限りなく近い。それだからといって制作に手は抜きません。むしろ好きなことだからこそつい理想を追いかけてしまうようです。

おおざる工房の雑貨の中にフェルトで動物をパーツとして作ったものがあります。完成品を観るとすこし緩めのキャラで「理想」などという小難しさを微塵も感じさせません。まさに汗を見せない仕上がりと言うことでしょう。案外大人のファンが多いのはそういうところなんだと思います。
ストールにゆる可愛いキャラはまさにアクセサリーです。

本日より通販もいたします。
下記よりお問い合わせください。
withsns.prism@gmail.com
052-953-1839(営業時間のみ)

蒼空―ストール!ストール!ストール!

絞り染め作家の蒼空さん。
綿の布に絞りを施しストールに仕立てました。

これからの季節ですが、綿素材は一年中重宝します。
ウールにはアレルギーが出てしまう方にはこちらをおすすめします。
薄手の綿生地を何枚も重ねるように折りたたんだり捩じったりして巻いていただくと空気の層が何層もできて暖かく過ごせます。
今年のようにいつまでも暑い時はまだまだ汗取りとして日よけとしてお使いいただくのもいいですね。

丁寧に細かい絞りの手仕事からなる絞りの部分は華やかでアクセサリー的な見え方もしてくれます。

伝統の技を今どう使っていくのかどう残していくのか、ストールは絞り染めが今に生きる1つの道であることは間違いないと思います。

明日10月7日(月)16:00-18:00蒼空さん在廊することになりました。