光のシャワーを浴びるようにー建部弥希全面絵画展

ギャラリー空間に入るとたくさんの「全面絵画」に囲まれたような錯覚に陥る。

建部弥希さんが描くのは「光」
四方八方にある絵からその光が私たち観客を包んでくれる。

建部さん自身はここでインスタレーション作品を発表しているという自覚は無いので「インスタレーション」という言葉を観客から聞くのは意外な気がしているらしい。

しかし、「光」を描くにあたって上下左右ないのだから6面全部がつながる絵にしたということは見る側からしたらいろんな角度から光を感じる、つまり光のシャワーを浴びるいう感覚になるのは制作意図が正確に伝わったということになりはしないだろうか。

「全面絵画」はまだ始まったばかりです。
これからどう変わっていくのか。彼女自身もまだまったく道筋が見えていない。
でもここで終わりではないことだけは予感されます。

美しいー建部弥希全面絵画展

「建部弥希全面絵画展」ではほとんどの来場者が「きれい!」と言う。
色と空間の美しさに多くの方が感動してくださる。

それはとても嬉しいこと。
「全面絵画」を読み取ってくれているのだろうかと、不安もよぎる。

これは新しい絵画の解釈から作られた作品。
それを瞬時に理解してもらおうなどともしかしたら大それた考えなのかもしれない。

「この作品が好きだ」と思ってもらえることは大切なこと。そういう意味では大成功なのだと思う。

今日で会期の前半が終わる。
一石を投じることは面白いが困難なのだと実感している。

「この展覧会観にきてよかった」と思っていただけたら「全面絵画」は今日じゃなくてもいつかはわかっていただけるはずだ。

什器も全面絵画のためにー建部弥希全面絵画展

全面絵画を鑑賞していただくために鑑賞台も用意しましたが作品を手に取ることを躊躇する方もいらっしゃいます。そんな方にもわかっていただけるように展示什器は透明アクリルを用意しました。

この什器、少し高い位置にも設置しています。
下から見ていただくことで全面絵画の特徴をご理解いただくためです。
吊るす展示も同様の理由からです。

特注の什器は整然とした空間を作り別の魅力も発揮していますが、建部弥希さんただただ全面絵画を知っていただくために工夫を凝らしたまでです。

什器も吊るす展示も「伝える」ということをピュアに追求した結果なのですが、雑事を排除すると美しさが付いてくるってことですね。

光を描くー建部弥希全面絵画展

今回出品されている作品1点の1つの面だけを写真に撮ってみました。
建部弥希さんの作品を観続けているファンの方には見慣れた画面かと思います。

建部さんはこのところずっと「光」がテーマです。
もちろんこういう色に見えているわけではありません。色の組み合わせに置き換えたらこんな印象といったところです。
あれ?どこかで聞いたような話。
そうモネが光を描きたくてその印象を絵にしてきた流れにとてもよく似ています。ある意味印象派の流れの中に建部さんはいます。

「光」に前後左右はありません。
普通にキャンバスに描いているときもいわゆる正面を描く続きとしてキャンバスの横や上や下も描く。
それならばその続きにその向こう(正面からしたら裏)も描きたい。
建部さんにとっては自然の流れだった。

そうなると6面のどこが正面という概念がなくなる。

それが「全面絵画」誕生のヒストリー。

視点を変えるということー建部弥希全面絵画展

本日営業時間前に記録用の動画撮影をしていただきました。
カメラマンは事前に今回の作品のコンセプトをお知らせしてあったのですが、現場にいても撮影方針が定まらないと苦心していました。

「全面絵画」であるということを動画にするのはかなり難しい。

どの面が正面ということもなく、上下左右という位置関係もない。そして都内合った面は絵として続いている。それを動画にして理解していただくにはどうしたらいいのか。

それはこの会場に来て初めてこの絵画に出会った人がこの絵をどう解釈したらいいのか戸惑うことと近い。撮影者には作家の意図が分かっているのだけど、それを伝えることの難しさ。

新しいものの見方考え方をどう伝えるか。
そのために展示にも工夫をしたのだけど、空間の美しさに目を奪われてその意図が伝わらない場面もあった。

これは絵画という分野の新しい解釈、現代美術でもある。
言葉の介添えが時として必要になる。
建部弥希本人が書いたテキストも読んで欲しい。そうしたら新しい何かがみえてくるはずです。

登龍亭獅篭展4-最終日

「登龍亭獅篭展4」は本日最終日です。(午後5時まで)
いつもとは違う空気がギャラリーに流れていたように思いました。
限りなく演芸場チックな演出とお客様が新しい風が吹いてきたようでした。

次回は6月29日(木)から「建部弥希全面絵画展」です。絵画の概念を作家の厳しい目で検証しつつ制作した全面絵画とは何か。新たな視点を確認していただきたい展覧会です。

REAWA5ー登龍亭獅篭展4

第一回目の登龍亭獅篭展を記念して「令和少女」が誕生しました。
今年は令和5年なので「REIWA5」シリーズになりました。

「REIWA5」では実在の名古屋のアイドル「イヒ屋ねこ〇」ちゃんと「セロリ」ちゃんがモデルです。

なんと「イヒ屋ねこ〇」ちゃんは落語のできるアイドルなんです。明日の落語会で一席落語をやってくださるそうです。楽しみですね。

「REIWA5」シリーズは絵のほかにTシャツにもなっています。

メインは色紙絵ー登龍亭獅篭展4

梅雨の晴れ間が続いていましたが、今日は朝から雨。
起き抜けに「今日は一休みの日かな」と思っていたのにずっとお客様が続き嬉しい1日になっています。ブログを書く時間もなかなか取れないくらい。

よく考えたらメインのネタ絵の紹介が少ない。
今日は写真だけでも多めに投稿しておきます。

以上。

紺屋高尾ー登龍亭獅篭展4

たくさんの落語の中で「紺屋高尾」は登龍亭獅篭さんの十八番です。

獅篭さんにとって大切な話の1つですから、絵も他の色紙絵と違って和紙にシルクスクリーンで刷って手で彩色した特別バージョンです。

シルクスクリーンで刷ってありますが木版画風に描いた原稿を版にしています。
なかなか凝った作り。限定3枚しか制作していません。手彩色ですから、色も少しずつ違っているのがまた魅力的。すでに2点は予約されていますのであと1点のみの販売です。

花魁(おいらん)も禿(かむろ)も獅篭さんが大好きな猫、それもかわいくて別嬪さんの猫です。赤とピンクが吉原の華やかさを演出していますが、優しい色味なので飾っておきたくなる絵でもあります。