メタモルフォーゼー高木伸彦かけるやきものⅡ

この展覧会では1回目から2回目という時間の流れの中で「形」「作家本人」「時間」などメタモルフォーゼは色々見えてきます。

会場のメインは桜の舞い散る様子でまさに今現在なのですが正面の壁の反対側にあるのが濃いピンクのハートです。ちょうど半年ほど前11月ごろは山茶花の季節。これは山茶花の花びらが舞い散る様子を表しました。実際の山茶花の花びらはもう少しハートを長くした形なのだそうですが、リアリティよりお皿としてのバランスを考えてこの形にしました。

自然も時間の流れの中で同じ様子を見せ続けてはいません。季節は一気にではなくいつの間にか変わっていきます。それでも半年前とは全然違うということを展示してみました。

千鳥から始まったー高木伸彦かけるやきものⅡ

1年3か月前の髙木伸彦さんの初個展は「千鳥」のお皿を会場の壁にたくさん飛んでいた。そこが髙木さんの陶作家としての原点でもある。

千鳥が花びらに見えた。千鳥は花びらに変わるんだ。

そこから2回目の個展は始まる。
1回目があったから2回目がある。

時間は流れるもの。流れる時間の中で67歳の髙木伸彦自身もまだまだメタモルフォーゼする。

*蛇足ではありますが、今回の「千鳥」はまた新たに手掛けたもので前回展示した作品ではありません。

会場構成も見てくださいー高木伸彦かける器Ⅱ

時間は移ろう。
自然の時間も時々刻々。髙木伸彦さん自身も日々変わっていく。

今現在は春爛漫桜が咲き誇る季節の真っただ中。
そんな季節を髙木さんはやきもので表した。
でもそれは一瞬のことだと思うからこそ、こんな演出を会場で試みた。

種明かしは明日からゆっくりと。

Goki &Artists 2026 Spring-最終日

日を追うごとに春めく会場の変化をお見せしたかったのですが、春物は初日に2点最終日目前の昨日やっとまた2点合計4点しか見ていただくことができませんでした。大変残念ではありますがこれからも作家側やギャラリー側の不手際ではなくこういうことが起きかねません。それでも私たちは皆さんに何が提供できるのか大きな課題をいただいた会期となりました。

本日最終日ですが、午後5時までは全力で最後まで皆さんに楽しんでいただけるようお待ちしています。

次回は4月2日から高木伸彦さんの焼き物の展覧会「花埋み」です。4月5日(日9午後1時30分より会場にてアーティストトーク(参加無料・予約不要)も開催します。是非お出かけください。

秘密兵器ーGoki & Artists 2026 Spring

昨日の雨には震え上がりました。寒いのが本当に苦手なんです。
そんな私の秘密兵器が薄手のインナーダウンです。
軽くて薄くて丸めれば15㎝くらいの袋に入ってしまいます。折り畳み傘くらいのサイズなのでこの季節(4月中旬くらいまで)には手荷物の中にほぼほぼ持ち歩いています。もう10年以上も使っているでしょうか。折り畳み傘より断然軽いです。

Gokiの服にはコート類も80%以上裏地がありません。だから必需品なんです。

今年はもう手に入れるのは難しいかと思います。来年もし覚えていたら気にしてみてください。ちなみにインナーダウンはGokiブランドでの扱いはありません。ダウンは国内で縫製できる設備はごくごく少ないそうです。国内の縫製で目の届く管理のための方針です。

今日の帰宅時はもちろんインナーダウン着用で帰ります。

来週こそはーGoki & Artists 2026 Spring

相変わらず冬っぽいプリズム内です。
明日明後日(3月23日24日)は休廊日ですが、来週になったらやっと春物のカットソーが納品されると連絡がありました。トラブルなく予定通りに動いてくれることを祈るばかりです。

ドキドキしているのはGoki社が一番だと思います。
ファッションの展覧会で日本の将来をこれほど憂うことになるとは思いもよらないことでしたが、世の中の動きや構造を少し深堀することは大事なことです。誰かが何とかしてくれるでは済まされない。それなら自分はどうするのか常に考えることでより良い生活ができるのだと思います。

現実は後継者不足なんて氷山の一角で物価高・天候の不順・そこまで迫っているかもしれない戦禍・・・。
心潤うちょっとしたことにこれからも目を向けていきたい。

春色コーディガンーGoki & Artists 2026 Spring

春分を過ぎ日差しは日増しに力強くなってきていますが、この時期の温度変化には気が抜けません。窓越しの日差しを見て外へ出てみると今日もそうでしたが、空気が冷たかったりします。気軽に脱いだり来たりできるアイテムは必携です。

ここ数年コートとカーディガンのいいとこどりにようなコーディガンをよく見かけますが、今日ご紹介するのはまさにコーディガン。

グレーと水色のダブルフェイス仕上げのニット素材は柔らかく暖かく重宝しそうです。しかもパステルカラーの水色が春っぽくて優しい色です。
少し袖が長めなのは折り曲げてこの色を見せるための仕上げ。

このデザインはこのほかにチャコールグレーと生成もあります。お値段がスペシャルプライスなのも嬉しい。

仕立ての良さを見るーGoki & Artists 2026 Spring

コットンのテーラードジャケットの裏です。
通常ブラウス用に織られた綿の平織りの布でできています。ブラウスのように着ていただきたくて裏地は付けてありません。

通常布端はロックミシンで仕上げてありますが薄地のバイアステープで端を包んであります。無骨なロックミシンと違って丁寧な仕上がりなので羽織ったジャケットを脱いだ時に美しい仕上がりに高級感が見えます。

こういう通常見えないところにGokiは拘っています。
長く着続けられる理由でもあります。

Gokiの服はYhoju Yamamotoに比べたら半額から三分の一の値段ではありますが、ファストファッションにような激安ではありません。
丁寧に扱えば30年も着続けられるのにはそれなりの理由があります。こういう仕上げをしてくださる職人さんへのリスペクト無くしては成り立たない仕事。
着てくださる方々への感謝を形に表すデザイン。

会場でそんなところも見ていただけたら嬉しいです。

4つのブランドーGoki & Artists 2026 Spring

現在Goki社には4つのブランドがあります。
一番上のタグがGoki(加藤裕之)さんのオリジナルブランド。あとの3つは後進デザイナーが担当するブランドです。

Gokiさん亡き後Goki社社長の松岡哲史さんは、Gokiさんがキャドに残したパターンを世の中が受け入れてくれる限り素材を変えて復刻しながら若いデザイナーのデザインとともに世に出していこうと決断しました。
その決意を聞いたとき、プリズムもできるだけサポートしていくことを決めました。

「プリズムが服を展示するのは絵だけで勝負できないからなんでしょ?」と言われたことがあります。悔しかった。この言葉はGokiデザインの本質を見てくれていないこととともに、他のプリズムの作家の皆さんを侮辱する言葉でもありました。また、ファッションを随分下に見ているよという宣言でもあります。

作品は最終的にそこにあるものが全てなのかもしれませんが、出来上がるまでの過程にそれはそれは尊い人の心の葛藤や愛があります。ファッションデザインだって他の作品の制作とその点において変わりはありません。ましてやGokiさんのように流行りの形を追って服作りをするのではなく、自分が理想とする形を追求しながらスタッフの生活が成り立つぎりぎりを見極める。

そのために縁の下で歯を食いしばった松岡さんの深い愛があってこそ美しい服を皆さんに届けることができたんだと信じています。

松岡哲史さんのことーGoki & Artists 2026 Spring

プリズムにGoki(加藤裕之)さんの作品を運び込む前にGokiさんに「車椅子のことはみなさんにつたえていいのかどうか」1度だけ聞きました。答えはNO。それからGokiさんが現役で仕事をしている間は公にそのことを伝えることは全くしませんでした。そのハンディを逆の武器にしたくはないのだとわかったからです。

この世にもういないGokiさんだけど、そのデザインは彼の境遇が悔しくて一緒に彼のデザインを世に出そうと奮闘努力した松岡哲史さんなくして実現できなかったはず。この物語もGokiデザインとともに伝えたかった。モノに宿った魂の叫びがあるはずだから。それにはGokiさんが背負っていた境遇も公にしないわけにはいきません。松岡さんに相談するとOKが出ました。

松岡さんは飄々とした人です。現実の無理難題は当然のこと、Gokiさんが抱えていた精神的な負担も全部背負ったはずです。個展が決まるとGokiさんはできる範囲内で最大限の「美」を追求しました。頭脳はGokiさんだけど動くのは松岡さん。Goki社はまだ立ち上げて2,3年目。今思うと私も若気の至りで松岡さんの負担のことなど考えの外でした。

個展会場はYhoji Yamamotoの店舗内のよう。Yhojiさんを追いかけていたGokiさんがまだ30代で追いかけるだけで精一杯だったんだと思います。あんな展示助っ人がいたとはいえよく1日でやったなと今も思います。

当時Goki社のスタッフはGokiさん松岡さんを入れても3,4人だったと思います。今だって5,6人です。まだ立ち上げたばかりの会社だから顧客から連絡があればすぐにでも駆けつけなければいけない。とても会期中誰かが会場にいるなんてとても厳しい。結局Goki展は1年で辞めることになりましたが、今回のような展覧会には協力は惜しまないと言っていただき30年もお付き合いいただいています。

私の中では簡素ではあるけれど手作りのファッションショーが個展の中でいつか開けるようにいろいろ画策していましたがとうとう叶いませんでした。

この絵はGokiさんの似顔絵です。松岡さんが描きました。よく似ている。ね、Yhojiさんみたいでしょ。2年ほど前にカットソーにプリントして売り出しました。松岡さんもモード学園でファッションを学んだ人です。卒業後はアパレルメーカーの営業で経営手腕を磨いてきたのでGoki社を立ち上げ運営できたのですね。

「もうワシあかんわ」って何度も松岡さんの口からでましたが、そっからが松岡さんの強さが発揮されます。
短い冬に職人さんの後継者不足に、泣きたい日々のはずですが、松岡さんは負けない、これからもずっと。