秘密兵器ーGoki & Artists 2026 Spring

昨日の雨には震え上がりました。寒いのが本当に苦手なんです。
そんな私の秘密兵器が薄手のインナーダウンです。
軽くて薄くて丸めれば15㎝くらいの袋に入ってしまいます。折り畳み傘くらいのサイズなのでこの季節(4月中旬くらいまで)には手荷物の中にほぼほぼ持ち歩いています。もう10年以上も使っているでしょうか。折り畳み傘より断然軽いです。

Gokiの服にはコート類も80%以上裏地がありません。だから必需品なんです。

今年はもう手に入れるのは難しいかと思います。来年もし覚えていたら気にしてみてください。ちなみにインナーダウンはGokiブランドでの扱いはありません。ダウンは国内で縫製できる設備はごくごく少ないそうです。国内の縫製で目の届く管理のための方針です。

今日の帰宅時はもちろんインナーダウン着用で帰ります。

来週こそはーGoki & Artists 2026 Spring

相変わらず冬っぽいプリズム内です。
明日明後日(3月23日24日)は休廊日ですが、来週になったらやっと春物のカットソーが納品されると連絡がありました。トラブルなく予定通りに動いてくれることを祈るばかりです。

ドキドキしているのはGoki社が一番だと思います。
ファッションの展覧会で日本の将来をこれほど憂うことになるとは思いもよらないことでしたが、世の中の動きや構造を少し深堀することは大事なことです。誰かが何とかしてくれるでは済まされない。それなら自分はどうするのか常に考えることでより良い生活ができるのだと思います。

現実は後継者不足なんて氷山の一角で物価高・天候の不順・そこまで迫っているかもしれない戦禍・・・。
心潤うちょっとしたことにこれからも目を向けていきたい。

春色コーディガンーGoki & Artists 2026 Spring

春分を過ぎ日差しは日増しに力強くなってきていますが、この時期の温度変化には気が抜けません。窓越しの日差しを見て外へ出てみると今日もそうでしたが、空気が冷たかったりします。気軽に脱いだり来たりできるアイテムは必携です。

ここ数年コートとカーディガンのいいとこどりにようなコーディガンをよく見かけますが、今日ご紹介するのはまさにコーディガン。

グレーと水色のダブルフェイス仕上げのニット素材は柔らかく暖かく重宝しそうです。しかもパステルカラーの水色が春っぽくて優しい色です。
少し袖が長めなのは折り曲げてこの色を見せるための仕上げ。

このデザインはこのほかにチャコールグレーと生成もあります。お値段がスペシャルプライスなのも嬉しい。

仕立ての良さを見るーGoki & Artists 2026 Spring

コットンのテーラードジャケットの裏です。
通常ブラウス用に織られた綿の平織りの布でできています。ブラウスのように着ていただきたくて裏地は付けてありません。

通常布端はロックミシンで仕上げてありますが薄地のバイアステープで端を包んであります。無骨なロックミシンと違って丁寧な仕上がりなので羽織ったジャケットを脱いだ時に美しい仕上がりに高級感が見えます。

こういう通常見えないところにGokiは拘っています。
長く着続けられる理由でもあります。

Gokiの服はYhoju Yamamotoに比べたら半額から三分の一の値段ではありますが、ファストファッションにような激安ではありません。
丁寧に扱えば30年も着続けられるのにはそれなりの理由があります。こういう仕上げをしてくださる職人さんへのリスペクト無くしては成り立たない仕事。
着てくださる方々への感謝を形に表すデザイン。

会場でそんなところも見ていただけたら嬉しいです。

4つのブランドーGoki & Artists 2026 Spring

現在Goki社には4つのブランドがあります。
一番上のタグがGoki(加藤裕之)さんのオリジナルブランド。あとの3つは後進デザイナーが担当するブランドです。

Gokiさん亡き後Goki社社長の松岡哲史さんは、Gokiさんがキャドに残したパターンを世の中が受け入れてくれる限り素材を変えて復刻しながら若いデザイナーのデザインとともに世に出していこうと決断しました。
その決意を聞いたとき、プリズムもできるだけサポートしていくことを決めました。

「プリズムが服を展示するのは絵だけで勝負できないからなんでしょ?」と言われたことがあります。悔しかった。この言葉はGokiデザインの本質を見てくれていないこととともに、他のプリズムの作家の皆さんを侮辱する言葉でもありました。また、ファッションを随分下に見ているよという宣言でもあります。

作品は最終的にそこにあるものが全てなのかもしれませんが、出来上がるまでの過程にそれはそれは尊い人の心の葛藤や愛があります。ファッションデザインだって他の作品の制作とその点において変わりはありません。ましてやGokiさんのように流行りの形を追って服作りをするのではなく、自分が理想とする形を追求しながらスタッフの生活が成り立つぎりぎりを見極める。

そのために縁の下で歯を食いしばった松岡さんの深い愛があってこそ美しい服を皆さんに届けることができたんだと信じています。

松岡哲史さんのことーGoki & Artists 2026 Spring

プリズムにGoki(加藤裕之)さんの作品を運び込む前にGokiさんに「車椅子のことはみなさんにつたえていいのかどうか」1度だけ聞きました。答えはNO。それからGokiさんが現役で仕事をしている間は公にそのことを伝えることは全くしませんでした。そのハンディを逆の武器にしたくはないのだとわかったからです。

この世にもういないGokiさんだけど、そのデザインは彼の境遇が悔しくて一緒に彼のデザインを世に出そうと奮闘努力した松岡哲史さんなくして実現できなかったはず。この物語もGokiデザインとともに伝えたかった。モノに宿った魂の叫びがあるはずだから。それにはGokiさんが背負っていた境遇も公にしないわけにはいきません。松岡さんに相談するとOKが出ました。

松岡さんは飄々とした人です。現実の無理難題は当然のこと、Gokiさんが抱えていた精神的な負担も全部背負ったはずです。個展が決まるとGokiさんはできる範囲内で最大限の「美」を追求しました。頭脳はGokiさんだけど動くのは松岡さん。Goki社はまだ立ち上げて2,3年目。今思うと私も若気の至りで松岡さんの負担のことなど考えの外でした。

個展会場はYhoji Yamamotoの店舗内のよう。Yhojiさんを追いかけていたGokiさんがまだ30代で追いかけるだけで精一杯だったんだと思います。あんな展示助っ人がいたとはいえよく1日でやったなと今も思います。

当時Goki社のスタッフはGokiさん松岡さんを入れても3,4人だったと思います。今だって5,6人です。まだ立ち上げたばかりの会社だから顧客から連絡があればすぐにでも駆けつけなければいけない。とても会期中誰かが会場にいるなんてとても厳しい。結局Goki展は1年で辞めることになりましたが、今回のような展覧会には協力は惜しまないと言っていただき30年もお付き合いいただいています。

私の中では簡素ではあるけれど手作りのファッションショーが個展の中でいつか開けるようにいろいろ画策していましたがとうとう叶いませんでした。

この絵はGokiさんの似顔絵です。松岡さんが描きました。よく似ている。ね、Yhojiさんみたいでしょ。2年ほど前にカットソーにプリントして売り出しました。松岡さんもモード学園でファッションを学んだ人です。卒業後はアパレルメーカーの営業で経営手腕を磨いてきたのでGoki社を立ち上げ運営できたのですね。

「もうワシあかんわ」って何度も松岡さんの口からでましたが、そっからが松岡さんの強さが発揮されます。
短い冬に職人さんの後継者不足に、泣きたい日々のはずですが、松岡さんは負けない、これからもずっと。

My First Goki-Goki & Artists 2026 Spring

今日私は初めて手に入れたGokiのベストスーツで出勤しています。
約30年前のものです。

当時時々寄っていた服屋さんでそこのオーナーが「新しく立ち上げたブランドがあるんですけど観てください。Gokiっていうんですよ。」と見せられた数点。どれもおしゃれでかっこよく全部欲しいくらいでしたが一番気にいたこれに決めました。

Yhojiっぽくてかっこいい。その店の前を通れば新しいデザインが見られるかもと足しげく通ったものです。

ある日「そんなに好きならデザイナーに会わせてあげようか」と夢のような話。乗らないわけがありません。

今も年2回開催されるバイヤーさん向けの展示会に連れて行っていただきました。会場に飾られている服はどれも斬新で構築的でかっこいい。Yhojiっぽくはあるけれど。

デザイナーのGoki(加藤裕之)さんにも会わせていただきました。本人もYhojiっぽい。聞けばYhoji Yamamotoに憧れて名古屋モード学園で懸命に学びついにYhoji社に入社したという経歴を持つと言うではありませんか。地方の学校からあの世界のYhoji Yamamotoに入社するなんて並の力ではできないことです。

Gokiさん、車いすユーザーでした・・・。

Yhojiさんのもとで全身全霊で仕事をしてきたけれど、事故にあってしまったんです。後ろ髪どれだけ引かれたのか、失意の帰郷は想像に難くありません。

そんなGokiさんの状況を悔しく思っている人がGokiさん以外にもいたんです。それが30年以上も苦楽を共にしてきたGoki社の社長松岡哲史さんでした。

初めて訪れたGoki社には鋭く美しいデザインとGokiさんをサポートする深い愛情に満ち溢れていました。私にも何かできないだろうか。私にできるのは展覧会しかない。展覧会にしたい。

初めGokiさんはうんと言ってくれませんでした。彼はコレクション発表ならファッションショーしかないと言います。展覧会は違うと考えていたんです。

私はその数年前に今は無き青山の東高現代美術館で観たISSEI MIYAKEのPLEATS PLEASEの話をしました。何度もしたと思います。新しい形のコレクション発表だと説得しました。

やっとGoki展が始動できたのです。

 

今日着ているスーツは30年前のものですがデザインは全然色あせていません。
上質な平織りウールの裏地はなんと白の綿。さすがに裏地は若干シミがありますが外からは見えないのでOKです。
ベストの裏地はリバーシブルかと思うほど丁寧に付けられています。こういうところが30年前の高い縫製技術なんです。
スカートの裏地も同じ白の綿です。スカートのプリーツが1.5㎝と浅いうえにスリットもないので歩きにくいと不評だったそうですが私は全然苦になりませんでした。
これからも大事に着続けたい1点です。この会期中にまた着てきますね。

 

パステルオレンジーGoki & Artists 2026 Spring

Gokiの基本色は黒。
どんな季節も黒が基本色。どんなデザインもまずは黒のラインナップです。

それでも季節の色が入ってきます。
パステルオレンジがやっと春だねと言っているようです。
柔らかめの素材に優しいパステルオレンジが厳しかった冬を忘れさせてくれるように思えます。

春物の入荷は未だ滞っていますが、精一杯春を演出できるよう無い知恵を絞っています。

寒の戻りが厳しいーGoki &Artiats 2026 Spring

寒の戻りが厳しい。昨日東京では大雪警報が出る寸前というほど雪が降ったそうです。プリズムも昨日一昨日とお休みだったのでギャラリー内が冷え切っていて暖房の効きがいまいちで辛い1日になっています。

この展覧会が始まったときには2月の終わりだと言うのに暖かすぎて冬物に目が行かないなと思っていましたが、やっぱりこんな日もあるのですね。

どんなに寒くても3月だと思うと見た目は冬らしすぎないものを着ていたい。だけど暖かくしていたい。まあまあ心はわがままなものです。

中綿入りでショート丈なら春の軽さがあって暖かい。しかもポリエステルの中綿なのでお洗濯はおうちで手洗い。こいうの1枚あるときっと便利です。

春になると会いたくなる絵ーGoki & Artists 2026 Spring

プリズムの近くにはハクモクレンの街路樹があります。今年は冬が短かったからでしょう、もうずいぶんつぼみが膨らんでいます。

この田辺雅一さんの木蓮の絵、やっぱり春になると会いたくなります。ここ数年毎年この展覧会には飾らせていただきています。

やっぱりいい絵です。
花びらの根元のオレンジがかったピンクとバックのチャコールグレイがセンスの良さを感じます。筆の勢いではなく正確な筆運びが知性的です。