高北幸矢ーもう一度観てほしい、この1点。

大好きなチューリップ、花の重みで美しく垂れた茎のカーブが巧く描けたと思える一枚です。
スケッチ画が好きで、そこから鉛筆画へ発展させた頃の作品です。
この度の展覧会のためにあらためて背景に手を入れました。
(高北幸矢)

今回出品作品に加筆はOKと言う条項がありました。時間が経つと見えてくるああしたいこうしたいを封印する必要は無いと考えたからです。

溝渕美穂ーもう一度観てほしい、この1点。

「四時半ごろ」
近所を散歩していて、あ、好きな感じ、と、ツンときた家。ブロック塀のある普通の昭和感。好きポイントは青い物干し台。気になるこの佇まいを絵にしよう。
描いたのは2010年。世の中がこんなにも激変するとは微塵も想像していなかった頃のことだ。
今の自分はどう?内側を覗いてみるが、なんだ、そう変わってはいないみたい。それでいいことにする。
またツンとくる、に出会いたくて散歩に出かける。
(溝渕美穂)

いいなと思うこと。これがいい、これでいいと思うこと。
正直な気持ちを絵にするということは、自分とちゃんと向き合うこと。
絵には作家の人柄が出るってそういうこと。

 

建部弥希ーもう一度観てほしい、この1点。

全面絵画「ゆらめくカタチ」
制作年:2023年
素材:キャンバス・油彩・水性アルキド樹脂絵具
サイズ:17.2×13.3×7cm

■コメント
全面絵画での個展開催のきっかけは、前年の2022年に作った手のひらサイズの4個だった。手の中でも愛でられ
る作品として制作していた為、個展に際し大きなサイズへの挑戦は試行錯誤の連続であった。縦横の比と厚みと
のバランスがしっくりきたのがこのくらいのサイズを制作した時で、その後さらに巨大にしていく際の目安になった
のを覚えている。上下も表裏もないので、置き方により様相を変えるカタチを楽しんでもらいたい。
(建部弥希)

「全面絵画」という新たな視点で絵を描く。
絵を書くこと以上にその視点を文章化することは困難を極めただろうと思う。それでも文章化することはこの新たな視点を言葉として曖昧なまま制作を続ければ立体に絵を描く作家と同じ括りになってしまう。書いた制作の視点はすぐに英語訳中国語訳にした。記すことが大事になることもある。

音部訓子ーもう一度観てほしい、この1点。

「BODYは語る・命は踊る」
2023年、スペースプリズムで個展「ノーベル文学賞受賞作品装丁+
ルーブル美術館招待作品」をいたしました。
今回はルーブル美術館招待作品の連作3点の中の1点です。
「BODYは語る」は以前から取り組んでいるテーマで、東京で個展をし
た時に150cmx150cmの大作を5点連作で展示しました。
人間の喜怒哀楽、感情や想いを身体で表現した時の動きに魅了されます

一人一人の自己表現として、様々な表現方法で身体を屈指し踊るが如く
舞う姿は尊く美しく悲しい。
そして、見えないところにこそ描きたい何かがあると波動を探し彷徨い
続けています。
到達点は無く長い長い道のりです。
(音部訓子)

私もBODYシリーズが大好きです。
このシリーズで源氏物語を描いていただいてからどのくらい時間がたったのでしょうか。その前から描き続けているシリーズですがその都度新しい発見があることが嬉しい。

服部純栄ーもう一度観てほしい、この1点。

「懐郷」
出生地はあるが故郷は無い。子供の頃、とにかく引っ越しが多かった。不安と緊張感を常に抱えて焼き付けなければならなかった情景の記憶は断片的であり、しかし鮮明である。黒い海、路地、石階段、鉄工所、商店街の金魚屋、百貨店の屋上、踏切、公園の遊具・・・そして赤い色。
この絵を描いた頃、それらを繋げたら故郷が見つかると思ったのかもしれない。
傍らに赤い毛糸を偲ばせて描いた6点シリーズの1点。
(服部純栄)

温度・湿度・匂い・音
ほんのちょっとした空気の流れまでを含めて「気配」というのならこの絵には気配まで描き込んである。しかもけだるいほどの日常の気配。だからこそそこに危うい未来を予感させる。

石本真裕子ーもう一度観てほしい、この1点。

『ひとつの空』
空にはためく万国旗を、自由に羽ばたく鳥の姿に重ね描きました。
自由と平和を象徴する鳥はよく私の作品に登場します。
四つ切り画用紙に際限なく浮かんでくる鳥たちをクレパスで無心で描いた感覚を
今でも鮮明に覚えている作品のひとつです。
(石本真裕子)

「無心に描く」
それは画家にとってかけがえのない時間、なはずなのに別の事に気を取られたり、無心ではあったが出来上がってみると何か物足りなかったり。その時間も絵も満ち足りていた会心の作。そうたくさん描けることなないのかもしれません。

加藤鉦次ーもう一度観てほしい、この1点。

“花シリーズ”よりの1枚
やはり風景作家でした。花を描きつつ“花のある風景”なのだと。描きたかったのは、花にまとわる空気だったと思います。
大作中心で小品はあまり手がけて来なかった作者が、プリズムでの個展数回を通してテーマが広がり、勉強になったとしみじみ申しておりました。そして制作中も会期中も悩みつつも楽しんでいた様子。プリズム作家皆様との交流も心なごむ時間でした。感謝!
(加藤素子=加藤鉦次夫人)

昨年10月に逝去された加藤鉦次さんの作品です。
プリズムにとってほんとうに大事な方を亡くしました。プリズムでは最後の展覧会になるかと思います。
鉦次さん、ありがとうございました。

倉中玲ーもう一度観てほしい、この1点。

「睡蓮」
2024年5月に開催した「倉中玲個展-跨越(かえつ)-」に出品した作品です。跨越(かえつ)は、異なる地点を架橋するという意味の言葉で、違いに対して寛容であること、そうすることの難しさなどが個展のテーマでした。この「睡蓮」は、うつつとまぼろしが混ざり合う様子を、水で薄くのばした絵の具を何層にも重ねるというグレーズ技法で描いたものです。
(倉中玲)

作品を写真にしてみると肉眼では見えなかったものが見えてくる。
ドレス姿の女性が見えてくるのは私だけだろうか?
この展覧会が終わると倉中玲さんの2回目の個展です。次はどこに行っているのか何をみせてくれるのか?

御囲章ーもう一度観てほしい、この1点。

[言えない事]
技法      油性インクによる木版画
イメージサイズ  タテ450mm×ヨコ300 mm
作家名     御囲 章
制作年     2023年

コメント
生きていれば決して口には出せないことがあれやこれやとあるものである。自分自身の「秘部」や「恥部」、人間
同士の付き合いから起因する「秘密」や「不満」、変化する価値観や風潮にどうしても馴染めない「抑えこまなけれ
ばならない本音」と、次から次へと湧いてくる。そのモヤモヤを「タテマエ」で覆ってこそ世の中に居られるのだが、
どうしても漏れてしまうのが人である。ただし、「ニオワセ」る人は面倒臭い。
(御囲章)

植物で人を表現していると常々おっしゃっている御囲章さん。
なかなかに複雑に思えるがきっと本人にとってはごく自然なことなんだろう。
こう見なければとかああ見えなければという思いにとらわれないことがこの絵と仲良くなれる秘訣なのではないでしょうか。

サノエミコーもう一度観てほしい、この1点。

cochon ぶた
上目使いのこの愛らしさ。どうして伝わらないのでしょうか(笑)
ブローチにしても私の元へ帰ってきてしまう。
この機会にこの子の可愛さを再確認して頂きたいです
(サノエミコ)

さて、なんででしょうかねぇ。私も可愛いと思うのだけど・・・。
たまたまぶたさん好きなお客様が見に来てくださらなかっただけだとしか思えませんけど・・・。なんてこともあるんですよ。