百瀬博展ー天使誕生

搬入3日前に仕上がった作品です。
この個展では一番新しい作品ということになります。
前にも書きましたが、「百瀬博展」は4月に開催予定でCOVID-19 の影響で開催4日前に延期が決まりました。だから予定通り開催だったらこの作品は観られなかった。もしかしたら制作すらされなかったのかもしれません。

しかしこの作品は百瀬さんにとって新しい方向を示してくれたのだそうです。
「これができて良かった。ここからまたスタートできると思いました。」と。

たくさんの天使が生まれました。いろんな表情をした天使たちでした。中には少々険しい顔をした天使もいました。

間もなく70才を迎えようという百瀬さん。
70年も生きればいろんなことがあります。たくさんのいいこと。たまには良くないこともあります。前回の個展から今回までの②、3年の間にも日々はただ穏やかには過ぎてくれませんでした。絵にはそんないろんなことがスパイスのように効いています。甘かったり苦かったり辛かったり・・・。

最後にあどけない天使が生まれてきて良かった。

4月だったら昨日紹介した作品が最後だったそうです。あれもすっきりした腑に落ちる作品でした。どんなときでもちゃんと完結させることができるところはベテランの力を見せられた気がします。

百瀬博展ー天使のいる風景

もうすっかり猫好きさんの間では「猫のお父さん」として知られている百瀬さん。愛猫2匹にとっては大切な人です。

この絵はDMにもなりました。

元気な絵です。
きっと百瀬家の猫達がとっても元気だからだと思います。

もしかしたら天使は百瀬さん?
そんなわけないか。
・・・・いややっぱり百瀬さんのような気がしてきました。

猫の話になるともともと優しかったお顔がさらに優しくなる百瀬さんです。
猫展にも毎年参加してくださっています。

谷口広樹展ーききき

2020年7月2日(木)−12日(日)*7日(火)休廊
午前11時30分ー午後7時(最終日午後5時まで)
ギャラリートークはありません。

百瀬博展ーふるさとを思う

数年前から百瀬さんのところに降りて来た天使は頭に小鳥のお面を被ったユニークな天使でした。

この天使はお面こそ被っている物の少し丸顔になって、何よりも色使いが今までと違って来ています。天使の衣装から黒赤緑が随分少なくなっています。白が目立っています。背景も水色とピンクだったのが水色こそ残っているものの黄色です。

絵から受ける印象はかなり違って見えます。
軽くなっています。
丸顔のせいかとても穏やかです。

この絵はギャラリーの正面の壁に飾られています。
ここに飾ることは初めから決めていらっしゃったようでした。

何かが変わっていく予感。
わくわくします。

百瀬博展ー言葉をとどける

この個展から小鳥のモチーフが出て来ていることは前にも書きました。

今日の作品は「鳩」です。

「鳩」だけでなく小鳥たちのデフォルメーションがとても好きです。
ヨーロッパの民芸品のようなおしゃれで素朴なビジュアルが作品全体を優しくしているように思います。

この作品では小鳥と天使が静かに対話しています。
何を話しているのでしょうか。
きっととても幸せなお話に違いありません。

百瀬博展ー天使のいる風景

昨日、新しいモチーフのことを書きました。

今日注目したのは構図です。

「デザイン的ですね」と何人かの方に言われました。
デザイン的ってどういうこと?
デザインの世界では見かける構図っていうことでしょうか。

モチーフのレイアウトが自然界の摂理とは違っているのが面白い。
シュールとも違う。

こういうことね。という答えは出ませんが、とにかく新鮮な構図です。

 

百瀬博展ー南西へ

今回の個展ではいくつかの新しいモチーフが出てきました。


数年前から飼い始めた猫は今では百瀬さんにとって大切な存在になっています。
独特なデフォルメーションのお馬さんのような猫はいかにも相棒といった感じです。

小鳥
天使も小鳥も羽根があって自由に飛び回ることができます。
ヨーロピアンな民芸品のような小鳥はおしゃれでかわいい。
「飛ぶ」に託された何かがあるのだろうか。

他にも今までは描かなかった花が出て来たことがとても新鮮に感じます。

新しいモチーフにはきっと何か新しい世界観があるに違いない。

百瀬博展ー記憶を旅する

画家となるべくスペインに若くして渡った百瀬博さん。

その空気感を忘れずずっと描き続ける。

シエスタにまどろむあのスペインの大地は独特な時間と空気が流れている。
祭や闘牛やフラメンコの激しさの後ろに、あの静かな空気がいつもある。
スペインは柔らかい。それでいてひりつく。
あの感覚がよほど彼の肌に合ったのだろう。それでも帰る日が来てしまった。


あの日に戻りたいのではないだろう。
あの日々を遠い日本で思うことが心地よいのかもしれない。

 

 

百瀬博展ー天使のいる風景

数年前、突然百瀬博さんの頭の中に現れた天使は今も健在です。
少しずつ何かが変わってはいるけれど、作品の中心に天使がいる。

頭に小鳥のお面を被り、緑の鞄を首から提げた天使。
それも3年前と同じ。
だけど確実に何かが違っている。何だろう。

変わっていて変わらない。

そもそも天使という存在は日本人の私たちにとってそれほど馴染みが無く、ともすればメルヘンの世界を思ってしまいます。彼の人間性からしてそういう世界観で天使を描いているとは思えません。

前回より深く天使を掘り下げてみたい。