
「猿虎蛇」は岐阜県旧洞戸村に伝承される魔物です。知名度の高い「鵺(ぬえ)」と姿かたちはかなり似ているが絵を見るとわかるように顔がサルで胴が虎で失費が蛇なんです。悪さをするというので藤原高光が打ち取ったとされています。岐阜の妖怪ということでちょっと親しみがわきますが、魔物ですからお気を付けください。
この世で見ることは実際には難しそうですが、顔も胴も尻尾も現存する動物ですから会えそうな気がしますよね。
日本画を描くうえで妖怪を描きたい自分は正道を進んでいるというわけではないと水野加奈子さんは言います。だけどずっと描き続けるためには自分に対しても他人に対してもその説得力は持っていたいと思ってもいます。
説得力を持つにはどうしたらいいかを考えました。
一番は描く技術。デッサン力はどんなジャンルでも求められますが日本画の伝統的なたくさんある技法をできるだけ身に着けたい。日本画を勉強し始めた学生時代は日本画も厚塗りが流行っていたのでざっくりとした力強さで描き進めていました。薄塗りで細い線を描く技術を身に着けることを心掛けました。
「猿虎蛇」は大き目な作品ですが背中の虎柄は面相筆で丁寧に毛の1本1本を描いています。そのために学生の頃力いっぱい描く筆と違って繊細な細い筆面相筆を使います。細い線をきれいに描くにはそれなりの修練もいります。きれいに描くには少々高めの筆も要ります。
自分の好きなものを描く続けるために決めたことはそれだけではありません。会期中お伝えできればいいなと思っています。
