
もう十分お母様への想いを描き綴ったのではないだろうか。
最初から花井正子さんからの感謝の気持ちはお母様には伝わっていたと思うが正子として母の一生に絵描きとして向き合いたかったのだろう。
初日の朝母に納得できる作品を皆さんに見せるからねという報告をしたと花井さんは晴れ晴れとした表情で私に伝えてくれた。
林檎はこれからも描くと思うが今までとは違うと思うと語ってくれた。
一人で逝かせてしまったのは偶然にことだった。それぞれの娘たちが自分から巣立ってそれぞれの道に進んでいることにきっと満足した晩年だったことだろう。
林檎は一人で逝かせてしまったことを花井さんに突き付ける存在ではなくなった。
青い背景に溶け込むようにいったん林檎は終わる。
これから登場するかもしれない林檎を初めとしてこれからも自分と向き合って絵を描いていく花井正子さんの絵を見届けていってほしい。
