
大好きな服はずっと着続けてしまいます。もう着られないなと思っても捨てがたい。なぜなんだろうと、山内寿美さんは考えた。
長年着た服は自分の皮膚に馴染む。本物の皮膚ではないのに自分の皮膚の延長に思えてくる。そう簡単に捨てられないのは第二の皮膚、自分の身体の延長だからだろうか。実際に自分の細胞のいくつかは着慣れた服に沁みこんでいるはず。
それならそこに進化に必要な(はずの)模造真珠や模造ガラスのビーズを縫い込んでみよう。環境汚染も取り込める生物としての進化。そうなればいい。
希望。
この個展のストーリーはここから始まった。
