小西雅也さんの今回の個展では柄がプリントされたラッピングペーパーや新聞を作品の中にコラージュを施した手法を多用しています。この作品にも何か所かコラージュがあります。
印刷物のコラージュにはある種の強さがありその部分だけ浮いてしまうことがあるのでコラージュを馴染ませるためにプリントの上に色を乗せたり逆にプリントの柄の延長を手描きしたりしています。
小西さんにとって今回のコラージュは従来の絵、例えば9月18日投稿の作品のように板を打ち付けて絵を描くものと同じような意味合いがあるのだそうです。板で半立体を作るとビジュアルとしての強さがある。強くなりすぎないように平面となじませるように絵を描く。板とラッピングペーパーや新聞紙は同じ働きをしているということ。
従来の作品もこのシリーズもどちらも小西雅也さんの作品。どこかクロスするものがある。もちろん小西さん自身全く別の物を描こうとしているわけではないのだから当たり前と言えば当たり前の事なんだけど、なんだかほっとする。
テーマやモチーフに違いはあるけれど、根っこのある作家の本質はそう簡単に変わることは無い。それをファンは知りたいのではないだろうか。