「跨越(かえつ)」DMにもなった作品です。
藤は美しい優雅な花です。
藤の名所がこの季節たくさんニュースなどでも紹介されていますから、実際に見に行かれた方も多いことと思います。
この藤は人の手が入って藤棚のようにコントロールされていると気づきにくいのですが、蔓植物なのでどこまでも伸びていきます。
山にある藤は他の植物に絡みつき寄生こそしませんが取り込んでいってしまいます。倉中玲さんはそこに「跨越(かえつ)」を見るそうです。
美しい花と取り込むという実態と。
「跨越(かえつ)」の一筋縄ではいかないものを見るような気さえします。
どこか禍々しさも感じます。
あちらとこちらを跨いで越していくことは「いい」とばかりは言えない。
ではあちらのことは関わらないでいるほうがいいのだろうか。
倉中さんは絵を描くことでこの問題に自分なりの答えを見つけようとしている。