カイゼルベルグー加藤茂外次展

現在一番人気の作品です。
版画なので複数枚用意があります。

なんでわざわざこんなことを書くかと言うと、お客様の中に「これは赤丸が付いているのでもうないのですよね」と尋ねる方が案外いらっしゃるからなんです。

ついでに版画についている分数の意味を書きます。これは良く知られていることなので知っていらっしゃる方は飛ばしてください。

版画作品ではだいたい左下に1/5とか3/25などの分数のような表記があります。これはエディションナンバーあるいはシリアルナンバーと言われるものです。分母に当たる数字が刷った枚数。分子に当たる数字が通し番号です。刷った順と言う方もいらっしぃますがだいたいはする作業に没頭していてそこは順番通りとはいかないものらしいです。

分母のあたる数字は変えてはいけないのがルールです。最初に5枚と決めたなら5枚までは刷ってもいいけれど8枚も10枚の刷ってはいけません。1/5が世の中に2枚も3枚もあってはいけないのです。このルールを破る作家は信用されません。

ただし版画にはa.p.とかe.a.と表記されたものがあります。
a.p.は英語で「artist proof」e.a.はフランス語で「epreuve d’artiste」。どちらも作家保存と言う意味です。これはエディションナンバー外のもので数に決まりはありません。エディションナンバーの管理が大変だから全部作家保存にしてしまう作家もたまにいらっしゃるのは事実です。

他に非売h.c.や試し刷りt.p.なるものもあるそうですが、私は見たことがありません。

版画の豆知識でした。

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