素材は3㎜ほどの鉄板。
鉄なのに見る側に重さを感じさせない。
片方の足が少しだけ台から浮いている。それもまた重さから解放しているのかもしれない。
「鉱さんらしいね」と今日観てくださったお客様がおっしゃった。板倉さんは地元で「鉱さん」と呼ばれているのだけど、彼らは板倉さんのことを親しみを込めてそう呼ぶし彼の作品と彼自身を重ね合わせていてくれるようだ。
70年も生きていると誰だって少しばかりの不自由と一緒に生きていかなければならない。まして板倉さんは難病との付き合いもある。不自由は重い。板倉さんは作品を通して不自由からの解放を会得しているように思う。現実はそうでなかったとしても・・・、いや板倉さんに限ってそんなことはない。
飛ぶことを考えていたらわくわくするという板倉さんだから、不自由なわけがない。彼の作品を見たらそのわくわくが伝わる。もっともっとたくさんの人にわくわくを伝えたいな。