初めてプリズムで板倉さんが個展を開いてくださったとき「リルケの詩を形にしたらこうなったじゃんね」と三河弁でおっしゃいました。
リルケ近代ヨーロッパの文学者であることは知識として知ってはいたけどはて?
会場に並んでいるのは優しい形の花や草木動物や昆虫。
リルケって確か小難しくて敬遠してたはずなのに、そこにある作品はわかりやすく、なんならかわいい。私の頭はたちまち混乱の渦。
板倉さんは「リルケは生きるために大事なことは森が教えてくれるって書いているからそれを作った」と。
慌ててリルケを読んでみたけど、私にはやっぱりわからなかった。
リルケはわからなかったけど、板倉作品はどんどん心に沁みこんでくるのでした。
病に悩む若き板倉鉱司さんはある牧師さんと出会い芸術や文学や哲学に触れることになりました。そしてそれらは前向きに生きることの意味を教えてくれました。とりわけ作品を作ることはそんな時期に知り合った彫刻家掛井五郎氏の制作の手伝いをするという経験から目覚めたのでした。
リルケの存在は板倉さんの根幹でもありように思います。
この作品は「リルケの影」
リルケの文章を理解するための時間がとても楽しいと言います。リルケだけではなく文学も哲学も自分なりの解釈をじっくり進めていくことは一生の楽しみなのだそうです。
「空を飛ぶ」って自由に思索にふけるっていうことも入っているのかな?