1970年代は華やかだった。
雑誌を開けばショッキングピンクや蛍光色にあふれていた。そんな色をこれでもかと詰め込んだようなヴィジュアルをサイケデリックともてはやした。ヒッピー文化が最高にかっこよかった。横尾忠則さんも田名網敬一さんもサイケの旗手のような存在だった。あの頃のポスターは今見ても私なんかは「いいな」と思うのです。
さてその田名網さんの版画集。
バブル経済もほぼ終焉という頃、版画集「森の祝福」は出版されました。オール特色オフセット30枚セット。特色(4色分解ではなく全部の印刷インクはインクの状態で色を作る)という贅を極めた印刷です。何色あるのか数えたけど途中で分からなくなるほどの色数でした。鮮やかな色を表現するにはこれが一番なのです。
そして極めつけはその鮮やかな色に負けない造形力。これは実物を見ていただくしかありません。
作品の下に置いてある箱の中に今も15点ほどの版画が入っています。
運が良ければご覧いただけます。