
大きな絵を見せられれば大方の人が「大作だね!がんばったね。」と称賛します。小さな絵だったらどうかというと、残念ながらそういう「小さな絵で凄いね」とはまず言われない。
小さな絵って描くのがラクなの?
ラクなように少なくとも見える。
だけど描く側は決してそうは思っていません。
プリズムには「小さな絵の展覧会」という定番展がありますが、「あの展覧会のために気持ちを切り替えるの大変」はよく聞きます。100号なんていう大きな絵を描く洋画家の方にとってはまず手を動かすストロークを随分小さくするということをしなければいけません。体の使い方が違うってことなんです。
100号1点と5㎝角1点と、やっぱり同じとまでは言えないけれどアイデアを生み出すのはそれなりのエネルギーを費やさなければならない。
言い出したら切りがないほど、小さいからって決してラクなんかじゃないのです。
それでも小さい絵を大きい絵と同じ点数、いやそうは言わずに倍数の点数出したとしても「凄い」とは、多分言われません。
作家としてはそうは言われたくないので数で勝負ということになるのです。高北幸矢ではない別の作家も同じことを言っていたし、やってくださった。
じゃみんな大きな絵を描けばいい、と言うわけには簡単にいかない。だって小さな絵でなければ表現できないことがあるし、なによりも作家自身が小さな絵を描きたいと思っているのならそれはそれで、小さな絵を描かなければならない。
絵の大きさには意味がある。作家にとってその大きさで描かなければならなかった意味もあるのだということも観てほしい。
