
美術を勉強し始めたばかりの学生だったとき、指導教授が「生物は進化するものだから人間だって環境汚染をも取り込んで進化しないとは言い切れない」と言ったことに共感した山内寿美さん。今もそうであってほしいと思い続けています。
そんな話を聞いたころ、世の中は環境汚染問題に揺れていた。
彼女自身も将来に不安を覚えていたのだけど、その言葉の力強さは妙に説得力があり生きる力になったと言います。
前回もそうですが、今回も石油から作り出され土に還らないと言われているプラスチックなどの化学素材で作られているパーツを多用しています。
今回はプラスチックのビーズを縫い込んで制作をしました。
汚染物質を体に入れ込んでいるというイメージです。
模造真珠や模造ガラス。
生命の力はそれほどまでに強靭であってほしい。
取り込んで進化できたとしたら、模造真珠も模造ガラスも美しい存在になるに違いない。
