輪廻ー中村理恵日本画展

ある日散歩していた中村理恵さんは団栗が芽を出しているのを見つけます。
その芽は団栗の落ち葉がいっぱいの地面から生えていました。その落ち葉の下には芽が出なかった団栗もあるでしょう。団栗だけではなく小さな虫たちも生きているに違いありません。

そんなことを考えていたら、生き物の営みは繰り返されると言いますが、全く同じストーリーを辿るわけではないし、少しずつ違った営みがあるはずだと思いが巡りました。

そんな思いを絵にしてみたいということから生まれた絵です。

「輪廻」

大きな流れとしては繰り返されるのだろうけど、全部同じではない。かけがえのないその営みは尊い。

胡粉を使い葉っぱを半立体にし箔を載せて丁寧に描き上げていく。
手のかかる技法で仕上げられた絵です。
地面に降り積もった乾いたあるいは湿った葉っぱの表現も見てください。
その下にもきっと団栗があると想像した中村さんの思いが見えるでしょうか。

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