この写真にある辺りの作品はほとんど4年前の作品です。
この時の個展では今まで深い思いを飄々とした表現だったにもかかわらず人物の表情には険しいものがあります。
ここにはありませんが少年の頃に好きだったというシートン動物記の中にある「狼王ロボ」もありました。その「ロボ」も人間に挑戦するような存在だったので険しい顔をしていました。
どうしたのかなとは思いましたが、作家にはいろいろな変化があるのは当たり前のことなのでそこからどう変わっていくのかが気になっていました。
今思うと体調が思わしくなかったのかもしれません。
子どもの頃からの病気の治療が良い効果が出てきたとはいえ、実は別の病の影が見え隠れしていたりもしたのだろうか。
女性が持つ生命力を敵わないなとおっしゃっていたことも思い出されます。「ロボ」についても狼の中では超絶な能力を持ちながら1匹のメス(妻)の存在を利用されて人間に捉えられてしまうという結末にやはり悲しみを感じていました。
強い生命力へのあこがれがそこここに見えていました。